2節 マッチサマリー(パナソニック 22-25 NTTコミュニケーションズ)

パナソニック ワイルドナイツ 22-25 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
【week2/2012年9月9日(日) at 北海道・月寒屋外競技場(月寒ラグビー場)】

 

午前中の大雨が小康状態となった札幌の月寒ラグビー場で、トップリーグ第2節、パナソニック ワイルドナイツ vs NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの試合が行われた。
試合前から、昨年のラグビーワールドカップ2011ニュージーランド大会で優勝したオールブラックスのメンバーで、パナソニック ワイルドナイツに加わったCTBソニー ビル・ウィリアムズがメンバーに名を連ねており、月寒ラグビー場の雰囲気を盛り上げていた。

試合は、前半の8分にNTTコムSO君島がPGで3点を先制したものの、セット及びブレークダウンで優位に立ったパナソニックが2トライ2ゴールを決めるなどで前半は17対3でパナソニックがリードした。

後半に入りブレークダウンを修正したNTTコムがボールを継続し、後半もセットで優位に立つパナソニックだが、1トライに終わり、後半3トライを挙げたNTTコムが22対25で逆転勝ちを収めた。

この試合のマン・オブ・ザ・マッチは、パワフルな走りで自らも1トライを挙げたほか、多くのチャンスに貢献したNTTコムのCTBツイランギが選ばれた。

会見ダイジェスト
パナソニック ワイルドナイツ
中嶋監督(左)、霜村キャプテン
中嶋監督(左)、霜村キャプテン

■パナソニック ワイルドナイツ
中嶋則文監督

「結果が出なくて残念だった。修正して次に繋げたい」

──前半終了後、後半に向けてどんな指示を?

「前半は思ったほどスコアできなかった。後半は風下になるので、自分のペースでいこうと言ったが、ボールキャリアが前に出ていなくて外でもプレッシャーを受けてしまった。後半の最初にトライをとられてから後手に回ってしまった」

──ソニー ビルは自分で行かずすぐにボールを離していたが。

「本人は前に出たいと言っていた。自分がプレッシャーを受けていたのでパスを選択したということだろう。確かにもっと自分で行ってもよかった」

──今後のソニービルの活かし方、戦い方について。

「彼はパナソニックのラグビーを理解してプレーしている。その中で自分の役割を考えてもいる」

霜村誠一キャプテン

「セットの安定を目指したが、これはできた。でも他のプレーで動けていなかった。見すぎてしまったり、プレッシャーがあってキープできなかった。今日は相手が上だった。残りの試合は負けられない」

──ブレークダウンで善戦されたが。

「プレッシャーをかけられてしまった。自分たちのスキル不足、次のフェーズで動けなかった。リロードでセットできていなかった」

──今後のソニー ビルの活かし方、戦い方については?

「試合でも練習でもよくコミュニケーションをとっている。チームのことも理解している。ソニー ビルだけでなく、一人一人がもっと前に出て行ければいい。今日はボールをもらってから動いていたが、もらう前に動ければよかった」

──グラウンドのコンディションは気にならなかったか。

「特に気にならなかった」

──ソニー ビルとコンビを組んでどうだったか。

「ゲーム前から話し、アドバイスを受けたり出したりしてきた。試合でも練習と同じだった」

──ソニー ビルに期待していることは?

「去年の修正としてボールをもっと前に運ぶことがあった。ソニー ビルが入ったことで、このオプションが増えた。これからもっと精度を上げて行きたい。そうしないと勝てないということが今日わかった」

──後半はほとんど敵陣に入れなかったが、なぜか。

「ミスが多かった。セットでプレッシャーをかけたが、ミスをしてフラストレーションがたまった。行けると思ったが行けなかった。後ろ3人には風のプレッシャーもあった。これはケアしたが厳しかった。とにかく相手が強かった。プレッシャーを受けてアタックさせてもらえなかったが、それ以上に自分たちのアタックやリロードができなかった」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
林監督(左)、友井川キャプテン
林監督(左)、友井川キャプテン

■NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス
林雅人監督

「強いパナソニックにチャレンジするつもりで臨んだ。前回の東芝戦を教訓にブレークダウンで負けないようにと思った。また、キックゲームで後手に回らないことも意識した。予定通り後半に風上を取れたので、後半のラスト20分が勝負だと思った。前半の最後にしっかり守れたことも大きかった」

──パナソニックのどんなことに対して準備したのか。またソニー ビル対策は?

「パナソニックは前の週の東芝とは対照的なチームで外に回してくる。ディフェンスの対応を修正するのは簡単ではなかった。今日は雨でもあったので、アグレッシブに前に出ようと思っていた。ソニー ビルはオフロードがうまい。だがこれにとらわれずに行こうと思った。ソニー ビルの対面にツイランギを入れ、ある程度任せた」

──ディフェンスがよかったが。

「ディフェンスのスペシャリストにコーチを受けたことが大きい。NTT用にアレンジしたことでディフェンスがよくなった」

──ハーフタイムの指示と後半の思惑は。

「スクラムが不安定だったので修正しようと思い、これはできた。後半風上なので何かできると思っていた。40分力を出し尽くすつもりでいこうと思った。前半は完ぺきだった。キックゲームも精度高くできた」

友井川拓キャプテン

「北海道の地でたくさんの応援を受けて試合ができたことに感謝している。今回はいい準備をして臨めたと思う。前半はとにかくついて行こうと意識して、そして後半に繋げたことが勝因。パナソニックのアタックも我慢して凌ぐことができた。次のヤマハ戦にもしっかり準備して臨みたい」

──ソニー ビルの印象は?

「ふところが深く、また視野も広い。常に周りの選手を感じながらプレーしていた。パナソニックには他にもいいランナーがいるので、もっとフィットしたらさらに怖い。また、まだフィットするはずないとも思ったので、今回は対応できた」

──後半はショットで7点差から4点差に縮める選択をしたが。

「相手にプレッシャーがかかっていたので、点差を詰めてセットし直しトライをとろうと思った。パナソニックは足が止まっていた。イメージ通りトライをとることができた」

──ラスト10分はこのまま逃げ切れる自信があったように見えたが。

「ラスト5分間キープしたかったが相手にボールをとられた。だが焦ることはなかった。トライをとられる気はしなかった」

(写真提供:阿部 典子)

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