7節 マッチ&会見リポート(ヤマハ発動機 32-20 神戸製鋼)

マッチリポート
ヤマハ発動機ジュビロ 32-20 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
【week7/2009年10月24日(土) at大阪・近鉄花園ラグビー場】

前節に大量点でリコーを下し勢いに乗るヤマハ発動機と、九州電力を下しリーグ戦4位の神戸製鋼との対戦。
前半は勢いのあるヤマハ。5分にハーフウェー右中間ラックから大きく左展開し、CTB12番・レヴィが神戸ディフェンスラインの裏に出て、右WTB14番・津高に繋いで中央にトライし、先制する。神戸は、ラインアウトがことごとくヤマハに奪われリズムに乗れず、またスクラムでも優位に立つことができない中、31分ゴール直前右中間ラックから、LO5番・ウォレスハリソンがトライを挙げ、15-13と追いすがり、場内は盛り上がる。その後、ヤマハが1PGを加え前半を18-13で終える。

後半、先取点を取ったチームが試合の主導権を握るという展開で、先手を取ったのはヤマハ。6分、22m左中間ラックから左展開し再びWTB14番・津高が本日3本目のトライを奪うと、25分にも自陣10mライン右中間ラックからSH9番・矢富が神戸ディフェンスを振り切って、中央にトライ。32-13と大きくリードして、結局、神戸の反撃を1トライ1ゴールに抑え、32-20で勝利を収め、勝点を20と伸ばした。
神戸は、(1)ラインアウトを確実に支配できない、(2)モールも押し切ることができない、また、(3)タックル・ラックの接点でもヤマハを凌ぐことができず、ヤマハにディフェンスラインを作る時間を与えた、などが敗因となった。次節までひと月の間にどのように修正してくるか、大いに期待したいところ。MOMは矢富選手。

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C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)


会見リポート
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
平尾GM兼総監督(左)、大畑キャプテン
平尾GM兼総監督(左)、大畑キャプテン


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二GM兼総監督
「前半はじめ“のり"が悪く、それが続いた。また、ラインアウトの出来が悪く、この試合はラインアウトからの攻めを一つのポイントと考えていただけに、これは大誤算だった。とにかくセットプレイが不安定で、攻撃の起点を作らせてもらえなかった。この点は修正していかなければならない」

○大畑大介キャプテン
「結局、我々がうまく戦えなかったということ、その一言に尽きる」

──前半の途中で交代したが?
○大畑キャプテン
「肉離れを起こした」

──ターンオーバーが多かったが?
○平尾GM兼総監督
「相手の狙いは分かっていたのだが、勢いに負けてしまった。ブレイクダウンでは味方の選手が多い割にはうまく出せず、出せても苦しい球出しになってしまった。大きな反省点だ」

──BKのDFについてはどうだったか?
○平尾GM兼総監督
「前半でDFの立つ位置が寄り過ぎていたので、これは修正した。しかし、相手のパワーが上回っていて、止めるには止めても、前に出られてしまう。これも今後の課題だ」

──シーズンの前半を終えての感想は?
○平尾GM兼総監督
「去年と比べて一人一人のプレイは良くなっているのだが、コンセンサスが作れず、今日も行き当たりばったりのプレイが多かった。先を読んでプレイできる選手をもっと育てる必要がある。今日は、ぜひとも勝ちたかったが、これからウインドウマンスの一か月間、立て直して、ステップアップを図る」

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ヤマハ発動機ジュビロ
シューラー監督(右)、山村キャプテン
シューラー監督(右)、山村キャプテン


◎ヤマハ発動機ジュビロ
○山村亮キャプテン
「上に行くためには、今日は絶対に勝たなければならない試合、80分間良く集中できたと思う。シーズン前半最後の試合をいい形で勝てたので、これを後半につなげるように頑張りたい」

○シューラー監督
「神戸製鋼はボールを良く回してくるチーム、DFの我慢が大事な試合になると思っていたが、今日は、そういったメンタルな面で相手を上回った。アタックの面でもいい形でトライがとれたが、これは今後に向けて大きな意味を持ってくると思う」

──密集で上回っていたと思うが?
○山村キャプテン
「この春、神戸製鋼と練習試合を行ったが、その時の結果が良い影響を与えていたと思う。無論その時とは選手も違うのだが、気迫が上回っていた。これが今日の勝利の大きな要因だと思う」

──先ほど監督は“我慢"という言葉を使ったが、実際に試合をしてどうだった?
○山村キャプテン
「神戸製鋼は両CTBをはじめ個人的に強い選手が多いが、我々はDFラインで組織的に対応し、そして、それが最後まで乱れなかったと思う」

──シーズンの出だしは余り好調ではなかったが、ここに来て調子が出ている。どのように修正したのか?
○シューラー監督
「ボールを前進させるという点では、9‐10-12のところが安定してきたし、ゲームメイクも明らかに良くなってきた。しかし、我々のラグビーに対する考え方はシーズンを通して一貫しており、当初の方針を変えたりはしていない」
○山村キャプテン
「ここ数試合でFWのセットプレイはずいぶん安定して来たし、モールとかも良くなったと思う。そしてBKラインも力を上げてきており、FWとBKの相乗効果が出ているように思う」

──神戸製鋼のラインアウトを何回かターンオーバーしていたが、相手の出方が読めたのか?
○山村キャプテン
「我々は何も特別なことをやっているわけではない。シンプルなことを忠実に実行している。その結果が出ただけだ」

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