4節 マッチサマリー(トヨタ自動車 23-23 神戸製鋼)

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 23-23 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
【week4/2012年9月22日(土) at 愛知・豊田スタジアム】

 

秋今シーズン好調の神戸製鋼コベルコスティーラーズと地元トヨタ自動車ヴェルブリッツのシーズン前半戦の好カード。芝も鮮やかな豊田スタジアムに秋の風を思わせるような天候の下、7000人超のファンも集まる期待の一戦。

神戸製鋼のキックオフで試合開始。序盤はトヨタ自動車の連続攻撃に対して、神戸製鋼が鋭いディフェンスで応酬し、お互いなかなかビッグゲインができない。そのような状況の中で、まず先手を取ったのは神戸製鋼。15分、キックのカウンター攻撃からパスをつなぎLO伊藤が抜け出しトライをあげ、この試合の均衡を破る。その直後にもトヨタ自動車のディフェンスの一瞬の隙をつき、CTBジャック・フーリーがトライをあげ、勢いづく。その後、トヨタ自動車に1PGを許すが、すぐにPGを返し、トヨタ自動車のペースにさせない。前半終了直前にもトヨタ自動車がゴール前まで迫ったが、あと1歩のところでスコアできず、3-17と神戸製鋼のリードで前半を折り返した。

後半、先にスコアしたのはトヨタ自動車。鋭い出足から相手のミスを誘い、PGで差を詰める。しかしその後、神戸製鋼が2PGを加えたことで、神戸製鋼が主導権を握り続けると思われたが、15分すぎから疲れの見えた神戸製鋼に対し、大きくボールを動かしつつあるトヨタ自動車のペースに変わっていく。そして、観客の大声援にも押され、No.8菊谷のトライを皮切りに30分すぎには、ラックよりパスフェイクで抜け出したSH麻田のトライで同点に追いつき、勝負は残り10分の攻防に。

この10分も終始トヨタがブレイクダウンで勝り、ボールを大きく揺さぶり、ゲームの主導権を握る。37分にはラインブレークしたLO杉本がインゴールに飛び込むもノッコンの判定。終了直前には勝ち越しのDGをSOブレットが狙うも外し、そこでノーサイド。23-23の引き分けに終わった。
前半は神戸製鋼、後半はトヨタ自動車という内容のゲームであったが、特に後半のトヨタ自動車の猛攻でスタジアム全体が歓声に包まれたシーンが印象に残るゲームだった。(大林 直之)

 
会見ダイジェスト
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン

■神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田右二ヘッドコーチ

「すばらしい環境の中でプレーさせて頂き感謝しています。前半は良くやれた。後半に課題が残り、よく引き分けに持ち込めたと思います」

橋本大輝キャプテン

「相手のペースに流され、後半ゲームが作れませんでした」

──後半に失点した要因は?

橋本キャプテン
「自陣でプレーする時間帯が多くなり、陣地を上手く取られました」

──セットやブレイクダウンは?

橋本キャプテン
「僕たちのペースです」

──全体を通じどうとらえているか?

橋本キャプテン
「勝ちたかったです。勝てるゲームでした。でも昨年よりチームは成長しています」

──後半失速したが?

苑田ヘッドコーチ
「エリア、ハンドリングミスが多かった。ミスが少ない方がゲームコントロールできます。FWもレフリーとコミュニケーションが作れなかった」

──4試合済んでこれからの目標と手ごたえは?

苑田ヘッドコーチ
「4戦全勝で行きたかったです。でも黒星はない。今後相手から分析されるでしょう。ストロングポイントを出したいと思います」

橋本キャプテン
「自分たちのミスを修正し臨みたいです」

 
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬監督(左)、上野キャプテン
廣瀬監督(右)、上野キャプテン

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬佳司監督

「本日はありがとうございました。神戸製鋼に対して、うちのアタックがどこまで通用するか。ボールを動かし、ゲームを運べるかが課題でした。後半は良くやれました。後半のエネルギーはすばらしいです。前半の失点が多いですが」

上野隆太キャプテン

「ファンも多く感謝しています。後半、フィジカルなラグビーができました。課題もわかったので修正していきたいと思います」

──全体の印象は?

廣瀬監督
「ボールを大きく動かそうとしました。後半は相手の足が止まり、うまく戦えました」

上野キャプテン
「前半はディフェンスがハード。後半はダイレクトにアタックし実現できました」

──後半10点差のとき、ショットで7点差にできた。その判断は?

上野キャプテン
「3点入れて射程内に入れたかった。良い判断だったと思います」

──前半失点の原因は?

上野キャプテン
「ブレイクダウンで遅れたことです」

(文:大林 直之、大久保 誠)

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