6節 マッチサマリー(サントリー 45-36 コカ・コーラウエスト)

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サントリーサンゴリアス 45-36 コカ・コーラウエストレッドスパークス
【week6/2010年10月17日(日) at 埼玉・県営熊谷ラグビー場】

熊谷で3週にわたって開催されたトップリーグも、その最終戦。絶好のラグビー日和、サブグラウンドには朝からラグビースクールの生徒が集まって大きな歓声を上げていた。地元出身のサントリーサンゴリアス、元選手をはじめ、コカ・コーラウエストレッドスパークスからも有志の選手が計10人、子どもたちの指導にあたっていたからだ。そのほか、女子ラグビーや大学リーグ戦、トップイーストの試合も行なわれており、これこそラグビータウン熊谷ならではの光景だ。

メインイベントのキックオフは2時5分。その直後、先制はコカ・コーラW。敵陣で得たスクラムからいったんショートサイドに持ち出したボールを右ラインへ展開すると、FBショーン・ウェブが右隅へトライ。時計の針は1分、劣勢を予想する声の多かったコカ・コーラWが先攻し、試合は面白くなりそうな予感。
先制パンチで目を覚ましたサントリーは自陣から積極的にボールを動かしリズムを作ろうとするも、コカ・コーラWが出足よくディフェンス。やや攻めあぐねていたサントリーだったが、7分、ラインアウトからのボールを7番佐々木隆道が前へ進めると、ラックからSOトゥシ・ピシが個人技で抜け出しトライ。同点に追いつく。
グラウンドコンディションの良さもあって、両チームともにボールを大きく動かす展開に、見つめるスタンドは早くも釘付けに。

16分。コカ・コーラWがPGを狙うもボールはゴールポストを叩く。ここからサントリーが反撃しコカ・コーラW陣へ大きくゲイン。しかし、これをまたしてもコカ・コーラWが逆襲し、WTB築城昌拓がゴールへ迫る。サントリー小野澤宏時が懸命に追いすがるも、フォローしたSH築城康拓にボールが渡りトライ。ゴールも成って12-5と再びリード。
取っては取り返す展開はさらに。サントリーは小野澤宏時が快走を見せ敵陣へ切り込むと、コカ・コーラWは密集での反則。これをタッチに蹴り出しマイボールラインアウトを選択したサントリーは、モールを押し込んで最後は8番トッド・クレバーがトライ。

コカ・コーラWはこの密集での反則が目立ち、これが自らのゲームプランを崩してしまう結果となっていく。26分にも全く同じ展開でトッド・クレバーに二つ目のトライを奪われリードを許す。
前半のスコアは20-15でサントリー。コカ・コーラWもサントリーの多彩な攻撃に対して低いタックルで応戦、競った試合展開となった。

後半の立ち上がりはサントリー、積極的にボールを展開。コカ・コーラWは前半同様に堅いディフェンスを見せるも、反則の多さを修正できていない。サントリーはライアン・ニコラスがPGを連続して決め、徐々にリードを広げると、13分にはラインアウトを起点にモールから大きく展開し、小野澤宏時が左隅へトライ。先発出場のSH日和佐篤のパスワークも見事だった。

コカ・コーラWも粘りを見せる。17分にはキックリターンから、攻撃の主導権は二転三転するも最後はコカ・コーラWがボールを得て、WTB築城昌拓が快走しトライ。福田哲也がゴールを決めて9点差。
点の取り合いの様相を見せ始めると、23分、サントリーはスクラムを起点とした攻撃から左へ右へ連続展開、眞壁伸弥が力強い前進を見せると、今度はトッド・クレバーが見事なランプレーでゴール真下へ、この日、三つ目のトライ。
さらにコカ・コーラWはBK陣で、サントリーはFWがモールで1トライずつ。終了間際には再びコカ・コーラWが粘ってもう1トライ返すも、最終スコアは46-36でサントリーが勝利。コカ・コーラWはしっかりとしたディフェンスができていただけに、反則がことごとく失点に結びついてしまった点が悔やまれる。

試合後、あぶない試合だったねと苦笑いはサントリーのエディ・ジョーンズ監督。でも、お客さんは楽しんでくれたのでは、とも。見せる、魅せるラグビーを展開した両チーム。得点だけ見れば大味な試合とも思えるが、観客の多くは80分間、ラグビーの面白さをじゅうぶんに堪能し熊谷ラグビー場を後にしたことだろう。(栗原 稔)

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会見ダイジェスト
コカ・コーラウエストレッドスパークス
向井監督(右)、福田ゲームキャプテン
向井監督(右)、福田ゲームキャプテン


◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督
「ゲームプラン的には思ったとおりにいったんですが、ペナルティの多さが響いてこの結果になりました。イメージ通りにはきているんですが、勝ちが付いて来ない。次節に向けて準備をしてまたチャレンジしていきたいと思います」

──試合前に立てたプランとは?
「僅差のゲームに持ち込んで、後半20分からバックスに外国人選手3人を入れ攻撃力を上げ、両ウイング、小柳、築城の決定力に期待するというものです」

──モールでトライを取られたが?
「ゴール前のエリアで1歩2歩押し込まれるのは仕方ないが、ディフェンスでミスが無ければもう少し防げたかと思います。モールでの若干の失点も、早い展開でボールを動かして得点を上げることで対抗できればと考えています」

○福田哲也ゲームキャプテン
「今日は自信を持ってやろうと話をして臨みました。実際、アタック、ディフェンスとも思い切ってプレーできたのですが、ペナルティを重ねて点差をじわじわと離されたのが残念な結果につながってしまいました。反則などは試合中にも修正できた点なので、次週は立て直して臨みたいと思います」

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サントリーサンゴリアス
ジョーンズ監督(右)、有賀ゲームキャプテン
ジョーンズ監督(右)、有賀ゲームキャプテン


◎サントリーサンゴリアス
○エディ・ジョーンズGM兼監督
「今日はほんとあぶない試合。コーラはグラウンドを広く使う、熊谷のグラウンドは合っています。サントリーは今日ミス多いね(ここまで日本語で)。コーラにゲームをシェアされてしまったが、意識を高く持って対抗できたのでその点は良かった」

──モールからの攻撃というのは試合前から考えていた?
「相手の反則でペナルティを得る機会が多かったので、結果、モールでのトライが多くなっただけ。戦術というわけではなかったです」

──若い選手を起用しましたがその評価は?
「日和佐は成長しています。彼にはもっと走ってほしい。パスがちょっと多い。西川は強いプレーヤーに成長しています。彼には仕事量をもっと増やしてほしい。彼のニックネームは83%です」

○有賀剛ゲームキャプテン
「ミスが多くてリズムを作れませんでした。後半、自分たちの思ったとおりにいきそうだったんですが、やはりミスが出てコーラさんのほうに流れがいってしまいました。ただ、きょうはFWがひじょうに頑張ってくれて感謝しています」

──ミスはコカ・コーラWのプレッシャーが原因?
「そうですね。プレッシャーに負けた部分もありました」

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