9節 マッチサマリー(Honda 7-48 東芝)

Honda HEAT 7-48 東芝ブレイブルーパス
【week9/2012年1月9日(月) at 東京・秩父宮ラグビー場】

今日は、港区と日本ラグビーフットボール協会の基本協定による協力事業「スポーツまちづくりプロジェクト」の一環とした「港区DAY」で、いくつかのイベントやセレモニーが企画されている。試合開始前のリーディングフラッグにも、両チームと協会のものに港区の紫色の旗が加わった。
ホンダヒートは黒を基調としたメインジャージ、東芝ブレイブルーパスは水色のセカンドジャージを着用。東芝のキックオフで前半が始まった。

しばらくは両者拮抗しホンダが攻め込む場面も目立った。しかし東芝の的確な防御に阻まれトライにはならない。ホンダはまた、相手ゴール近くのラインアウトで意表をつくサインプレーを数回見せたが決定的なチャンスにはならなかった。
18分最初のトライは東芝。ホンダBKのやや中途半端なショートパントを、FLマイケル・リーチがキャッチし攻撃に転じた。一瞬孤立しかけたがパスダミーで内側に抜き、そのままトライとなる。SOデイビッド・ヒルのゴールも成功し7-0。

27分、東芝は相手ゴール前ラインアウトをモールに持ち込み、押し切れずラックになったが、PR浅原拓真がラックサイドを突きトライ。ゴールは失敗し12-0。
30分前後にもホンダの果敢な攻撃がみられたが、東芝のディフェンスが強い。相手陣22m付近のホンダボールのスクラムから、ブラインドサイドのWTBポンギタプオシ虎渡がライン参加し鋭い攻撃を見せたが、味方のサポートが遅く攻めきれない。
前半終了間際の39分、東芝がスクラムを押し込みNo8豊田真人が抑えトライ、17-0とした。

後半3分、ホンダがハーフライン付近からの右ライン攻撃、CTBブライス・ロビンスのパスを、アングルを変えスピードに乗ってパスを受けたポンギが、きれいにラインブレイクしトライ。FBジョー・ガードナーのキックが決まり17-7としたが、ホンダの反撃はここまでであった。
11分、東芝が相手の反則から得たゴール手前15m付近のラインアウトをモールに持ち込み、上手に体制を整えながら押し切りリーチのトライ。ゴール成功で24-7。
21分にも、相手ペナルティからタッチキックを選択しゴール前のラインアウト。そこからのモールは押し切れなかったが、右に展開しライン参加したWTB伊藤真がタックルを受けながらもゴールにボールを運んだ。ゴール成功で31-7。
ホンダヒートも再三攻撃をしかけるが、ボールを継続できない。
29分、東芝はまたも相手ゴール前のスクラムを押し込み、少し時間がかかったが最後は交代で入った17番HO久保知大がサイドをもぐりこんでトライ。36-7。
その後も、37分にはホンダのパスミスから、ホーンの後の40分にはターンオーバーから、後半32分に入替で入ったWTB吉田良平が連続トライを奪った。

東芝が、「ブレイクダウンをクリアにして攻める」「立って前に出てボールを運ぶ」というゲームプラン通りのプレーを見せ、前後半8トライの猛攻で48-7と大差をつけてホンダを圧倒した。(白石良多)

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会見ダイジェスト
Honda HEAT
上野監督(右)、田中キャプテン
上野監督(右)、田中キャプテン

◎Honda HEAT
○上野三四郎監督

「多くの観客の皆様にお礼申し上げます。協会の皆様、レフリーの皆様にもありがとうとお伝えしたいと思います。最終的に点差が開いてしまった部分は、ゴール前の集中力の差だったと思います。こちらはキックオフで失敗するなど、東芝さんの力が上だったと思います」

○田中貴士キャプテン

「今日の試合はウィンターブレイクで、コンタクトで勝つために練習してきた強みで挑みました。通用した部分もありましたが、ゴール前で良く押され、トライを獲られました。しっかり修正して次週に備えたいと思います」

──敵陣でのペナルティを狙わなかったわけは?

「うちのチームは勢いがあると良いプレーが出ますので、アップテンポにして、前半から飛ばしたかったからです。しかし、ボールキープで簡単なミスがあり、ペナルティも取られてしまいました」

──スクラムの出来は?

「後半は藤田が入って、強いスクラムでプレッシャーが掛けられました。安定しなかった部分もありましたが」

──前半終了間際の東芝スクラムトライの場面は?

「ヒットで受けてしまったと思います。後半は、そこを意識して臨みました。早く入られたところが反省点です」

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東芝ブレイブルーパス
和田監督(右)、豊田キャプテン
和田監督(右)、豊田キャプテン

◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督

「新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。前節、敗戦し、ブレイクダウンや接点の攻防を中心に2週間やってきました。ブレイクダウンとクリアボールがテーマでしたが、前半はHondaさんのプレッシャーにちょっと受けたところがありました。後半は接点で、固まりで圧力を掛けようとハーフタイムに確認し、うまくできたのではと思います。春からコンタクトエリアのところをやってきたが、ブレずにやろうとしました。港区ダービーマッチをありがとうございました」

──フロントローの新人たちの出来は?

「年末に、クボタさんとセレクションも兼ねたサテライトの試合があり、良いパフォーマンスをしたので、ピックアップしました。三上も高木もスクラムをちょっと受けてしまったので修正させ、実戦で成長させながら育てていきたいと思います。久保も湯原も、なにくそと思っているでしょうし、良い意味での競い合いになればと思います。猪口スクラムリーダーを中心にミーティングを行っていますし、今日もスクラムトライできましたが、受けてしまったところもあるので、武器であるスクラムをさらに強くしたいと思います」

──ブレイクダウンの出来は?

「1対1で倒された場合、ボールの上へ行くことが重要で、読みのスピードとか、すべてのスピードが必要になってきます。今日は良いところと、まだまだのところがありました。ボールキャリアが簡単に倒された場面もあったので、修正したいですね」

──1対1が課題か?

「一つは『ズラしヒット』のところが課題です。今日はグラウンド状態が悪かったので難しかったですね。スピードを落とさずに、接点のコンタクトをズラす感覚です。要は、直前はステップを切らないで相手に肩を入れて、まっすぐ逃げるのでなく、裏に出るためのスピードを得る動きです」

○豊田真人キャプテン

「まず、港区ダービーとして、非常にたくさんのお客様がいらっしゃったことに感謝申し上げます。ブレイクダウンを圧倒することをターゲットに、前節の負けからここまでやってきました。スタンディングラグビーで前へ出て、立ってボールをつなぐことができました。反省もありますが、良い部分も出た試合でした。あと4戦、がむしゃらに頑張っていきたいと思います」

──ブレイクダウンの修正がうまくいった部分は?

「神戸の敗戦を受けて、ブレイクダウンの入りを速くし、サポートのスピードを上げようと練習してきました。スピードの部分は反省を生かせましたが、後半、立ったまま相手にボールを取られることがありました。ブレイクダウンでは必ずボールをクリアに出していきたいと思います」

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