1節 マッチ&会見リポート(リコー 23-15 ホンダ)

マッチリポート
リコーブラックラムズ 23-15 ホンダヒート
【week1/2009年9月5日(土) at東京・秩父宮ラグビー場】

残暑厳しい9月第1週目の土曜日、東京・秩父宮にてトップリーグ開幕節リコーブラックラムズ対ホンダヒートの試合が行われた。
夕方5時のキックオフとはいえ、まだまだ日差しは強く、夕陽が秩父宮の芝生をより緑色に輝かせているように見えた。ただし日が落ちれば、スタンドには秋を思わせるような爽やかな風が吹いていた。まるで、2シーズンぶりのトップリーグ復活となるリコーと、初昇格したホンダを歓迎しているかのようであった。

<前半>
緊張のせいか、まだまだ両チームとも硬さがみえる。ゲームの動きはない。
11分、リコー10番河野のペナルティゴールにて先制し3-0
15分、ホンダ9番粱が素晴らしいサイド攻撃で約60M独走するも、繋がらず。
18分、リコー10番河野のペナルティゴール失敗3-0
20分、1分間のウォーターブレイク
22分、相手選手のハイタックルからペナルティ、ホンダ10番小西ペナルティゴール成功3-3の同点。
26分、リコー10番河野のペナルティゴール失敗3-3
33分、ホンダ敵陣10Mにて、ポイントから出たボールをハイパント。フォワード集中するもゴール前にてノックオン。
3対3で前半終了。
幾分硬さはとれたようであるが、まだまだ単純ミスが両チームともに目立つ。スクラム・ラインアウトはリコーが少し有利か。後半の展開に期待したい。

<後半>
0分、リコー22番ラーカム(前半30分に入替)、敵陣ゴール前10番のタッチキックをチャージ、そのまま押さえ込んでトライ。10番河野ゴール成功10-3
4分、リコー10番河野、ペナルティゴール失敗10-3
8分、ホンダ9番粱が、自陣22M右ペナルティより自身で持ち込み抜け左へ展開。センター→ウィングと繋ぎ、最後11番山田が左隅みに初トライ。10番小西がゴールを成功させ10-10の同点とホンダが追い上げる。
13分、リコー10番河野のペナルティゴール成功で13-10と突き放す。
14分、ホンダ9番粱が、敵陣10Mポイントより左サイドを抜き左隅にトライ。10番小西ゴール失敗したが13-15いよいよ逆転する。
17分、ホンダ11番山田が、故意の反則にて10分間のシンビン退場。
18分、リコー敵陣22M右ポイントから左に展開し、最後11番小松が左隅トライ。リコー10番河野ゴール成功で20-15再度逆転する。
24分、リコー10番河野ペナルティゴール成功で23-15とする。
その後、ホンダは何度となくリコー陣内に攻め込むも、リコーの固い守りにゴールを割ることができず。
23-15にてゲーム終了。リコー初戦勝利。

この試合はシーズン初戦でもあり、チームがまだまだ出来上がってはいないと思うが、特に前半は両チームともに単純ミスが多く決め手を欠いていた。しかし、徐々にお互いにタックルが決まりだし、緊迫した追いつ追われの好ゲームになったと思う。ただしホンダは後半、せっかく逆転したにもかかわらず後半17分(故意の反則)・26分(危険なタックル)で2名もシンビン退場(一時は13名で戦う状況)となり、その間に再逆転を許してしまったのは残念であった。実際にペナルティの数はリコー5に対して13と多すぎるのにも注意して欲しい。

最後に両チームが、あらたな旋風を巻き起こしてくれることを期待したい。

リコー 23-15 ホンダ リコー 23-15 ホンダ リコー 23-15 ホンダ

会見リポート
ホンダヒート
シェラット ヘッドコーチ(右)、木村キャプテン
シェラット ヘッドコーチ(右)、木村キャプテン


◎ホンダヒート
○ジョン・シェラット ヘッドコーチ
「前半は同点でしたが、後半の10分、15分が試合を決めました。後半は出だしは良かったと思いますし、ヒートを誇りに思っています。最後の20分を13人でプレーするのは難しかったです。チャンスはありましたが、トップリーグのプレッシャーはきついので、チャンスを確実にものにすることが大切なことを学びました。良い試合でした。いろいろ学んで次節以降に備えていきたいと思います」

──初めてのトップリーグ戦を終えて?
「網走では良い試合をしてきました。トップリーグではディフェンスが強くないと良い試合ができません。それがホンダのキーポイントです。今日のゲームの中ではかなりディフェンスも良かったと思います。ラインアウトからのモールは良くなかったが今週の課題にしていきます」

──ディフェンスと攻撃のバランスは?
「ディフェンスが基本です。トップリーグはかなり速いので、前で何が起きているか考えて計算することも必要です。アタックは良いFWがブレイクしましたし、BKもエリアを獲得していました」

──勝てなかったのは?
「後半にトライを獲られたことです。最初の10分、15分でスコアしていこうとハーフタイムで言いましたが、二人の選手がシンビンになってしまい、凄く残念です。自分自身を訓練していくことが必要です。もっとプレッシャーをかけることをこれから学んでいきたいと思います」

──惜しい試合を落としたが?
「もちろん、勝ちたかったですし、勝ち点も取りたかった。しかし、これまでの課題の部分を、今週一週間準備して、楽しめたと思います。負け試合でダメージは受けましたが、良いところもたくさんありました」

○木村允彦キャプテン
「前半、良い入りをしたが、後半の入りが敗因だと思います。チャンスで敵陣にも攻め込みましたが、詰めの甘さ、油断がありました」

──試合中のミスの理由は?
「汗で滑ったとかでしょう。集中はしていますし、テンション上がって状態は良かったです。スキル不足ではないでしょうか」

──詰めの甘さとは?
「やっぱり、後半の入りでしょうかね。向こうもうちのプレッシャーを予想以上に感じたと思います。コンタクトでなく、エリアマネジメントの部分ですね」

リコー 23-15 ホンダ リコー 23-15 ホンダ リコー 23-15 ホンダ
リコーブラックラムズ
ローデンヘッドコーチ(右)、池田キャプテン
ローデン ヘッドコーチ(右)、池田キャプテン

◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ
「うーん、ハッピーなところもそうでないところもありました。じめじめして滑りやすく、ミスもありましたが、自分たちでチームをつくることができて、新しいリコーを見てもらえたと思います。過去のチームならパニックに陥っているのではと思う場面でもしっかりできました。シーズン中もしっかり成長するプランですので、これで終わりではありません。けが人が多いので、勝ったことをよしとしたいですね。選手は後半のディフェンスが良く、リコーのアティテュード(姿勢)が出せたと思います」

──ラーカム選手の投入は?
「前半30分あたりで投入するつもりでいました。チーム自体はチャレンジマッチを通して経験をあまり積んでいないので、パニックを起こしそうな時も102キャップの経験の選手を投入できるのは心強いですね」

──今年の良いところは?
「練習試合の中でサポートプレーが良く、前へ出ることができていました。サポートしてクイックボールを出せればダメージを与えられると思います。ホンダさんがスローボールにされたのは良いマネジメントだと思いました」

○池田渉キャプテン
「今日は、開幕戦ということもあって今までと違う舞台の上で、選手も緊張感があったという印象です。後半、ラーカムが入ってテンポアップし、アタックもディフェンスも良くできた試合でした。相手に勝ち点を開幕戦で与えず勝てたことは良かったと思います」

──個人的に出来は?
「個人的には楽しめました。1年ぶりのトップリーグでしたので、緊張もせず楽しんでできました」

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