7節 マッチサマリー(サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト)

サントリーサンゴリアス 87-35 コカ・コーラウエストレッドスパークス
【week7/2011年12月17日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト
第6節を終わって全勝のサントリーサンゴリアスと、全敗でまだ勝点が1点しかないコカ・コーラウエストレッドスパークスの対戦。好調のサントリーにコカ・コーラウエストがどこまで食い下がれるかが注目された。

コカ・コーラウエストのキックオフで試合開始。開始早々からサントリーがボールを支配し、激しい攻撃を繰り返す。コカ・コーラウエストも必死にタックルするが、ゲインラインで止められず、サントリーのフォロワーにボールを繋がれてしまう。
7分、CTBニコラスライアンの内側でパスを受けたWTB長友泰憲がゴール前までボールを運び、次のモールからFBピーター・ヒューワットが上手に体を使い最初のトライを奪った。ニコラスのゴールも決まりサントリーが先制(7-0)。12分にもコカ・コーラウエストゴール前で、FL佐々木隆道からオフロードパスを受けたNo.8竹本隼太郎がトライ(14-0)。
その後コカ・コーラウエストが反撃し、サントリーの2つのオフサイドもありゴール前に迫る。激しいFW戦の結果、19分に最後はラック右にNo.8ジョニー・ファアマトゥアイヌが飛び込み1トライを返した。難しい位置からSOウェブ将武のゴールも成功(14-7)。
コカ・コーラウエストの前半の反撃はここまでで、22分ニコラス、29分ヒューワットのトライ。前半終了のホーンの後もサントリーは自陣から攻め続け、41分にFLトッド・クレバーがトライを奪い前半は33-7で折り返した。

後半もサントリーのボール支配は続き、3分にPR畠山健介、6分、12分、14分にはWTB成田秀悦が3連続トライを上げ、この時点で61-7と大きくリードを広げた。
さらに18分にはヒューワットもこのゲーム三つめのトライ、ゴール成功(68-7)。
このままサントリーのペースで終わるかとも思われたが、21分CTBティム・ベイトマンがライン裏に上げたパントを、最後はFL桑水流裕策が押さえコカ・コーラウエストがトライを返した。ゴールも成功し68-14。
このあたりからサントリーのディフェンスが甘くなりだし、23分サントリー長友、26分コカ・コーラウエストWTB豊田耕太郎、30分サントリー成田、34分コカ・コーラウエスト有田、36分サントリー長友、38分コカ・コーラウエスト豊田とお互いに3トライずつを取り合う、やや大味な展開になってしまった。

最終的には87-35とサントリーが13トライをあげ大勝したが、サントリーにとっては後半のディフェンスのほころびが課題となり、コカ・コーラウエストにとってはサントリー相手に5トライをあげられたことが、残りの試合への自信に繋がる結果となった。
マン・オブ・ザ・マッチには、本日4トライのサントリーWTB成田秀悦が選ばれた。
サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト
会見ダイジェスト
コカ・コーラウエストレッドスパークス
向井監督(右)、平原キャプテン
向井監督(右)、平原キャプテン


◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督
「本日はありがとうございます。ある程度、サントリーさんにはアタックされることは予想していましたが、あまりにも1人のプレーヤーに2人、3人とタックルしてオーバーラップを作られたのが敗因です。
こちらも、4トライ、5トライ返せましたので、良い点も見えました。チーム状態は一番悪いですが、今週、何名か故障から戻ってきますので、立て直して臨みたいと思います」

──これだけトライを獲られたのはなぜか、また、5トライ獲れた理由は?
「ディフェンスで1対1で止められなかったからです。最後に獲れたのは、向こうもメンバーを替えて大味な試合になったのと、少ないチャンスを生かして獲るのがうちのラグビーですので」

──選手起用は?
「戦術ではなくて、けが人が多いからです。今まで、カチッとはまったメンバーでやっていたのが、次々とけが人が出て、代わりに出場した選手がきちっとディフェンスできていません。
ディフェンスは気持ちでつながるものだと私は思っていますが、甘いタックルが伝染していると感じます。修正して、メンバーが戻ってくれば戦えると思います。来週は吉原がスタンドで戻ってくると思いますが、BKのアタックやFBの形が整うと思います」

──サントリーのやってくることは分かっていても止められないのか?
「ゲインラインで止められれば続けられるのですが、後ろへ下がりながらのタックルではゲインを切られ続けます。1対1で止められないとオーバーラップを作られますので、きちっと止められるよう1対1のディフェンスを整備したいと思います」

──有田隆平選手をバックローで起用したが?
「ボールをキャリーすれば、突破できる選手です。そこを意図して起用しました。また、平原をフッカーに使うことでスクラムも安定しますので」

○平原大敬キャプテン
「反省点は多いのですが、5トライ獲れたことを一つの収穫として、来週の試合に向けて準備していきたいと思います」

サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト   サントリー 87-35 コカ・コーラウエスト
サントリーサンゴリアス
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン


◎サントリーサンゴリアス
○エディー・ジョーンズGM兼監督
「結果はとても嬉しく思います。きれいなラグビーでした。後半、ディフェンスでルーズなプレーが見られたのがちょっと残念です。歴史的に見ても、コカ・コーラさんにはなぜかトライを獲られています。
コカ・コーラさんはあきらめなかったし、そういう戦い方をすれば勝てるようになります。今週はとても良い練習ができて、選手はそれを出してくれました。トヨタ自動車戦が楽しみです」

──今、激しい練習をする意図は?
「プレーに関しては次のレベルに行かないといけないという意味合いです。10名、ワールドカップへ行っていたので、スタートは遅かったです。そういう選手もサントリーのスタイルに徐々に合わせてきました。
小野澤選手を休憩させましたが、もっとフィジカルでなくてはいけないと考えています。今週もFWは四角いフィールドでお互いに戦っています」

──イージーなタックルミスも見られたが?
「ベイトマンなど、コカ・コーラさんには良い選手がそろっています。グラウンドを広く使って、良いラグビーをしますのでコカ・コーラさんは余裕をもって戦う相手ではありません。3年前にも敗れています。
コカ・コーラさんはNZのチームみたいです。1対1の状況を作って、そこで我々が何本かタックルミスをしました。コカ・コーラさんはうまくやったと思います。1対1のディフェンスの修正が必要です」

──選手をローテーションで使っているのか?
「44名のメンバーがいます。その中で、トップリーグでプレーしたのが35名です。まだ、一番良いコンビネーションを探しています。ハーフの二人も非常に良い選手で、どちらがハーフになるかで10番も代わってきます」

──ダニーも休ませたが?
「ワールドカップ5試合、80分ずつ出場した選手です。2月にピークを持ってこさせます。小さなけがもありますし。バックローには素晴らしい選手が多いですし。今日、佐々木隆道も竹本隼太郎も良いプレーをしました。
トッド・クレバーも髪が長くなるほどプレーも良くなる(笑)。今はチームのバランスを育てている状態です」

──WTB成田秀悦は4トライだが?
「試合前、アプロンのゲームを見せました。彼も70kgだけれど、テストマッチで素晴らしい活躍をしています。成田は素晴らしいスピードを持っているし、強さも磨いてきました。彼はWTBですね。もっともっと良い選手になります」

○竹本隼太郎キャプテン
「今週、今日試合に出なかったメンバーと激しくアタック練習ができました。トライも獲れたし、シェイプもきれいでした。後半、ディフェンスで何本か獲られたのは反省点です。修正してトヨタ自動車戦に臨みたいと思います」

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