5節 マッチサマリー(近鉄 9-12 三洋電機)

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C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

近鉄ライナーズ 9-12 三洋電機ワイルドナイツ
【week5/2010年10月9日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】

前節、試合終了間際の得点で神戸製鋼コベルコスティーラーズを下して阪神ダービーを制し、勢いに乗る近鉄ライナーズが、首位をひた走る三洋電機ワイルドナイツを本拠地、花園に迎えての興味深い一戦。

三洋電機のキックオフで開始された試合の早々、近鉄はPGのチャンスに、FB高が先制を狙うも失敗するが、チームに勢いのある近鉄はこのあとも攻撃の手を緩めることなく、再三、三洋電機陣内に攻め込む。一方、司令塔トニー・ブラウンを欠く布陣の三洋電機は前節までのプレーの冴えが影を潜めるが堅守でゴールを割らせず、前半を0-0で終える。

後半、両チームを通じ初めてのトライが生まれたのは4分。近鉄陣内30m左中間での近鉄のパスミスを三洋電機WTB山田がとり、そのままゴールへ駆け抜けて0-5と先制。続いて8分、三洋電機は連続攻撃で中央を割り、FL劉がポスト左にトライ、FB田邊のゴールも決まり0-12とリードを広げる。

一方、近鉄はここが踏ん張りどころと、エリアを進めるキックで三洋電機陣内へ攻め込み、18分、22分、30分とFB高が着実にゴールを決め9-12と執念の追いすがりを見せる。近鉄の流れになったゲーム展開に地元ファンも逆転への熱い期待を繋ぎ、盛り上がりを見せる。しかし、三洋電機は堅いディフェンスでトライを許さず、残り10分、双方しのぎを削るプレーが続く中でノーサイドの笛が鳴り響き、9-12で三洋電機が5連勝で首位の座を守った。
マン・オブ・ザ・マッチには、三洋電機HO堀江が選ばれた。(大阪府協会 山林右二)

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会見ダイジェスト
近鉄ライナーズ
スローン ヘッドコーチ(左)、大西バイスキャプテン
スローン ヘッドコーチ(左)、大西バイスキャプテン


◎近鉄ライナーズ
○ピーター・スローン ヘッドコーチ
「チームのため、仲間のために戦ったプレーヤーたちを誇りに思っている。素晴らしい内容だったが、ボーナスポイント1しか奪えなかったことは残念だ。
(パスミスから三洋WTB山田に先制トライされたことについて)耐えてきた中での凡ミスからのトライは残念。ゲームの流れは近鉄だったが、勝ち切れないのは、まだプレーヤーに自信がないのだろう。とはいえ、次に繋がる頑張りだった」

○大西将太郎バイスキャプテン
「ホーム・花園での開幕戦、昨年のチャンピオンチームを迎え勝ちにいったのだが、残念な結果となった。先週(25-22神戸製鋼)の良い流れを最後まで持続できたと思うが、(近鉄との)違いは大事な場面での集中力。それだけだが、大きな差だ。
トライを獲りきるという気持ちが不足していることはチームの課題。これを乗り越えてチームのレベルアップを図りたい」

──PGで小刻みに得点したことについて。
○スローン ヘッドコーチ
「ゲームプランではない。シンプルにボールを動かし4トライを狙うのが、近鉄のゲームプランだ。天候が良ければ当然ボールを積極的に動かしていた。(荒天のため)後半、FW周辺でのポイントを増やすようハーフタイムに指示したが、要所でボールをワイドに動かそうとした際にミスが出た」

──今日の収穫について。
○大西バイスキャプテン
「0-12になった時点で、昨年ならば大崩しただろうが、今年は踏ん張れたのが大きな違い。先週の勝ちは、大きな自信と集中力をチームにもたらした。ミスはあるものの、若手も伸びてゲーム毎にレベルアップしている」

──三洋電機の強さについて。
○大西バイスキャプテン
「ディフェンスの強さが違う。ルーズボールを獲れるか否か、瞬時の判断ができるところに強さがある。ジェフ(イエロメ)とリコ(ギア)にボールを集め、突破を図ったが、三洋電機の強いディフェンスは許さなかった」

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三洋電機ワイルドナイツ
飯島監督(右)、龍コリニアシ ゲームキャプテン
飯島監督(右)、龍コリニアシ ゲームキャプテン


◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督
「厳しいゲームだったが、ノートライで抑えたことは評価できる。大勝のゲームが続き、油断ではないが、僅かに隙ができた感がある。急遽替わったメンバーもよくプレーしてくれた」

○ホラニ龍コリニアシ ゲームキャプテン
「厳しいゲームは覚悟していたが、誰が交替でメンバーとなっても、良く対応できた」

──SOブラウンの怪我について。
○飯島監督
「肉離れ気味なので、欠場を決めた。一昨年、昨年とも近鉄戦の前に彼は怪我をしており、チーム内ではこれを"近鉄の呪い"と呼んでいる(場内爆笑)。まぁ、皆準備していたので、大きな動揺はなかった」

──予想外の苦戦だったのでは。
○飯島監督
「僅差のゲームだった。終始近鉄のペースだったが、両センター(イエロメ、ギア)に突破を許さなかったのは評価できる。長いシーズン、このようなゲームもあるだろう」

──反省点は。
○飯島監督
「ディフェンスラインが深かったことは反省点だろう。もっと前で潰すべきで、結果受けにまわってしまった。タックルミスやディフェンスにオーバーラップがなかったことは評価するが」

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