9節 マッチサマリー(パナソニック 25-19 ヤマハ発動機)

パナソニック ワイルドナイツ 25-19 ヤマハ発動機ジュビロ
【week9/2012年1月9日(月) at 群馬・太田市運動公園陸上競技場】

パナソニック 25-19 ヤマハ発動機   パナソニック 25-19 ヤマハ発動機
力強い突破を再三見せたフォラウ愛世 攻守ともに気迫あふれるプレーの連続
(写真提供:上毛新聞社)
初戦での1敗を守り2位につけるパナソニック ワイルドナイツが、上位進出を伺うヤマハ発動機ジュビロを地元・太田に迎えて第9節が行われた。
ヤマハが前半から激しく攻めた。LOトーマスやFLフォラウ、No8モセら強力なランナーがポイントの近場を突くシンプルな攻撃でパナソニックのディフェンスをじりじりと後退させる場面が目立った。
一方、パナソニックは攻撃を自らのミスで終わらせてしまう場面も多く、デラーニのキックに救われていた印象が強い。

しかし、ターンオーバーから一気にトライまで持っていく集中力はさすが。後半早々のデラーニのカウンターアタックからフーリーに繋いでのトライ、北川が巧く足にかけたボールを田邉が押さえたトライ、田邉のキックパスを山田がキャッチしてのトライはすべて流れの中での一瞬の判断に他の選手が見事に呼応して生まれたものだった。懐深く粘り強いディフェンスからチャンスを作り、確実に得点に結びつけるワイルドナイツの強みが、シーズン終盤に向けて徐々に姿を現し始めたようだ。

この日、トップリーグ100試合出場を果たした相馬朋和選手には、ご家族からの花束と、この日競技場を訪れた2,152人のラグビーファンから温かい祝福の拍手が贈られた。(群馬県協会 相澤悦朗)

パナソニック 25-19 ヤマハ発動機   パナソニック 25-19 ヤマハ発動機
激しいブレイクダウン ラックサイド“HOTゾーン”での激しい攻防
会見ダイジェスト
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督(右)、大田尾ゲームキャプテン
清宮監督(右)、大田尾ゲームキャプテン


◎ヤマハ発動機ジュビロ
○清宮克幸監督
「試合を分けたのはキックの処理。そう難しくないキックの処理を後半いくつかミスしてしまった。後半残り10分間の戦い方がここ数試合うまくいっていないが、試合全体を通しての支配はそこそこ計算できるようになってきている。今日もゲームを支配できていたので結果が非常に残念。パナソニックさんの強みがしっかりと出たということだと思う」

○大田尾竜彦ゲームキャプテン
「自分達が用意してきたものは出せたと思うが、後半のあたま10分に集中力を欠いた時間帯をつくってしまったことが悔やまれる。また、その時間帯に流れを持っていけるパナソニックさんの試合巧者ぶりを感じた試合。ブレイクダウンにしてもスクラムにしても接点の部分では互角にやれていたので、これを自信にしてリーグ戦の残り4節を戦っていきたい」

──実際に戦ってみて、パナソニックの強さとは?
○清宮監督
「去年まではトニー・ブラウンやコリニアシなど“顔が見える選手”がいたが、今年はそういう選手が目立たなくなった。全員が機能することで個性が薄くなってきた。チームとして出来上がってきているという印象がある」

──接点の部分はヤマハが勝っていたが想定していたか?
○清宮監督
「想定通り。勝っている部分があることはわかっていた。駒不足もあり取りきるところまで力が及ばず、“出口の扉に手がかからなかった”試合だった」

パナソニック 25-19 ヤマハ発動機
ジャック・フーリーの力強い走り
パナソニックワイルドナイツ
中嶋監督(右)、堀江ゲームキャプテン
中嶋監督(右)、堀江ゲームキャプテン


◎パナソニック ワイルドナイツ
○中嶋則文監督
「ヤマハさんがスクラムやブレイクダウンでプレッシャーをかけてくることは予想していたが、前半はそれ以上にやられてしまった。後半はそこを修正し、まずは敵陣に入ること、ディフェンスで前に前にプレッシャーをかけること、ボールを継続して攻撃を続けることを指示した。そこでマイク・デラーニがいい状況判断をして、突破とパスで流れをつかんでくれた。相馬のトップリーグ100試合目ということもあって、選手達が強い意志で戦ってくれた」

○堀江翔太ゲームキャプテン
「前半は自分達のミスでリズムがつかめない中でよく我慢ができたので、その我慢が後半に生きたと思う。マイク(デラーニ)がうまくスペースを見つけて行ってくれたので助けられた。ホットゾーンをヤマハさんに突かれてゲインを切られた場面があったのでそこを修正して次のトヨタ戦に臨みたいと思う」

──ブレイクダウンで、ヤマハのどの部分が上回っていた?
○堀江ゲームキャプテン
「ブレイクダウン自体というよりも、自分達がラックの近場にすき間があることをうまく分析されてそこを食い込まれていた感じ。前半からそれを感じていたのでFW全員に声をかけ、後半には修正できた。常に意識していたことではあったが、年明けの試合で多少薄れていたかもしれない。他に反省する点もあって次につながる試合ができたと思う」
○中嶋監督
「私たちのディフェンスは、そこにこだわることなく幅をもって広いゾーンで守るシステム。その中での動き出しやもう一つ仕事をしないといけないところで、前半は若干うまくいかなかったが、それを堀江を中心に選手がうまく修正してくれた」
○堀江ゲームキャプテン
「相手の攻撃の意図は前半ですぐに解ったが、試合中に修正するというのはなかなか難しくそこを突かれた。よく我慢できたと思う」

パナソニック 25-19 ヤマハ発動機
この日がトップリーグデビューとなった SH池町
パナソニック 25-19 ヤマハ発動機   パナソニック 25-19 ヤマハ発動機
おめでとう!100試合出場達成!!相馬選手 マン・オブ・ザ・マッチのマイク・デラーニ「えー、アリガトウゴザイマス」

RELATED NEWS