2010.11.29 [MON] 協会リリース Twitter Facebook Google+ LINE 8節 マッチサマリー(ヤマハ発動機 31-30 福岡サニックス) C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) ヤマハ発動機ジュビロ 31-30 福岡サニックスブルース 【week8/2010年11月27日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】 ウィンドウマンスが終わりトップリーグ後半の始まりの第8節、近鉄花園ラグビー場での第1試合は、前半を12位と不本意な成績で折り返したヤマハと、7位とこれからさらに上位を狙える位置につけたサニックスとの、ともに勝って後半にはずみをつけたいチーム同士の対決となった。 試合は、ヤマハのキックオフで始まったが、そのキックオフのボールの処理の際、サニックス、オフサイドを犯してしまい、いきなりヤマハのPG(3-0)で試合が動きだす。しかし、この後、風上に立ったサニックス優勢の内に進むが一進一退を繰り返し、20分過ぎまで均衡を保ったままで時間が過ぎる。この均衡を破ったのはサニックスで、24分キックを巧く使ってヤマハ陣深くまで攻め込み、ゴール直前のラックから素早く左に回して、12番 小野が飛び込み、逆転する(ゴール成らず3-5)。この後サニックスは、ゴール前での1対1のディフェンスの甘いヤマハを攻め32分、38分と2トライを挙げて、3-15で折り返す。 後半、まずペースを掴んだのは、今度は風上に立ったヤマハ。5分にはラックから展開してレヴィが右中間にトライ(ゴール成って10-15)、続いて8分には、BKラインからの15番 五郎丸のキックを同じくレヴィがインゴールで押さえ、ゴールも成功して17-15と逆転する。しかし、サニックスも16分に13番 イオアサが相手ディフェンスを抜けて翻弄するようにボールを繋ぎ、最後同じイオアサが左隅に飛び込み再度逆転する(ゴール成って17-22)。 しかし、今度はヤマハが負けていない、21分に15番 五郎丸のキックを14番 屋宜が押さえトライ、ゴールも決めて24-22とまたもや逆転。続いては25分、反則の多くなったヤマハのペナルティから、サニックス12番 小野がPGを決めて24-25の1点差にひっくり返すと、今度は、35分にヤマハが攻め込み、ペナルティから敢えてPGを狙わずにラインアウトとし、最後ラックから展開して12番 サウが中央にトライ、ゴールも決まり31-25とする。 これで勝負あったとみたヤマハは自陣からもFWでのパワープレイを繰り返して逃げに入るが、これが逆目に出てペナルティを犯し、サニックスは、ラインアウトからラックを連取して、15番 古賀が右隅で押さえトライ(31-30)。この後の右タッチ際からの、入れば逆転ノーサイドという難しくてプレッシャーのかかるGKを12番 小野が右ゴールポストに当てはするものの外し、逆転に次ぐ逆転を繰り返したスリリングなこの試合、ヤマハが最小得点差で薄氷の勝利を得た。マン・オブ・ザ・マッチには正確なキックで勝利に大きく貢献した15番 五郎丸が選ばれた。(村島 博) 藤井監督(右)、菅藤キャプテン ◎福岡サニックスブルース ○藤井雄一郎部長兼監督「前半の終盤にトライを連続してとったが、結局は突き放せなかったのが敗因だと思う。セーフティ・リードが得られなかった試合だ。ヤマハには、特にフルバックの五郎丸選手にやられてしまったという印象だ」 ○菅藤 友キャプテン「前半3トライを取ったが、点数としては12点しか開いていなかった。しかし、3トライということに目が行って、後半気持ちが緩んでしまったということがあったのかも知れない。そうした点は反省して、次節以降の試合に全力で臨みたい」 ──ヘスケスはいつも後半で使っていたように思うのだが、早く出し過ぎたのではないか、また出来は? ○藤井監督 「マキリが負傷したので出した。相手のマークのせいもあり思ったようには活躍できなかったと思う」 ──前半リードしたペースを後半維持できなかった、その点を詳しく。 ○菅藤キャプテン 「サニックスは、元来早いテンポで展開してトライをとるチーム。相手は、後半ペースをスローダウンしてきたように思う。我々は相手のペースに合わせてしまったところがあり、せっかく温まった体も冷えてしまった」 堀川監督(右)、串田キャプテン ◎ヤマハ発動機ジュビロ ○堀川隆延監督「まず、遠いところを駆けつけていただいた静岡のファンにお礼を言いたい。そして、80分間良いゲームをしてくれたサニックスチームにも感謝したい。 今日の試合はとにかく勝つことを考えていた。ウィンドウマンスの1ヵ月間はディフェンスの修正を中心に取り組んだ。サニックスはボールを繋ぐスキルに秀でたチームで前半はそれに対応できずディフェンスが崩されてしまったが、後半は、力を取り戻して1ヵ月間の成果を発揮してくれた。また、アタックに関してもうまくスペースを衝いて少ないチャンスを得点に結び付けてくれた。今日の試合では、BKのコミュニケーションやFWのボール獲得能力には優れたものを見せてくれた。これからの試合、もっと自信を持って取り組んでいくようにしたい」 ○串田義和キャプテン「素晴らしいコンディションの下でプレイができたことにまず感謝したい。リーグ前半の最後の試合でサントリーに大敗を喫し、その反省から1ヵ月間頑張ってきた。今日の試合、前半は相手に3トライをとられたが、後半は盛り返して80分間闘い抜けた。勝ててうれしいと思う。しかし、前半のディフェンスや、後半で最後にとられたトライのような反省点もあり、その反省を次の試合に活かしていきたい」 ──後半立ち直ったが、ハーフタイムでの指示は? ○堀川監督 「まず、セットピースで相手にターンオーバーされるケースが目立ったので、その点を修正し、1対1のディフェンスでも負けることがあったので、そこをしっかり立て直すことと、内側からもディフェンスの体制をとって面として対応するように指示をした」 ──後半終盤、ペナルティからPGを狙わずトライを取りに行ったその意図は? ○堀川監督 「あのプレイは、キャプテンの考えだった」 ○串田キャプテン 「あの時点で私は入れ替わっていたので、外から五郎丸に指示した。FWが良くやっていたのでラインアウトからモールで攻め込めると思った」 ──最後のサニックスのGKの時にどう考えていたか? ○堀川監督 「ひたすら勝つことだけを考えていた」 ○串田キャプテン 「入らないように祈っていた」