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NECグリーンロケッツ 31-20 近鉄ライナーズ
【week12/2010年12月25日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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クリスマスの日の12月25日、NECグリーンロケッツ対近鉄ライナーズの試合が秩父宮ラグビー場で行われた。
ここまでNECは5勝6敗、勝ち点24で第10位、近鉄も5勝6敗ながら勝ち点が26で8位に位置している。実力的には互角であり、拮抗した試合となることが予想された。
近鉄は開始直後の5分、NECのスクラムでのコラプシングにより、ぺナルティを得て3点を先行する。しかし、前半での近鉄の得点はこの3点だけであり、試合は終始、NECのペースで進む。
13分、NECは近鉄ゴール前のスクラムからオープン攻撃を仕掛け、8-9-10-13と渡り、13番ツイタヴァキがトライ、ゴールも決まり7対3とする。さらに、21分には、近鉄の攻撃を攻撃的なディフェンスで防ぎ、ラックでのボールを奪い返す。これをFw、Bkが一体となって攻め続け、9番藤戸がトライ。ゴール成功で12対3。
NECは効果的なキックを随所に織り込み、近鉄陣内で優位に試合を進める。近鉄はNECのプレッシャーを受けノックオン等、基本的なミスが多く、特にラインアウトでは苦戦しており、なかなかリズムに乗ることができない。結局、前半は12対3と、NECのリードで終了する。
NECは後半早々にもトライを重ね、19対3と点差を広げる。しかし、ここから近鉄の反撃が始まる。積極的にボールを動かし、10分に7番タウファが、14分には13番リコ・ギアがトライし、19対13とする。NECは後半に入ると、近鉄のプレッシャーもあり、前半に比べると反則が多くなり(7つのPKのうち5つが後半)、前半のようには流れに乗ることができない。しかし、17分、近鉄のキックからカウンター攻撃により、近鉄ゴール前まで肉迫する。最後はモールで押し込みトライを返す。ゴールも決まり24対13とする。一方、近鉄はその後も果敢に攻め続け、24分に13番ギアがこの日2本目となるトライ(ゴールも決まり24対20とする)をするが、反撃もここまで。逆にNECに終了間際にトライを決められ、31対20でノーサードとなる。
NECの勝因は、最後まで攻める気持ちを失わずに、攻守にわたり、近鉄に圧力をかけ続けたことであり、一方の近鉄は、基本的なミスやラインアウトでのミスが大きく響き、結果としてそのあたりの差が勝敗に結びついたものと思われる。
この試合のサンタクロースはNECに微笑んだ。
勝ったNECは6勝6敗、勝ち点は29、敗れた近鉄は5勝7敗、勝ち点26とした。
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スローン ヘッドコーチ(右)、トンプソン キャプテン
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◎近鉄ライナーズ
○ピーター・スローン ヘッドコーチ
「今日はもちろん結果については残念に思っています。選手がやれるところまでできなかった試合です。ラグビーの格言にあるのですが、『良い面も悪い面も半分半分』でした。前半、基本に沿わないプレーが出てしまい、ラインアウトでもプレッシャーを受けました。後半は魂が入り、良いディフェンスもアタックもありましたが、最後は選手たちがもう一つ二つ獲り切れませんでした。今日のこの結果に言い訳はありません。皆さんがお分かりの通り、重要な試合でした。分析して修正したいと思います」
──基本のプレーができなかったわけは?
「私もその答えがほしいです。ラグビーというスポーツは基本のプレーでアドバンテージラインを越え、トライラインを越えていくスポーツです。基本の部分がないと難しいです」
──前半戦はできていたのか?
「その通りです。サントリー、東芝戦までは難しかったのですが、三洋とは良い試合をしましたし、シーズン後半のワークレートから言うと、二人のプロップはほとんどの試合に出ていて、日々の練習で対応し、準備を進めています。この3~4ゲームでは修正した部分が見えていたのですが」
(最後にヘッドコーチから)
「この場をお借りして伝えたいことがあります。今年、トップリーグの取材を受け、素晴らしい質問に答えることができて、ここに来るのが楽しみになっています。記者と写真担当の皆様にメリークリスマス。日本は正月のほうが大切だと聞いていますが、この2週間、家族と過ごしてゆっくりしていただいて、また1月にお会いしましょう」
○トンプソン ルーク キャプテン
「残念でした。今は言葉になりません。ゲームの中で基本のミスが何回もあり、後半に入ってやっと近鉄らしいプレーが出たのですが、少し遅すぎました」
──24-20の場面でクイックで攻めたが?
「勝ちたかったからです。トライでスコアしないといけない状況でした。ライナーズはうまくいっていましたし、ベストオプションだったと思います。ターンオーバーされて非常に残念です。ラグビーとはそういうスポーツです」
──ラインアウトもミスがあったが?
「キャプテンのコールが悪かったと思います」
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岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン
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◎NECグリーンロケッツ
○岡村要ヘッドコーチ
「メリークリスマス。こういう日にゲームして勝てたことを喜んでいます。アタックメンタリティを持って80分間戦おうと話していました。後半もアタックメンタリティを選手たちが貫いてくれて誇りに思います。後半はシンビンという苦しさもありましたが、後半の戦い方の改善の芽は見えてきました。最終節に向けて良い準備をして臨みたいと思います」
──前半、相手のペナルティで攻め続けたが?
「ニリと同じです。後半、なぜ崩れるのかを話し合った結果、エリアを取るのでなく、攻めようと誓い合いました。それが体現できたオプションでした。それが勝利を呼び込んだと思います」
──次戦の改善ポイントは?
「後半にまだ波があるので、アタックメンタリティで、サニックスさんのアタックにディフェンスするのでなく、攻めるつもりで行くことが大事です。また、ここ数試合、シンビンを2~3枚出しているので、反則をしないことを徹底したいと思います」
○ニリ・ラトゥ キャプテン
「勝つためにファイトして臨んだ試合でした。後半に勢いが落ちる問題がずっとあったのですが、ファイトを全面的に出したことによって勝てたと思います。後半、私がシンビンで一時退場となり、選手たちにディフェンスのプレッシャーを与えてしまったことを謝りたいです。勝ったことで多くのポジティブに受け止められることがありました。良いクリスマスをお迎えください」
──前半、相手のペナルティで攻め続けたが?
「私のコールで、攻め続けようとしました。前半ということもあって、アタックでプレッシャーをかけ、3点よりも確実にボールキープをしようと意図しました。最終的に獲れませんでしたが、特にFWに、常に我々の選手が攻めるという意思を伝えたかったので、良い判断だったと思います」
──ホーンが鳴った後も攻め続けたが?
「私には聞こえませんでした。あの場面、スクラムは良いヒットをしましたが、プロップが少し押されてハーフへうまく出せませんでした。私のミスです」
──シンビンの間は何を考えていたのか?
「後半に失速するのがチームの課題でしたので、シンビンの間にトライも獲られて、戻ったら強くプレーしたいと思っていました。他の選手がリーダーシップを発揮してしっかりやってくれたので、早く戻りたいと考えて、時計係に確認を繰り返していました(笑)」
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