8節 マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 23-24 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week8/2012年10月27日(土)/東京・秩父宮ラグビー場】

NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車

ジャパンラグビー トップリーグ2012-2013第8節、秩父宮での第2試合、今シーズン5勝2敗(5位)でトップリーグ昇格3年目の「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス」と、4勝2敗1分(7位)の古豪「トヨタ自動車ヴェルブリッジ」の試合が6639人の両チームを応援する熱いファンの見守る中で行われました。両チームのトップリーグでの対戦成績はNTTコミュニケーションズが2勝0敗と競り勝っています。

試合は風上から攻めるトヨタ自動車(SO)ブレット選手のキックオフで開始されました。前半開始5分、NTTコムは自陣20m付近ラインアウトよりモールを作り、10m程押し込みトヨタ自動車(SH)滑川選手がハイパントを上げ、受け取ったボールを左右に大きく展開し、(SO)ブレット選手がディフェンスの穴を突いて先制トライ(GK成功)。
続く14分にも、NTTコム陣10m付近ラインアウトより出たボールを(SO) ブレット選手がショートパントを敵陣ゴールに蹴りこみ、相手選手を振切ってトライ(GK成功、0-14)とトヨタ自動車ペースで試合は進んだ。

しかし前半22分に、自陣10m付近でトヨタ自動車(CTB)シリベヌシ選手が、NTTコム選手に対するハイタックルでシンビン(イエローカード)による10分間の退場となり、NTTコムはこのチャンスにトヨタ自動車へ猛攻を開始。ラックから出たボールを(CTB)ツイランギ選手が敵陣へ飛び込みトライと思われたがノッコンの判定。その後もトヨタ自動車陣に果敢に攻め込むも、トヨタ自動車の厚いディフェンスを崩せずにいたが前半27分、自陣22m付近でのラインアウトでのトヨタ自動車のペナルティ(コラプシング)よりセンター付近までキックを蹴りこみ、続くラインアウトより出たボールを敵陣深く(GL前10m付近)蹴り、ラインアウトより出たボールを右オープンに素早い展開でボールを廻し(WTB)沼尻選手がトライ(GK成功)。
その後両チームの攻防が続く後半41分、NTTコムはトヨタ自動車陣ゴール前10m付近でラックよりオフロードパスで繋ぎ(HO)種本選手がトライ(GK成功)。17-17と同点で前半が終了した。

後半は開始早々より両チームの激しい攻防が続く。後半7分、トヨタ自動車はNTTコム陣10m付近での相手ペナルティ(オブストラクション)より逆転のPGを狙うが失敗。対するNTTコムはトヨタ自動車陣での相手ペナルティよりPGを9分、13分と立て続けに成功し逆転(20-14)した。

後半14分にもNTTコムは自陣10m付近のラックでターンオーバーし右オープンへ展開し、(CTB)ツイランギ選手より(WTB)友井川選手にボールを繋ぐがスローフォワードとなり追加得点が取れない。トヨタ自動車も、敵陣10m付近ラックから出たボールを右オープンに展開、(HO)川西選手から(CTB) シリベヌシ選手にボールを繋ぎゴールに向かうが相手タックルに阻まれ今一歩で得点できない。後半20分、トヨタ自動車は敵陣15m付近でのマイボールスクラムでSHを滑川選手よりベテラン麻田選手に入れ替えた。

その後、トヨタ自動車は早いテンポでNTTコム陣に攻め込み、後半23分にゴール前ラックより出たボールを(CTB)シリベヌシ選手が飛び込みトライ(GK成功)し逆転(20-21)。27分には相手ペナルティよりPGを確実に決め、20-24と引き離す。対するNTTコムは、後半31分に敵陣15m付近での相手ペナルティよりPGを決め、23-24と1点差に追い迫る。後半39分、その後も攻め続けるNTTコムは敵陣22m付近のラックより連続攻撃で攻め込み、ゴール前ラックより(SH)岡選手がゴールに飛び込むも、ノックオンの判定と逆転できずに試合が終了した。

この試合、先制の2トライ、3ゴール、1PGと19得点を挙げたトヨタ自動車(10)スティーブン・ブレット選手にマン・オブ・ザ・マッチが贈られた。
トップリーグはこれから約1ヶ月のインターバルの期間を経て、トヨタ自動車は次節パナソニックに挑み(12/2 群馬/太田)、NTTコムは神戸製鋼に挑む(12/2 大阪/近鉄花園)。1ヵ月後は両チームの一層進化した好ゲームを期待したい。(佐藤克則)

会見ダイジェスト
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
林監督(右)、友井川キャプテン
林監督(右)、友井川キャプテン

■NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス
林雅人監督

「本日はどうもありがとうございます。力が非常に近しいトヨタ自動車さんとの試合で、お互いに大切な試合とフォーカスして臨みました。向こうのディフェンスがすごく良くて、2人目が速いブレイクダウンで、こちらもボールキャリアーが工夫しましたが、なかなかボールが出ませんでした。最初、2トライリードされたところと、最後6点リードしながら、自陣で不用意な反則を2つしたところは、まだまだ力不足を感じました。トップリーグはまだ続くので、1点差負けの敗戦を次の試合に結び付けることが大切ですから、ウィンドウマンスでしっかり整備して神戸製鋼さんに立ち向かいたいと思います」

──最後のシーンは?

「僕には分かりません。ただし、そこまで追い込まれたことが力のなさですので。いずれにしても、レフリーにゆだねて試合をしていますので」

──この一か月は?

「もう一回、一般のプレーと基礎のところをやりたいと思います。あとは1か月空くので、神戸製鋼戦はちょっとチャンスだと思います。まあ、勝手な弱いほうの夢ですが」

友井川拓キャプテン

「お疲れ様です。まず、秩父宮で多くの皆様の前で試合できて嬉しく思うとともに、厳しい状況のところでもファンの皆様の声援で戦うことができたことに感謝申し上げます。トヨタ自動車さんは強いチームで、フィジカルで戦おうと、皆で話しました。FWはフィジカルに戦ってくれて、ディフェンスも良くやってくれました。幸い、ウィンドウマンスが1か月ありますので、しっかり練習して神戸製鋼さんに挑戦したいと思います」

──自分たちのベースは上がったか?

「ディフェンスがかなり整備され、失トライが少なくなったのは自信になりました。これからの強みにもなると思います。ゲームの中で崩れることもなくなりました。我慢できてきました。今日は落としましたが、接戦を勝てるようにもなり、チームの地力が付いてきたと思います」

NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車   NTTコミュニケーションズ 23-24 トヨタ自動車
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬監督(右)、上野キャプテン
廣瀬監督(右)、上野キャプテン

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬佳司監督

「本日はありがとうございます。2年連続して負けているので、何とか今シーズンは上回ろうと臨んだのですが、1点差で最後まで守ってくれたのは良かったと思います。後半戦につながる勝利でした。セットプレーがNTTコムさんはしっかりしていますので、どれだけチャレンジできるかと思っていましたが、立ちあがりに良いテンポで、中盤、苦しいときに全選手が良いパフォーマンスをしてくれました。11月には一段とレベルアップして後半戦に臨みたいと思います」

──菊谷選手は?

「今、すごく好調です。ボールを前へ運ぶ力は素晴らしいものがあります。チームを先頭に立って引っ張ってくれています。プレーの面で、非常に信頼しています。ベテランとして上野のサポートもしてくれますし、トヨタ自動車に欠かせない存在です」

──11月の過ごし方とは?

「得点力が低く、4トライ獲れていないので、攻撃の精度を高めたいと思います。ディフェンスは良くなってきました」

上野隆太キャプテン

「お疲れ様です。すごくタイトなゲームで、最後は1点差で逃げ切ることができました。NTTさんに対してリズムを崩す場面があり、ペナルティが重なり、規律が乱れたところもありました。修正できる点が多々ありますので、ウィンドウマンスでしっかり修正して後半戦に臨みたいと思います」

──最後の時間帯は?

「外に出ていましたので、ずっと自滅のペナルティで陣地を取られていたので、ノーペナルティと声を掛けていました。だが、結構、安心して見ていました」

──菊谷選手について?

「最年長で、アドバイスもしてくれますし、若手に良い接し方をしてくれて、近寄りやすいベテランです。頼りにしているし、相談にも乗ってくれる良い兄貴分です」

RELATED NEWS