2節 マッチサマリー(クボタ 3-15 NEC)

クボタ 3-15 NEC   クボタ 3-15 NEC   クボタ 3-15 NEC
クボタスピアーズ 3-15 NECグリーンロケッツ
【week2/2010年9月11日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

昨シーズンのワイルドカードトーナメントでは1点差の激戦を繰り広げたクボタスピアーズとNECグリーンロケッツ。両チームとも先週の開幕戦を落としており今シーズン初勝利に向けた戦いとなった。お互い細かなミスでなかなかチャンスを得点に結びつけられなかったが、最後に勝敗を分けたのは「ディフェンス」であった。

前半7分、NEC陣22m付近でNECのWTB瀬崎がデンジャラスタックルの反則(シンビン)。このペナルティでクボタSOドゥラームがPG成功。(3-0)
NECは14人となり10分間ゴール前に釘付けにされたがこれを凌ぎ、反撃に転じてクボタゴール前に攻め込んだが、NECも細かいミスが続きトライが奪えない。29分にNECのSOロビンスがPGに成功したが(3-3)流れは再びクボタへ。しかし、ここでもNECはゴール前の猛攻を統率されたディフェンスで守りきり3-3の同点で前半を終了した。

後半開始後、ゲームが動いたのは8分。中央付近からNECがFW・BK一体となった連続攻撃を仕掛け、最後はSH西田が右中間に飛び込んだ(3-10)。さらに21分にも連続攻撃からFLラトゥが抜け出しトライ、クボタを引き離した。(3-15)

しかし、雪辱に燃えるクボタもここから反撃を開始し再三NECのゴール前に攻め込む。この猛攻の中で29分、NECのLO浅野が危険なプレーでシンビン。ラスト10分で数的優位を生かしたいクボタだったが、NECの強固なディフェンスの前に得点することができずノーサイド。NECが今シーズン初勝利を飾った。(久野)


会見ダイジェスト
クボタスピアーズ
佐野順監督(右)、荻原キャプテン
佐野順監督(右)、荻原キャプテン


◎クボタスピアーズ
○佐野順監督
「正直、先週より、かなり戦えたと手ごたえを感じています。NECさんの崩れないディフェンスに対して、良くボールをキープしましたが、キープレーヤーが早々に交代したことが残念でした。それでも、選手たちは頑張ってこの結果を出したので、顔を上げようと声をかけました。勝利も勝ち点もまだですが、プロセスが大事だと考えています」

──FWの交代が遅かったように見えたが?
「このコンディションですから、選手の疲労感を考えてタイミングを計っていました。ドゥラームが怪我をし、カトニも代わったのでFWのまとまりを重視しました」

──相手が14人のとき、トライにこだわるプレーが見られなかったが?
「ラインアウトからモールにチャレンジしたが、精度というか、フィジカル的にもメンタル的にもトライが獲れていないので、自信を失っているのだと感じます。地道にやって自分たちで乗り越えていかなければならないところです」

──ドゥラーム選手の容態は?
「ハムストリングスに違和感があるということです。まだトップリーグは長いので、深刻なダメージになる前に代えました」

──NECの厳しいディフェンスに対するゲームプランは?
「互いに似ているチーム同士で、なかなか崩れないと予想していました。まず敵陣へ入り、ディフェンスでプレッシャーをかけようとしました。あの時間帯だけ集中力が切れたのが残念です」

○荻原要キャプテン
「本日はありがとうございました。今日の試合は、獲れるチャンスにミスが出て獲れなかったと感じています。来週の試合には修正して臨みたいと思います」

──何がミスだったのか?
「要因は色々あると思いますが、まず、正確性です。スウィープもオーバーも一人一人が正確にできていません。そこで、NECさんのプレッシャーに負けていると感じました」

クボタ 3-15 NEC   クボタ 3-15 NEC   クボタ 3-15 NEC
NECグリーンロケッツ
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○岡村要ヘッドコーチ
「とにかく我々の自信をもっているディフェンスでしっかり勝てたことが良かったです。一人一人が自分を信じて、仲間を信じてタックルし続けてくれました。単なる1勝ですが、大きな1勝です。20分間、シンビンで14名の時間も全員が信じ合って、守りきれたのはプラスの部分です」

──土佐選手のパフォーマンスが良かったが?
「彼の足腰の強さは日本人で1、2の強さです。去年までは人への強さを、スペースを作ってあげられないために生かせませんでしたが、今年は、キープレーヤー以外の選手がデコイとなってかく乱して、土佐だけでなくチームの強さになっています」

──先週負けて、1週間でどう修正したのか?
「春、夏からペナルティに泣かされてきましたので、コンタクトエリアでのペナルティをしないスキルと規律を整備しました。キック処理もヤマハ戦でやられたので、バック3でやるのでなく、15人で守ろうと話して来ました。全員が戻って、キックは全部マイボールになったと思います。この1週間であれだけ頑張った選手を誇りに思います」

──規律重視の割にはシンビンが二人出たが?
「その通りです(笑)。毎回、シンビンが出るたびに当事者にビールを50本くらい買わせていますが、これからは75本くらいにしなくては(笑)。確かに大事なストラクチャーですので、このシンビンは真摯に受け止めて、直していきたいと思います」

──スタンドオフをロビンスから安藤に代えたが?
「ブライスの良いところはラインを仕掛けさせるところです。我々は良いランナーをセンター、ウイングに揃えていますので。安藤、松尾はキックでエリアが取れるので、今日は仕掛けを重視したのですが、前半、エリアで苦しんだので早めに代えました」

──マン・オブ・ザ・マッチは?
「今日のブライスはすごく良かったと思います。ゴールキックも大きかったし、ディフェンスも期待通りでした。もう一人は、やはりキャプテンですね。苦しいところでジャッカルしてくれました」

○ニリ・ラトゥ キャプテン
「守りきれたことが良かったと思いますし、ディフェンスの頑張りは誇りに思います。先週の敗戦でがっかりしたことを晴らそうと臨みました。ミスもありましたが、来週、大きなチャレンジができることを楽しみにしています」

──前半、ペナルティゴールを狙うのか、ラインアウトから攻めるのかの判断は?
「判断の部分はうまく機能しなかったのですが、我々の大きな武器はモールですので、まず最初にモールを押しました。クボタさんのディフェンスが去年より向上していたので、途中でPGに切り替える判断をしました」

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