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日本IBMビッグブルー 10-14 クボタスピアーズ
(week9/2008年12月14日 at東京・秩父宮ラグビー場)
クボタスピアーズが今季5度目のマン・オブ・ザ・マッチとなったSOドゥラームの活躍などで、粘る日本IBMビッグブルーを振り切り、9節(9試合目)にして昨季と並ぶ5勝目に到達した。
ぎりぎりのところで繋がらないパス、伸びが足りないゴールキック、足を取られて思うに任せぬステップ。前半節での健闘を後半節に繋げたいクボタと、今季まだ1勝のIBMの一戦は、今にも雪に変わりそうな冷たい雨と風という生憎のコンディション下となった。しかし、そういう日でもラグビー場まで観に来てよかったと思える瞬間は訪れるものだ。
それは後半17分、IBMの反則繰り返しにより22m左中間で得たPKで、クボタSOドゥラームがボールを手にした直後だった。IBM FLパリンガタイにイエローカードが出されたこともあり、PG狙いだろうとIBMは一瞬気を抜いていた。その隙に右タッチライン際へ回り込んでいたCTBオツコロへ、ドゥラームからフィールドを横断する絶妙なキックパスが通り、ダイナミックなトライが生まれた瞬間だ。雨の日の5点は重い。その後IBMに1トライ1ゴールを返され1点差まで詰め寄られたクボタだが、さらに1PGを加えて辛くも逃げ切った。
クボタは特に前半、FWがよく働いて、相手SOハーカスへ渡った数より多くのボールをドゥラームへと供給。それに応えたドゥラームは、キック以外にもランやパスで仕掛けてチャンスを創出、悪条件もあってなかなかトライまでは繋がらなかったが、クボタ優位を築いていった。
IBMは後半、HO安江が溌剌とした動きでFWをリード、除々に勢いを取り戻してきた。
そして後半22分、その安江が自陣深くから右サイドをハーフウェイまで前進してラック、そこからハーカスのチップキックでチャンスを広げ、さらに左ラインへボールが繋がり最後はCTB大松が左隅にトライを返した。クボタに劣らぬ素晴らしいプレーを見せたIBMだったが、その後は再びクボタに抑え込まれてしまった。FB高主将は試合前、「キック合戦での辛抱が鍵」とコメント。前半クボタのキックをうまく処理しておきながら、自チーム選手がシンビンとなった際、主将としてレフリーの説明を受けるためポイント近くへ寄っていたことが不運だった。また、自らの鋭いランで得た前半のPGチャンスをものにできなかったことも、最後まで響いてしまった。(米田) |
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◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ
「冷たい雨の降るなかでの試合で、結果は敗戦となったが、選手はよくやった。反省するべき点は反省して、今後の試合へ向け、改善していきたい」
「今日の試合で得られたポジティブな面をチームとしてさらに伸ばして生きたい」
○高忠伸キャプテン
「チームが目指しているラグビーへのアプローチはできていると思う。前半は、ゲームプランはできていたが、後半17分のトライでは、大きなミスが出て相手の得点につながってしまった。集中するべきところで、選手が皆、集中が欠けたため、相手のペナルティからのクイックアタックでのトライを許してしまった」
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◎クボタスピアーズ
○佐野順ヘッドコーチ 「僅差でハラハラドキドキの80分間の試合となってしまった。テリトリーを取っていこうと指示をしていたが、ディフェンスでのミスも出て、相手に走られてしまった。勝ったとはいえ、この試合での反省点を、今後の試合で修正していきたい。今日の試合は、FWがスクラム、ラインアウトで優位に立っていたのが勝因だ。FWをほめてあげたい」
「トップリーグでのトップ4チーム、あるいはトップ6チームへ入る可能性を最後まで求めるためにも、目の前の1戦1戦を大事に戦っていきたい。クボタは上位チームからも下位チームからも勝ちを求めに来る試合となるので、どの相手にも接戦で勝てるチームにしていきたい」
「今週まで山神監督に代わり指揮を取っているが、監督のほかにも、今週まで出場できなかった選手も多く、次節以降の試合が楽しみだ。また、今後の試合では、ディシプリンを強化して、反則を少なくするのが課題だ」
○荻原要ゲームキャプテン 「ディフェンスをしっかりやるという今日の試合の課題に対して、自己評価をすると100分の50点です。50点と言うのは、課題は十分にはこなせなかったが、半分はポジティブは評価ができるということです」
「自陣ゴール前のレッド・ゾーンでのラックで反則をしないこと、ラックに低く入ることが今後の課題です」
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