10節 マッチサマリー(神戸製鋼 52-23 Honda)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 52-23 Honda HEAT
【week10/2012年1月15日(日) at 兵庫・ホームズスタジアム神戸】

リーグ終盤、1つのトライが順位に直結するやもしれぬ、緊迫感溢れるゲームは、神戸製鋼の先蹴でスタートする。
積極的にアタックする神戸製鋼だが、細かなミスでチャンスを逃すのに対し、序盤から粘りのDFで対抗するHONDAは6分、PGチャンスを確実にモノにし0-3と先制する。

ブレイクダウンから左右へ展開し、HONDAのDF網を崩しにかかる神戸製鋼を、鋭いタックルで押し返すHONDA。緊迫した空気を打破したのは14分、ペナルティからHONDA陣左ゴール前5mラインアウトに繋げた神戸製鋼。モールを押し込みFLブラッキーがインゴールになだれ込みT。(G不成功5-3)

22分にはスクラムでHONDAがフットアップの反則、SH佐藤の素早い仕掛けからLO伊藤鐘史が走り込みゴール下へT(G成功12-3)。ファーストタックルで止められなくなったHONDAは、31分にも神戸製鋼の巧みな繋ぎに対応し切れず、WTB濱島にTを決められリードを広げられる(G成功19-3)。神戸製鋼は38分にもWTB大橋がトライを決めボーナスポイントを獲得する(G成功26-3)。HONDAも終了間際にPGを返し(26-6)後半に興味を繋ぐ。

後半もFL橋本を初め豊富な運動量を示す神戸製鋼。46分にはFB正面の鋭いカウンターアタックから、WTB大橋が繋ぎ左隅にT(G不成功31-6)。ブレイクダウンに対処し切れなくなったHONDAを攻める神戸製鋼は54分にもHONDAゴール前中央ラックからSH佐藤―NO.8マパカイトロと繋ぎゴール下へT(G成功38-6)。

トップリーグ残留に望みを繋ぎたいHONDAは62分、65分と神戸製鋼のパスをインターセプトし、連続トライ(38-18)。俄然勢いを増した71分にもCTBロビンスが執念のトライで、ボーナスポイントはおろか、大逆転も狙えるスコア(38-23)に迫る。

混沌としだしたゲームに終止符を打ったのは75分、HONDA陣22mのラックから縦に抜け出した神戸製鋼CTBカワウ。力強いランで左中間にトライを決めると(G成功45-23)、78分にもボールを細かく繋ぎゴール下にCTB山本がT(G成功52-23)。

このゲームでリーグ100試合出場を果たした林慶鍋を祝する勝利を挙げるとともに、プレーオフ進出に望みを繋げた。マン・オブ・ザ・マッチは2トライを挙げたWTB大橋が獲得。(廣島 治)

会見ダイジェスト
Honda HEAT

◎Honda HEAT
○上野三四郎監督
「個々のタックルが外され、大差がついてしまった。DFからリズムを創るチームなだけに、厳しい結果になった。残る3節、持ち前のタックルをしっかり決め、戦っていきたい」

○田中貴士主将
「今日はアタック、DFともミスが多かった。残りゲームに全てを出し切るため、しっかり準備して戦っていく」

──神戸製鋼について。

○上野監督
「モールで圧倒され、BKの展開で崩されてしまった」

○田中主将
「個々のコンタクトが強い。ブレイクダウンでターンオーバーされ、ボールキープできなかった」

──対策は講じたと思うが。

○上野監督
「モール対策を練ったが、ひとりひとりのコンタクトが予想以上に強く、厳しい結果になった」


神戸製鋼コベルコスティーラーズ

◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ
「前節(リコー戦)の悔しい敗戦を糧に、自分たちのラグビー、積極的なアタックを80分間やり切ることを意識した。次節のパナソニック戦に向け良い準備をしていきたい」

○平島久照主将
「やるべきことができたゲームだった。次節に向けて修正すべき点を洗い出し、ステップアップに繋げたい」

──今後に向けての修正点とは。

○苑田ヘッドコーチ
「前節のゲームはDFの時間が長く、ミスも重なり思うようなアタックができなかった。今日はミスが多かったものの、積極的にアタックした上での結果であり、前向きにとらえたい。今後は精度を高め、日本一に相応しいチームに仕上げていきたい」

──ミスが多かった前半からどう修正したか。

○苑田ヘッドコーチ
「ハンドリングミスや50・50パスでのエラーが見受けられたので、この点について修正を指示した。その上で、ラックからの素早い球出しなど、積極的なアタックを指示した」

──修正とは、具体的に。

○苑田ヘッドコーチ
「ボールキャリアにしっかりサポートする等の約束事がラスト20分で疎かになりがちな点、ハンドリングエラー、状況に応じたサポートプレーヤーのコーチング等である」

──MOM大橋について。

○苑田ヘッドコーチ
「DFでの粘り腰なプレーが彼の持ち味であり、今日は充分チームに貢献してくれた。MOMに値する働きだったと言える」

──残りゲームについて。

○苑田ヘッドコーチ
「レッドゾーンにどう喰い込めるかが鍵。勝敗の分かれ目である」

○平島主将
「自分達がやってきたことをしっかりやることと、些細なコミュニケーションミスを修正することである」

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