7節 マッチサマリー(NTTドコモ 29-37 神戸製鋼)

NTTドコモレッドハリケーンズ 29-37 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
【week7/2012年10月20日(土)/大阪・近鉄花園ラグビー場】

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C:2012, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

ここまで負けなしで第2位の神戸製鋼と勝点0で最下位のNTTドコモの阪神ダービーは、秋晴れの花園ラグビー場に5000人を超す観衆を迎えて行われた。両チームのファーストジャージが赤ベースであるため、神戸製鋼が見慣れない黒のセカンドジャージで登場して異彩を放った。

前半、NTTドコモのキックオフで試合開始、早々に先制したのはNTTドコモ。SOの位置に入った15番 FBムリアイナのショートパントを2番 HO水山が右隅で押えた。ムリアイナはこの試合、その後も再三SOの位置で効果的なキックや力強い突破を見せた。
その後、神戸製鋼は10番 SOグラントの着実なPG2本でいったんは5-6とリードするが、前半15分、No.8マパカイトロのシンビンから形勢は逆転、NTTドコモがHO水山、No.8箕内らベテランFW陣の活躍で2本のトライをあげ、大方の予想を覆し19-13とリードして前半を終える。

後半に入ると神戸製鋼の組織的プレイが徐々に機能し始める。NTTドコモがやや集中力を欠く場面もみられたが、4分、7分と神戸製鋼は立て続けにトライをあげ、27-19と再度逆転。しかしこの日のNTTドコモは粘りを見せ、21分の14番 WTB平瀬主将のインターセプトからの60m独走トライと33分の10番 SO伊藤の40mのロングPGで29-27と再び逆転に成功。

終盤にきて俄然興味をそそるスリリングな試合展開となったが、ゲームを制したのはやはり地力に勝る神戸製鋼。36分に10番 SOグラントがPGに成功して30-29、さらに終了間際にもこの日大活躍の13番 CTBフーリーのトライで29-37と突き放し、二転三転したゲームに決着をつけた。

無敗を守った神戸製鋼の落ち着いた試合運びも目立ったが、終了間際まで神戸製鋼を追い詰め、4トライで初の勝点をあげたNTTドコモの粘りと連続攻撃は、次節以降へ大いに期待をつなぐ試合内容であった。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は豊富な運動量と堅実なディフェンスを繰り返した神戸製鋼FL前川に贈られた。

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会見ダイジェスト
NTTドコモレッドハリケーンズ
高野へッドコーチ(左)、平瀬キャプテン
高野へッドコーチ(左)、平瀬キャプテン

■NTTドコモレッドハリケーンズ
高野一成へッドコーチ

「地元大阪で昨年勝ちをもらった神戸に対して、今シーズンのきっかけを探して試合に臨んだ。前半からパターンも良く、スコアーも獲れ、リードをして折り返した後半、平瀬キャプテンが4トライ目でポイント(勝点)1点を取り込んだことが、収穫だった。勝利の5ポイント、追いついての2ポイントと後半チャンスはあったが、結果が出せなかった。来週の九電に関しても落とせないゲームなので、ルーズなところを修正し、福岡に乗り込みたい」

平瀬健志キャプテン

「大阪花園での沢山のファンの応援に感謝しています。先週は、ふがいない試合をしたので、今週はファンに喜んでもらう試合を心掛け、勝点1以上を獲るように臨んだ。立ち上がりリズムも良く、後半崩れたが、次のゲームへのいいきっかけになったと思うので、あと少し修正して、次に臨みたい」

── 一週間心掛けたことは?

平瀬キャプテン
「勝点1を獲るため、4トライ以上を獲ること、ペナルティゴールを考えずに攻めることを意識していた。攻める意識として、前半2トライを獲ることを目標として試合に臨んだ」

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神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン

■神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田右二ヘッドコーチ

「関西での花園の試合、天気も良く、素晴らしい環境でラグビーができ、嬉しく思っている。試合は、昨年の再来かなと思って見ていたが、今年のチームは絶対に逆転すると、心臓もドキドキせず、リラックスして見ていた」

橋本大輝キャプテン

「今年もドコモに苦しめられたが、新加入した選手も含めて、レベルアップしたチームなので、いい結果で良かった」

──前半苦しんだ原因は?

苑田
「個人プレイが出ているのかなと思った。試合内容すべてを含めて、最終的に勝点5を獲得したことが重要だと思っている。長いシーズン、こういう試合もある、勝ちきったことが非常に良かった。修正点はいくつかあるが、選手達に原因を話し、次節の試合にいい準備をして臨みたい」

──昨年との違いは?

苑田
「橋本キャプテンを中心にグラウンドに出るとき、するべきことをしっかりとして試合に臨んでいることが一番だと思う。出場していないメンバーとゲームメンバー22名のハードワークもできていることと、新しい戦力が活力になっていると思う」

(記事:石川悟、蜷川善夫、玉川育夫 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)

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