12節 マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 35-45 Honda)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 35-45 Honda HEAT
【week12/2012年1月28日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

ここ秩父宮ラグビー場も23日夜から24日朝にかけて6年ぶりに4センチの積雪、その後の気温の低下も続き大会前日の金曜日には協会関係者による除雪作業が行われました。しかしグランドの端々や一部観客席にも雪が残り、試合開始直前まで協会職員による観客席の除雪が続けられておりました。協会職員の皆様、お疲れ様でした。

トップリーグ第12節、本日の第一試合、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスとホンダヒートの戦いです。
NTTコムは現在9位(4勝6敗1分/勝点24)、何とか1ポイントでも多く獲得して日本選手権大会出場を賭けたチケットを手にするためにも8位以内に入りワイルドカードトーナメントに出場したい。またホンダは前節でサニックスに敗退して現在最下位の14位(1勝9敗1分/勝点8)となり、こちらも1ポイントでも多く獲得し自動降格圏内の13位を何が何でも突破したい両チームの戦いです。また、朝より関東各地でも数度の地震が発生して何やら起こりそうな気配も感じられました。

試合はNTTコム栗原選手(FB)のキックオフで試合が開始された。前半開始早々より両チームの激しい攻防が始まった。NTTコムは左右に展開しながらも処々縦に展開しホンダ陣に攻め込みウィング選手(SO)からのオープンサイドへのキックパスで先制を狙うも無念のオフサイド、ホンダは直後の前半6分には自陣10m付近スクラムよりチャンスを作りボールを縦に繋ぎ一気に敵陣へ攻め込みラックから出たボールを川添選手(No8)がディフェンスの隙を突いて先制トライ(GK成功/0-7)。

対するNTTコムも敵陣10m付近ラインアウトよりオープンサイドに繋ぎキャプテン友井川選手(WTB)がトライ(GK成功/7-7)と追い縋る。しかしホンダはセンター付近ラインアウトより出たボールを小西選手(SO)がキックし上田選手(WTB)-ブライス選手(CTB)と繋ぎトライ(GKx/7-12)と引き離す。その後も激しい攻防が続くもホンダがグランドを左右に大きく使い早いテンポでボールを廻しディフェンス陣の隙を突いて確実に敵陣に縦に攻め込みホンダペースで試合は続きポンギ選手(CTB)、中田選手(FL)が連続トライを奪い7-24と前半をリードし結果4トライによりボーナスポイント(1)を奪い取った。

後半、開始早々の2分に積極的に攻め込むNTTコムは敵陣22m付近ラックより出たボールをマーフィー選手(No8)が抜け出しトライ(GK成功/14-24)、18分には敵陣10m付近ホンダボールのラインアウトより小林選手(FL)がボールを奪いキャプテン友井川選手(WTB)が今日2つ目のトライ(GK成功/21-24)を奪い3点差に迫った。しかしホンダは直後の20分に相手ディフェンスの隙をリンディ選手(FL)-上田選手(WTB)と縦に攻め込みトライ(GK成功/21-31)、続く22分には藤田選手(PR)-ロビンス選手(CTB)と縦に繋ぎトライ(GK成功/21-38)とNTTコムを突き放す。その後も激しい攻防は続き両チーム得点を重ねたが、この日7トライを奪ったホンダが35-45と勝利し、マン・オブ・ザ・マツチは2トライを奪ったブライス・ロビンス選手(CTB)が受賞した。

尚、この試合で途中出場したNTTコム木曽一選手がトップリーグ100試合出場を果たしたがチームは勝利で祝うことは出来なかった。
この日、ホンダは勝点5を確保し合計13ポイント(13位)と最下位を脱したが、次節最終戦でヤマハ発動機と雌雄を賭けた戦いに挑む。またNTTコムは4トライによるボーナスポイント(1)を獲ったが合計25ポイント、順位を10位と落とし次節最終戦はコカ・コーラウエストの試合に臨みを託します。(佐藤克則)

会見ダイジェスト
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
大沼監督(右)、友井川キャプテン
大沼監督(右)、友井川キャプテン

木曽選手
木曽選手

◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督

「今日もたくさんのサポートの皆様の応援を頂きましたが、非常に残念な結果に終わってしまいました。今日の試合の敗因はコンタクトエリアでの激しいホンダさんとのブレークダウン、タックルというところで受けてしまったのが敗因の全てかなと思っています。次に向けて短い期間ですが、いい準備して最終節の試合をしたいと思います。ありがとうございました」

○友井川 拓キャプテン

「本日もお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。たくさんのファンの前で、また記念すべき日に勝利を飾ることができず非常に悔しいです。試合の方は、一人目のタックルが決まらずに一人を倒すのに二人、三人かけてしまったところが前半点数を重ねられたところだと思います。後半は、攻めに転じてのターンオーバーからのトライが結構ありましたので、後半は攻めにいったところで点を取られたのでしょうがないかなと思う部分もあり、前半に点を取られすぎてしまったのが敗因です。最終節がまだありますので、コカ・コーラウエスト戦に向けてしっかりチームは前を向いて頑張っていきます。本日はどうもありがとうございました」

──ディフェンスの部分であっさりスコアを許していたが、これはブレークダウンでの人数の問題、それともディフェンス面でのそれ以外の理由のためいつものようにできなかったのか?

「一人目のタックルが外されるケースがあったので、受けに回ったディフェンスしかできなかったことが大きく、相手に圧力をかけられなかった。相手にオーバーラップを作られる場面があり、外が甘くなってインサイドブレークされました。一人目のタックルが決まらなかったことに尽きます」

──相手のことや立場を事前に知っていたと思うが、相手のどこが予想以上だったか?

「一人ひとりのボールキャリーが強かった。外国人選手はもちろん、日本選手も力あるプレーで、それを受けてしまいました。トップリーグのチームなので当たり前かもしれませんが、相手というよりも自分達が受けてしまったことに尽きます」

○木曽一選手(トップリーグ100試合出場を達成)

「100キャップというよりも勝てなかったことが一番悔しいです。聞くところによると、負けゲームでの初100キャップだそうで非常に悔しい。勝って100キャップを迎えるのがベストでしたが負けてしまったものはしょうがない。去年の最終戦はコカ・コーラウエストさんが相手で、しっかり勝てればワイルドカードの権利を得ることができたというものでした。今年の最終戦でワイルドカードへ行く切符があるかどうかわかりませんが、自分達が成長した証を見せることはやはり自分達のラグビーを見せる、このような30点も取られるような試合をするのではなくしっかりタックルに入って体を当ててひたむきなラグビーをするという形を見せられるよう、もう一週間しっかりやっていい結果が得られるように頑張っていきます。本日はどうもありがとうございました」

──100キャップの思い出や、ここまでやれることができたのは?

「振り返ってみれば100試合でしたが、怪我がどうのとかという理由で100を積み上げたつもりではありません。試合に出たいかどうかという思いが自分にあるかどうか、怪我しても痛くても試合に出たいという気持ちがあればプレーすれば良いし、33歳になったがまだまだ若い選手に譲りたくない気持ちがラグビー選手としてあります。積み上げられるだけ積み上げたいし、一試合一試合を楽しみたい。まだまだ上がいますので追いつけるように頑張りたい」


Honda HEAT
上野監督(右)、田中キャプテン
上野監督(右)、田中キャプテン

◎Honda HEAT
○上野三四郎監督

「多くのファンの皆様、協会のラグビー関係者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。今日は、選手たちが80分間自分達のラグビーをしっかりやりぬいてくれたと思います」

──ターンオーバーを含めてブレークダウンは素晴らしかったが、その辺りの意識づけは? 前半で4トライであったが、ボーナスポイントも含めて今日は取りにいったのか?

「今年は意識しながらブレークダウンを重点課題として取組み、できた試合、できなかった試合があったかと思いますが、今日の試合ではしっかりできました。4トライは、まずは試合を勝ち取るところを意識していました。ボーナスポイントは勝ちができてからのことでした。前半、嶋選手が退場したのでペナルティを狙わずにいきましたが、結果的にトライができました」

──次の最終節に向けての意気込みは?

「勝つしかありません。今日の結果次第にもよりますが、勝って結果を待つというか、今日選手ががんばってくれたことを次節でも戦いたい」

──今日の試合では狙ったことができたということか?

「最後不利なところはありましたが、80分間やろうとしていたラグビーを選手たちがやってくれました」

○田中貴士キャプテン

「ボールキープをキーワードにしてこのシーズンずっとやってきましたが、それを今日は80分間やる意識を高めつつゲームをしたので、勝ちを得ることができたと思います。選手たちは、それを次の試合でやっていくことになります」

──残り試合からみて厳しいところで、前半リードして後半に入るのはまた難しい面があるかと思うが、ハーフタイムではどのような話を?

「前半勝って折り返しましたが、改めて0-0の気持ちで10分が勝負と思っていましたので、ボールをキープして攻め続けようという感じで持っていきました」

──後半追い上げられた辺りではどのように?

「追い上げられても、ボールキープで攻め続けるというゲームプラン通りにやろうということだけでした」

──80分間、逃げには入らないということでしたか?

「はい、そうです」

──プレーしてグラウンドの状態は?

「スクラムのところは、結構滑りました」

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