5節 マッチ&会見リポート(クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト)

クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト
マッチリポート
クボタスピアーズ 34-17 コカ・コーラウエストレッドスパークス
(week5/2008年10月18日 at東京・秩父宮ラグビー場)

開幕から2連勝の後、上位チーム相手に2連敗中だったクボタスピアーズだが、コカ・コーラウエストレッドスパークスとの好ゲームを制し、ボーナス点付きで3勝目をあげた。

世田谷ラグビースクールの子供達にエスコートされ入場してきた両チームは、立ち上りからボールをよく動かし好タックルを連発、ラジオリスナー招待DAYも手伝って多くのファンが集まったこの日のスタンドを沸かせる。テンポの早い展開の中、SOドゥラームのPGで先制したクボタは、右サイドでの攻防から左へ素早く展開してWTB根岸が左隅にトライをあげた。さらに16分にも、ゴール前中央付近のスクラムからドゥラームが相手ディフェンスの裏へ転がした絶妙のキックを、CTB渡海谷が押さえて早くも2トライ目。その後コカ・コーラに2トライを返されたものの5点差のリードで前半を折り返した。

ハーフタイムには、スタンドの子供達やこの日ボールボーイを務めた船橋ラグビースクールの面々と戯れるスッピー君(クボタのマスコット)が場内スクリーンに映し出された。そのスッピー君のように、この日のクボタは昨季までのようなアタッキングラグビーが復活、ファンを楽しませた。後半開始早々にドゥラームがトリッキーなバックハンドパスをNo.8ケフへ送ったプレーはトライに繋がらなかったものの、左サイドで得ていたPKからの速攻では、前半同様に根岸が左隅にトライ。後半途中には今季初登場のFBマクイナリが、得意の鋭いステップからトライするなどさらに2トライを積み重ね、粘るコカ・コーラを寄せ付けなかった。

ドゥラームはこの日ゴールキックで6本中2つ、試みた4回のDG全てを失敗するなどゴール成功率は今一つだったが、ゲームを組立てる正確なキックやパスで勝利に貢献、今季早くも3度目のマン・オブ・ザ・マッチを獲得した。
コカ・コーラは激しいタックルで対抗し、前半はクボタと同じ2トライをあげたが、後半はCTBパエアが1トライを返すのがやっと、今季2勝目はならなかった。(米田)
クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト
会見リポート
コカ・コーラウエストレッドスパークス
向井監督(右)、山口キャプテン
向井監督(右)、山口キャプテン

◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督
「前後半とも、重要なところのセットピースがうまくいかなかったことがすべてです。あれがなければ、もう少しクロスゲームになったと思います。負けたことは仕方ないので、サニックス戦に向けて切り替えていきます」

──トライはオフロードパスでうまく獲れているが、ターンオーバーされることも多いが?
「台所事情も苦しく、成長過程の生みの苦しみですが、ボールを持ったときは前で取れています。ただ、一人孤立すると、どのチームもターンオーバーする力を持っています。状況として、ラックに入るのか否かの判断ができない選手も多いのかとも思います」

○山口智史キャプテン
「今シーズン、初めての秩父宮で、たくさんのお客様の前で試合ができてよかったです。肝心なところのセットプレー、それがすべてです。春からFWの課題として取り組んできたことですが‥‥。あと1週間、修正して九州ダービーに勝ちたいと思います」

──ちょっと元気がないようだが?
「まさに、監督からも言われていました。今日はトライやリードした選手など味方の良いプレーをコールしようとキャプテンとして心がけたのですが。若い選手が多く、乗り切れない部分があります。チームとして成熟させなければなりません。勝って自信をつけていくことが必要で、1つの勝ちで成長していくのかと思います」

クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト   クボタ 34-17 コカ・コーラウエスト
クボタスピアーズ
佐野監督代行(右)鈴木キャプテン
佐野監督代行(右)、鈴木キャプテン

◎クボタスピアーズ
○佐野順監督代行
「まず、この場をお借りして、前節、吉田英之選手が危険な行為をして処分を受け、多くのファンの皆様の期待を裏切り、関係の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。チームとして、この事実を厳粛に受け止め、北岡ラグビー部長の減俸、山神監督の10月11日から12月14日までのラグビー活動の自粛を決めましたのでご報告いたします。なお、その間、私、佐野が監督代行を務めます。
こういう状態で、チームで色々なことを話し合いました。とにかく、クリーンにファイトして、今日も1200名を越える従業員やその家族の皆様の前で素晴らしい試合をしようと送り出しました。前半、自陣で試合をしてトライを獲られる部分もありましたが、今日は全体としてゲームコントロールができていました。勝って正直、ほっとしています」

──最後にペナルティから攻めたが?
「正直、ホーンが鳴って、勝ったなと思っていました。点差は開いていましたが、自分たちは最後まで攻めるんだという姿勢が見られたプレーでした。ゲーム展開にもよりますが、あのアタックはむしろ良かったと思っています。ただ、相手に勝ち点を取るチャンスを与えたことについては、冷静にならなくてはいけないと思います」

──マクイナリ選手は?
「首の故障でしたが、ようやくサテライトに出られるようになったので、アタック力を買ってリザーブに入れました。早いタイミングで入れようと考えていましたが、うまくはまったと思います。今後、選手が怪我から帰ってきたときに誰を使うか迷うところで、それだけ、選手のバリエーションが増えたと思います。今日はアタック重視でした。ドゥラームのキックが素晴らしいので、ペナルティゴール狙いが多くなったが、4試合で4トライは絶対改善しなければならなかったものですから」

○鈴木力キャプテン
「前節以降、いろいろなことを反省して、しっかり自分たちのラグビーをひたむきにやることが大事だと、後ろを向かず、前を見て戦おうとチーム全体に言ってきました。たくさんのお客様の前で、80分、崩れずにゲームをやりきったことは一つの成長だと思います。これからも一つ一つ成長していこうと思います。ありがとうございました」


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