2010年度 新人研修会

7月10日(土)、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにて、今シーズン、トップリーグに所属するチームの新人選手を対象に新人研修会が行われました。

新人選手 出席44名が一堂に
新人選手 出席44名が一堂に

昨年から実施されているトップリーグ新人研修会。今年も、今シーズンから舞台を日本最高峰リーグに移す選手たちが、各地から続々と集まりました。
リーグ所属チームの選手が一堂に会し、それぞれ顔を合わせる機会は、そうそうありません。研修会前の選手たちは旧交を温め、久々の再会に談笑をしながらも、これから日本一を争う「仲間」であり「ライバル」たちの顔を、しっかりその頭に刻んだことでしょう。

そして、研修会は、日本ラグビーフットボール協会和田副会長からの、新人選手へのご挨拶から始まり、稲垣トップリーグ部門長による、「ジャパンラグビー トップリーグ」の成り立ちや存在意義についての説明。そして、トップリーグ選手による組織、「キャプテン会議」代表、神戸製鋼の大畑大介選手によって、新人選手に向けたトップリーガーとしての心構えを伝えてもらいました。

その後、講義として「薬物乱用防止対策について」(警視庁・工藤氏)、「コンプライアンスについて」(元Jリーグ法務委員小竹氏)、「トップアスリートのコミュニケーションについて」(スポーツキャスター ヨーコ ゼッターランド氏)と盛りだくさんのプログラムが進行。

警視庁 工藤氏講義   コンプライアンスの講義にてテストを受ける選手たち
警視庁 工藤氏講義
コンプライアンスの講義にてテストを受ける選手たち

コミュニケーションの講義 ゼッターランド氏   突然の質問にも、しっかり答えます
コミュニケーションの講義 ゼッターランド氏
突然の質問にも、しっかり答えます

〈薬物乱用防止対策について〉
実際に社会で起きている事件の例をふまえ、薬物の正しい知識について説明。
「皆さんが考えている以上に、皆さんは周囲から期待されています。充分意識して生活していただくと共に、(薬物使用は)だめだ、ということを我々と一緒に声を上げていただきたい」(工藤氏)

〈コンプライアンスについて〉
トップアスリートが背負うリスクを理解するために必要な「コンプライアンス」について、法律を交えた解説で身近で起きうるリスクを紹介。

「万が一トラブルがあっても、相手に対しては最大限誠意を持って接してください。そして、身の回りに信頼できる友人、先輩、会社の上司などを持って、相談できるような環境も作っておきましょう」(小竹氏)

〈トップアスリートのコミュニケーションについて〉
企業スポーツでプレー経験のあるゼッターランド氏の実体験をふまえ、企業スポーツ選手の価値を上げるための良好なコミュニケーションの取り方をインタビュー実技なども交えて説明。

「取材者に対しては、メディアだから…と(態度を変えて)対応をするのではなく、一人の人間として対応してください。ぶすっとした接し方、態度で、どのように感じるか。自分自身と置き換えて、考えてみてください」(ゼッターランド氏)

普段とは違い、長時間にわたる座ってのトップリーガーとしての「トレーニング」に眠そうな選手も見受けられましたが、それは一時的なこと。研修会全般に渡り、メモを取り、真剣に話を聞く姿が、研修会を通してみることができました。
これから、トップリーグのステージで活躍するために、グラウンドでのトレーニング、チーム内でのレギュラー争いに身を投じ、そして社会人としての生活に身を置くことで、心身共に成長が期待されるルーキーたちですが、新人研修会で得たことをチームで生かしてもらい、企業スポーツの明日のためにFOR ALLの精神で、これからのラグビー人生を歩んで行って欲しいと思います。

最後に、今回の講師を務めていただいた皆様、会場のご提供をいただいた味の素ナショナルトレーニングセンター様、ご協力ありがとうございました。この場を借りて、御礼申し上げます。

トップリーグ開幕まで、2ヶ月をきりました。今日、トップリーガーとしてまた新たな責任と期待を背負った新人選手たちですが、間違いなく、数年先のトップリーグを支える精鋭たちです。
この中から、何人が開幕戦で、そしてリーグ戦で、そのたくましい姿を見せてくれるのか、今から楽しみです。
8年目のジャパンラグビー トップリーグ、そして新人選手たちの活躍に、どうぞご期待ください。
開幕は、9月3日です。

一部の講義をキャプテン会議メンバーも聴講 三洋 霜村選手   しっかり、メモもとります   神戸製鋼 大畑選手からコメント
一部の講義をキャプテン会議メンバーも聴講 三洋 霜村選手
しっかり、メモもとります
神戸製鋼 大畑選手からコメント

サントリーサンゴリアス 仲村選手(2010年 日本代表 PR)
「当たり前のことではありますが、改めて確認することができ、とても有意義でした。大学生の頃などは、軽い気持ちで行動していたこともありましたが、社会人になったからには、しっかり意識して責任をもって行動したいと思います」

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 荒木選手(昨年 大学選手権準優勝・東海大学前主将)
「(行動の)良いか悪いかという基準だけであれば、皆頭の中でわかっていると思うのですが…その状況になった時の対応が、問われるのだと思います。
 同期の選手たちの顔を、このように見るのは初めてなので、シーズンに向けて(ライバルとして)意識し始めました」

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 大畑選手(キャプテン会議 代表)
「自分の時代に、このような機会があればよかった。しかしトップリーグというリーグができたからこそ、このような研修会が開かれ、横の選手同士のつながりが生まれてきている。そしてキャプテン会議という会議が行われ、リーグを、ラグビー自体の価値を高める活動につなげていくことができる。新人選手たちは今回の研修会で、トップリーグをリーグとして大切にしなければならない、という意識付けができたのではないかと思う」


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