11節 マッチ&会見リポート(横河武蔵野 17-47 クボタ)

マッチリポート
横河武蔵野アトラスターズ 17-47 クボタスピアーズ
(week11/2009年1月4日 at東京・秩父宮ラグビー場)

第10節を終わり、クボタは5勝5敗 勝点23で8位、横河は1勝9敗 勝点8で最下位の14位につけている。クボタにとっては残り3試合で各試合勝点5をとり、日本選手権の出場権のある6位以内を狙いたい。一方、横河は残り3試合の結果により、自動降格となってしまうか、あるいは自動降格圏の13位・14位から脱出できるかどうかに直接つながることになる。それぞれのチームにとって今日の試合に対する意味は大きく、選手の集中力も高まっているようだ。
クボタはこれまでゲームメークの中心となっていたSOドゥラームが怪我のため欠場、横河もFWの攻撃の核となっているFLサモが怪我のため欠場となり、これに代わって起用される選手の活躍がカギとなる。

前半はそれぞれのアタックに対し、両チームともよくディフェンスし、締まったゲームとなった。6分にクボタはケフからボールをもらったFLホラニがトライ(ゴール成功)とクボタがリードして始まった。15分に横河がPGで3点返し、さらに21分、横河が左右に展開しチャンスとなると思えたが、そのボールをターンオーバーしたクボタがWTB根岸-SH笠倉とつなぎトライ(ゴール成功)し、3-14とリードを広げた。しかし、横河も26分、ラインアウトからのモールを押し込みNo.8フィフィタがトライ(ゴール成功)、横河10-14クボタと点差をつめて前半終了となった。

しかし、後半に入ると、横河がブレークダウンでの粘りが途切れることが多く、いい形で攻めながらもクボタの選手に、ボールをジャッカルされたり、ターンオーバーされることが多くなり、後半11分のケフのトライに始まり、結局、クボタは後半だけで5トライを挙げ、試合を決めた。
横河も38分にWTBにはいっていた12番の主将佐藤がトライを返したが、最終スコアは横河17-47クボタと、クボタの完勝となった。

横河も、対三洋戦やトヨタ戦などを見ても、トップレベルのチームと大きな実力差があるとは思えないが、やはり、後半に集中力・スタミナの差が出てしまうことが多い。あと2試合、最後まで自動降格圏脱出のため、集中力を切らさない試合をしてほしい。
クボタはこれで、上位チームの星のつぶし合いがあれば、6位以内を十分に狙える位置につけた。残りの2試合でのさらなる活躍に期待したい。(正野雄一郎)

会見リポート
横河武蔵野アトラスターズ
ラファイアリ ヘッドコーチ(右)、佐藤キャプテン
ラファイアリ ヘッドコーチ(右)、佐藤キャプテン

◎横河武蔵野アトラスターズ
○レオ・ラファイアリ ヘッドコーチ
「25回のターンオーバー、つまらないペナルティーを犯してしまってはトップリーグで戦っていくことはできない。この結果を真摯に受け止めて次に向けて準備をしていきたい」

○佐藤幸士キャプテン
「我々としては、今日の試合は背水の陣という気持ちで入ったし、勝てるイメージを持って準備してきました。前半、我々らしいゲームができるような雰囲気だったんですが、セットプレーやハンドリングミスで安定を欠き自滅してしまいました。これから、あと2試合あるので、しっかりと準備をしていきたいと思います」

──次戦(神戸製鋼戦)へのモチベーションは?
○ラファイアリ ヘッドコーチ
「最善を尽くすことに限る。勝利のためにベストを尽くすこと。ここまでトップリーグを戦ってきて我々のベストなプレーは所々にしか見せられていない。それを一試合通して実践できるように最善を尽くすことだけだと思う」
○佐藤キャプテン
「我々は、今年トップリーグに初参戦して、この憧れた舞台でプレーできる喜びを感じて戦ってきました。残りの2試合、チャレンジャーとして悔いを残さないようにプレーしていきたいと思っています」

──トップリーグで数年戦っているチームとの力の差は感じるか?
○佐藤キャプテン
「思ったほど感じていません。ですが、80分間の集中力など、ベースの部分をレベルアップしていかなければ、ここで戦い続けることは難しいと思います」

──サモ選手の状況は?
○ラファイアリ ヘッドコーチ
「今シーズンの出場は難しいと思います。これもチームとしての一つのチャレンジです。皆で乗り越えていきたいと思っています」


クボタスピアーズ
山神監督(右)、荻原ゲームキャプテン
山神監督(右)、荻原ゲームキャプテン

◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「今日のゲームは、我々、クボタとして残り3試合すべて勝ちにいくために非常に重要な1戦だった。ケフをオープンサイドフランカーにして、そこを起点に走りこんでいくゲームプランを組み立てていたが、前半はブレイクダウンのところで横河武蔵野さんのアグレッシブさを受けてしまった。それでも、後半鈴木を投入し、荻原をサポートさせることができたし、徐々にタックル、アタック共に良くなっていった。そういった意味では、我々が6年間トップリーグでやってきた地力の差が出たのかもしれません。横河武蔵野には疲れが見えていたように思えます。
やはり、ファーストコンタクト、前に出るタックルで戦っていかないと上でやっていくのは厳しいと思います。とにかく今日は、上り調子で終われて、4トライとって勝てたことは良かった。
また、個人的には、吉田が戻ってきて秩父宮に立たせることができたことが良かった。彼のタックルに救われた部分もあった」

○荻原要ゲームキャプテン
「我々の目標であるトップ6に入るためにも、この3試合の重要性はわかっていました。内容的には良くなかったのですが、勝ち点5を取れて勝てたことは良かったですし、次につなげていけると思います」

──ドゥラーム選手の欠場の理由は?
○山神監督
「左ふくらはぎを軽く痛めていることと、奥さんが出産を控えていて昨年最後のゲーム後からチームを離れていたこともあります。今はチームに戻って練習もしていますが、選手たちとも話し合って、アタックの決め事もいくつか練習していたので、ずっと練習に入っている伊藤(宏)がベストだと判断して休ませました」

──ドゥラーム選手と、伊藤(宏)選手の併用は考えているのか?
○山神監督
「これは本当に悩ましいことです。両名ともSOを専門にしている選手で、80分間やり通すタイプなので、リザーブとしておいておくのは厳しいと思っています。キックの精度、エリア戦略を考えるとドゥラーム。コミュニケーションでは伊藤(宏)であり、今年ドゥラームが苦労している部分はそこだと思います。今日の伊藤(宏)は、ベテランらしいプレーで良くリードしてくれたと思っています。ドゥラームをインサイドCTBというお話もありますが、各チームともインサイドCTBに大きな選手を起用しているチームが多いので、小さい選手を2名並べるのは厳しいと思っています。ここに来てオツコロも前に出られるようになってきましたので、少しずつ良くなってきていると思います。今年は失点が多いので去年までのディフェンスに戻したい。それでないと上では戦っていけないと思っています」

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