トップリーグ王者を決めるプレーオフトーナメントのセミファイナル第一試合は2週間前に行われたリーグ戦最終節と同じ顔合わせとなった。
東芝はNEC、神戸製鋼に敗れリーグ戦2位通過だが、トライ数・得失点差はリーグ戦トップの実績で、特に後半に調子を上げてきておりパナソニックに対しても最終節に59-25と大差で勝利している。
パナソニックは同様に2敗を喫し3位通過だが、その大敗の東芝戦以外は惜敗のサントリー戦も含め攻撃力に加え粘り強い防御網を展開してきており、昨年に続きプレーオフトーナメントを制する実力は充分持ち合わせている。
晴天の秩父宮ラグビー場は1万人超の観衆のもと、パナソニックのキックオフで試合が開始された。
東芝は開始早々よりパナソニック陣営に攻め込みボールを保持するものの、ミスが相次ぎ決定的な場面を作る事が出来ない。
前半5分、東芝のオブストラクションの反則によりパナソニックNO.15田邉のPG成功(3-0)。その後も東芝の攻勢が続くものの、パナソニックのFWの接点での頑張りとFW・BK一体の防御が目立つ展開となり東芝は得点を挙げられない。
前半31分にオーバーザトップ、また36分にはオフサイドと東芝のペナルティによりパナソニック田邉がPGを連続成功させ徐々に点数が開いて行く。(9-0)
前半42分、東芝の連続攻撃に耐えきれずパナソニックが自陣ゴール前にてハンドの反則、東芝NO.10ヒルがPGを成功させて前半を終了した。(9-3)
後半1分、東芝はゴール前モールを押し込んでNO.2湯原がトライ。ゴール失敗。(9-8)
後半8分、パナソニックはカウンターアタックからNO.14北川がトライ。田邉が右端からゴールも成功。後半早々のトライより流れが東芝に行きかかっていたが、パナソニックとしては貴重な初トライを挙げた。(16-8)
後半11分、東芝BKのパスミスを突きパナソニックNO.13フーリーが50Mの独走トライ。ゴール成功。(23-8)
後半16分、東芝は敵ゴール前からモールで押し込みゴールを割ったかに見えたが、TMO(テレビマッチオフィシャル)判定によりトライは認定されず。
後半19分、東芝は引き続きFW攻勢によりゴール直前まで攻め込むが上記同様にTMO判定にてトライは認定されない。
後半22分、パナソニックは自陣ゴール前まで攻め込まれるが、東芝のパスミスのボールを拾ったNO.13フーリーが90Mの独走トライ。ゴール成功。(30-8)
後半26分、東芝はBKが左展開するもグランド中央にてパスミス。それをパナソニックNO.14北川がキックでゴールまで持ち込みトライ。ゴール成功。(37-8)
後半29分、東芝はゴール前モールを押し込み左中央にNO.2湯原がトライ。(37-13)
後半32分、東芝はFWを起点に連続攻撃しNO.22宇薄が左中央にトライ。ゴール成功。(37-20)
後半36分、東芝が一体攻撃を仕掛け右ゴール前ラックよりNO.10ヒルが右中央にトライ。(37-25)
試合終了10分前の東芝の3連続トライによりトライ数は4-4、また点差は12点と接戦となったが、試合全般を通じパナソニックがブレイクダウンで常に優位に立ちまた接点も支配する中で東芝のミスを誘発させるという会心の試合展開により、リーグ戦での雪辱を果たす結果となった。
両チームの今シーズンの残る試合での健闘を大いに期待したい。(岡本 満)
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