3節 マッチ&会見リポート(クボタ 25-36 サントリー)

クボタ 25-36 サントリー   クボタ 25-36 サントリー   クボタ 25-36 サントリー
マッチリポート
クボタスピアーズ 25-36 サントリーサンゴリアス
(week3/2008年9月20日 at東京・秩父宮ラグビー場)

サントリーサンゴリアスはクボタスピアーズに4点差まで迫られていた後半33分、楽にPGを狙える位置で得たPKでスクラムを選択。そのスクラムから途中出場のサントリーSH成田が、抜群のスピードでショートサイドを走り抜け右隅にトライ。健闘のクボタを突き放し、今季秩父宮での初勝利と勝ち点5(累計10)をあげた。

サントリーは前半、ゴール前ラインアウトからNo.8ソンゲタ、新人PR畠山の突破からFL李、SO曽我部のハイパントからHO青木と、3トライを奪ってボーナスポイントへ王手をかけた。しかし33分、40分、後半1分、4分と、クボタSOドゥラームに4連続PGを決められて、7点差まで縮められる。その後、SH田中、曽我部、CTBニコラスが見事な繋ぎを見せてやっと4トライ目を奪うが、後半18分ドゥラームの好ブレイクからクボタにこの日唯一となるトライを許す。さらに1PGを追加されて29-25と詰め寄られたところで、冒頭のトライが生まれた。
前半は畠山、篠塚、李、FL竹本らのFW陣や、BKでは思いっきりのよいランでこの日小野澤より目立っていたWTB長友など、昨季のレギュラーに故障者が多いサントリーにとっては若手選手がよい働きを見せていることは好材料。

一方クボタは、No.8ケフ、SO伊藤、FBマクイナリらが試合を組み立てていた昨季までとは別のチームのようだ。中でも初戦で劇的な逆転DGを決めたドゥラームは、この日も6PG1Gと一人で20点をあげる活躍。圧巻は後半22分、ハーフライン付近からのロングPG。秩父宮はこの日、クボタが猛攻を仕掛けた後半20~30分位の間、最も盛り上がった。(米田)

会見リポート

クボタスピアーズ
山神監督(右)、鈴木キャプテン(中)、荻原ゲームキャプテン
山神監督(右)、鈴木キャプテン(中)、荻原ゲームキャプテン

◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「サントリーさんに挑戦する、うちの力を試せる、大きな意味があるゲームで、選手も良いモチベーションでできました。前半、追いつくまで、相手のプレッシャーに押されて反則が多く、ハーフタイムに指示しました。選手は本当に良く頑張ったと思います。それだけに非常に悔しい思いです。もう一回、この場所でサントリーさんに勝つことをモチベーションにしたいと思います」

○鈴木力キャプテン
「本当に悔しい思いでいっぱいです。チームとして、レフリングが合わないことや相手のプレッシャーの下で、最後まで崩れないパフォーマンスができました。勝てなかったが、自分たちの成長を感じました。この悔しさを、トーナメントに進出してサントリーさんを倒すことに向けたいと思います。気持ちの面で本当に良い試合でした」

──後半33分、サントリーがPGを狙わずスクラムを選択したが?
「サントリーさんはスクラムに自信を持っているので、敵陣でずっとマイボールにしておく作戦だったと思います。しめたというより、早く得点したいという気持ちでした」

○荻原要ゲームキャプテン
「レフリーと解釈が違って、言いたいことはあるが、やっぱり、自分たちが弱くて負けたのだと思います」

──PG狙いは?
「ドゥラームは距離が出て確実に狙える位置なので、任せていました」

──指示は?
「倒れこみの反則が多いので気をつけていました」

クボタ 25-36 サントリー   クボタ 25-36 サントリー   クボタ 25-36 サントリー   クボタ 25-36 サントリー
サントリーサンゴリアス
清宮監督(左)、大久保ゲームキャプテン
清宮監督(左)、大久保ゲームキャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「選手がああいう試合をしたいと、かなり激しくトライを獲りにいこうというラグビーをしてくれました」

──本当に選手が?
「冗談ですよ。でも、本当に激しく積極的に仕掛けていましたね。今日は収穫の多い試合でした」

──PGを狙わずスクラムを選択した場面は?
「スクラムは安定していたし、後半のあのメンバーならトライが獲れると思っていました。(もし、ショットを選択していたら)あの時、ショットしてくれてよかったって、後からクボタさんに言われたであろうと容易に想像できます。過去にたくさん同じような場面がありましたから。経験豊富なキャプテンだからな(大久保ゲームキャプテンが『あそこで9番が走るのは予定通りでしたよ』と突っ込み返す)」

──ゲームマネジメントは?
「全体の場面ではなかったけれど、外のほうが良いのにとか、前のほうがとか、局面ではいろいろあったが、バランスが大事で、その点はよかったかなと」

──オドゥーザ選手とクボタの新外国人選手は昨年、同じチームだったが?
「アフターマッチファンクションで聞こうと思っていたんです。オドゥーザ選手のことを評価していれば、蹴ってこないと思っていたのですが、やっぱり蹴ってこなかった。彼の潜在能力というか怖さを知っているのだと思います」

○大久保直弥ゲームキャプテン
「今日はありがとうございました。とにかく、今日は1点差でも勝とうと、チームを1週間つくってきただけに嬉しいです」

──PG狙わずスクラムを選択した場面は?
「ゲーム前から、この2戦、クボタさんが厳しいゲームを勝ってきて勢いがあるので、止めるには激しさ、前に出る力だと臨みました。僕としては選択に関しては迷わなかったです。勝ってよかった。前半からトライを獲るためにとにかく一人一人走れって声を掛け合っていました。クボタさんに3点ずつ追い上げられ、弱気になる場面でしたが、強気で行こうと。トライが獲れてよかった」

──成田選手のスピード?
「ゲーム前から監督にそれぞれの個性を生かせと言われていて、菅藤心と成田が出て、もう一段速いスピードでいけたと思います。お客様もあそこで3点取るラグビーより、がむしゃらにトライを狙うラグビーを見たいのではと。勝ったから言えるんですけど(笑)」

──収穫は?
「前半は点差以上に差があったと思います」

──けが人が多いが?
「まあ、これからも多分けが人は出てくると思います。三洋さんに(開幕戦で)負けて、チーム内で競争して勝った人間が出ようと監督もキャプテンも言ってくれて、今日も入った選手が思い切り持ち味を出してくれたので、そういう意味でよかったです」

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