NTTドコモに続き、ホンダの自動昇格が確定
29日、大阪・近鉄花園ラグビー場でトップチャレンジ1最終節2試合が行われ、ホンダヒートが息詰まる熱戦の末、キヤノンイーグルスを37-32で下し、トップリーグへの再昇格を決めた。
また、すでに前節で自動昇格を確定させていたNTTドコモレッドハリケーンズは最終戦でも九州電力キューデンヴォルテクスに50-7で順当勝ち。
この結果、トップチャレンジ1の最終順位は1位=NTTドコモ、2位=ホンダ、3位=キヤノン、4位九州電力となり、NTTドコモとホンダが来季トップリーグで戦うことになる一方、キヤノン、九州電力は2月12日に予定されている入れ替え戦でそれぞれNTTコム、ヤマハ発動機と対戦することが決まった。
トップチャレンジ1位のNTTドコモは日本選手権出場権も獲得。1回戦(2月6日、東京・秩父宮)で早大と対戦する。
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九州電力にも50-7で快勝。トップチャレンジ1位を確定させたNTTドコモはお揃いのチャンピオンTシャツをい着て喜びを爆発させた
(C)2011,JRFU(photo by Kenji Demura RJP) |
ホンダヒート ○37-32● キヤノンイーグルス(前半18-12)──1月29日
前半だけでリードしているチームが入れ替わること3度。
後半18分の段階で25-25の同点。
最終スコアも37-32とわずかに1トライ差。
勝った方が自動昇格を得るガチンコマッチは、両チームがすべてを出し切っての死闘となった。
昨季の8位から一気にトップイーストを制して勢いに乗るキヤノンは、切り札CTBアリシ・トゥプアイレイにボールを集めてホンダDFを崩しにかかる。
一方、トップウェスト2位からトップリーグへの再昇格を目指すホンダは、トゥプアイレイ、WTB山田章仁(三洋電機へ移籍)といったインパクトプレーヤーがいなくなったことも影響しているのか、バランス良く多くのチャンネルを使いながら、スピードランナーが揃うBK陣が自陣からでも積極的に仕掛けていく。
共にボールを良く動かす方向性は共通しているものの、やや異なるスタイルでの攻撃ラグビーの応酬。
前半16分に、トゥプアイレイをデコイにして、大外にボールを回したキヤノンがWTB徳永翔伍の快走で先制すると、そのキックオフ後のラインアウトからホンダが左展開して、最後はNO8川添学がトライを奪い返す。
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キヤノンの反撃を際どくかわして5点差勝利。トップリーグ再昇格を決める試合終了の笛に抱き合って喜ぶホンダの選手たち
(C)2011,JRFU(photo by Kenji Demura RJP) |
後半に入っても、9分にホンダCTBロイド・ヨハンセンが、トゥプアイレイのタックルを外してトライを決めれば、直後にトゥプアイレイが汚名挽回とばかりに、自らのカウンターアタックで始まった連続攻撃を自らのトライで締めるスーパープレーを披露するなど、最後まで試合は白熱した。
キヤノンは終了2分前に、途中出場していたCTBロマノ・レメキがトライを奪って5点差に追い上げ、残り時間1分を切ってから自陣でモールを組み攻撃を持続しようと試みたが、ボールを生かせず、そのまま試合終了。
「チャンスをものにしたか、しなかったかの差」と、試合を振り返ったのは、キヤノンHO宍戸要介主将。
確かに、敵陣深く攻め込みながら、自らのミスやペナルティでチャンスを逃すケースがキヤノンに目立ったのは事実。加えて、ブレイクダウンやスクラムでもホンダがプレッシャーをかけるシーンが多かったように見えた。
「チームワークならどこにも負けない」(ホンダPR藤田望)
昨季のトップリーグでの経験から、「全員がしっかり走って、しっかり守るチーム」(上野三四郎監督)をつくってきたというホンダが、昨季とはひと味異なる一体感を前面に出したラグビーで、キヤノンのインパクトプレーヤーをギリギリのところで封じ、トップリーグへの再昇格を決めた。
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元南ア代表LOヴァンデルベルグ(左)もFWの核となるプレーを見せたキヤノンだが、あと1歩およばず。「精度」(永友HC)などを修正して入れ替え戦へ
(C)2011,JRFU(photo by Kenji Demura RJP) |
NTTドコモレッドハリケーンズ ○50-7● 九州電力キューデンヴォルテクス(前半26-0)──1月29日
前節までにキヤノンとホンダを破って自動昇格を決めていたNTTドコモが、昨季までトップリーグで戦っていた九州電力を相手に、圧倒的な充実ぶりを見せつけた。
開始5分でFB沼田邦光が左タッチライン際を快走して先制したのを皮切りに攻めては前後半4トライずつの8トライ。
そして、「今日は集中力が切れなかったのが良かった」と、アンドリュー・マコーミック ヘッドコーチを喜ばせたDF力で九州電力を1トライに抑えてみせた。
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全盛期を彷彿とさせるプレーぶりで"完全昇格"に貢献したNTTドコモFL箕内(右から2人目)。日本選手権でも暴れまくりそうだ
(C)2011,JRFU(photo by Kenji Demura RJP) |
「DFを軸にしたチームづくりをしてきて、1対1のタックル、組織DFともに高いところにきているのを感じている」と語ったのは、今季からNTTドコモに加入し、この日もフル出場、自らトライを奪うなど攻守にチームの核となる活躍を見せたFL箕内拓郎。
「以前よりもリカバリーや体のケアに気をつけるようになった」というコンディションの良さも影響しているのか、狭いスペースを鋭角的に走り抜けていったトライシーンなど、シャープな動きは、35歳という年齢をまったく感じさせないものだった。
もちろん、箕内が生き生きプレーできるのも、回りの選手たちの地道なハードワークがあってこそ。
NTTドコモ生え抜きで8年目のシーズンを迎えるFL尾方宏之主将は「DFで崩れたところがあった。修正点はまだまだある」と、失1トライに抑えての快勝にも手綱を緩めない。
トップウェストからトップチャレンジまで、シーズン全勝でトップリーグへの昇格を決めた実力は本物なのか──日本選手権1回戦で対戦する早大、勝てば2回戦でチャンレンジすることになるトップリーグ勢との戦いが来季への試金石にもなる。
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「接点で絡まれ、早い球出しができなかった」(郷田監督)という九州電力(写真はLO進藤)はトップリーグ復帰をかけて入れ替え戦でヤマハ発動機と対戦することに
(C)2011,JRFU(photo by Kenji Demura RJP) |