12節 マッチサマリー(トヨタ自動車 52-7 リコー)

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 52-7 リコーブラックラムズ
【week12/2012年12月23日(日)/兵庫・ホームズスタジアム神戸】

     

トヨタ自動車がオフェンス、ディフェンスともに思ったとおりの試合運びで、52対7の大差でリコーに圧勝した。
前半リコーのキックオフで試合開始。開始直後はリコーFL6カウヘンガの突進等でゲイン、トヨタ陣深くまで攻め込む。しかし、トヨタはすぐにディフェンスを立て直し、リコーのFW、BKの攻撃の要であるFL6カウヘンガ、CTB12フルーティに、出足の早い、低いタックルでリコーの攻撃の芽を摘む。トヨタはBKが効果的に相手ディフェンスラインの裏へのキックを使って陣地を獲得、5分ゴール前ラックからLO4谷口のゴール中央へのトライで先制。(ゴール成功7-0)
その後もトヨタは早いディフェンスでリコーの攻撃を封じ込め、攻撃ではキックを有効に使いながらFWを前に出し、最後はCTB13イェーツ、WTB14遠藤がトライを重ね、前半終了時には26対0と、ほぼ試合を決めた。

後半からリコーはWTB22キニキニラウを投入、反撃を試みる。キニキニラウの投入は効果を発揮し、しばしばトヨタ陣へ攻め込む場面が見られ、53分トヨタ陣22m地点のラインアウトから左に展開し、WTB22キニキニラウがトライを挙げる。(G成功33-7)しかし、リコーの攻撃はFL6カウヘンガとWTB22キニキニラウを核にした単調なもので、これ以上の得点を挙げることはできなかった。

対照的にトヨタは、前半からのリズムを1試合継続し、終始ペースを握ったゲームをすることができた。60分頃には密集でのペナルティーが重なり、攻め込まれる場面もあったが、NO.8菊谷キャプテンがFWをよくまとめて修正し、すぐにペースを取り戻した。最終的にはCTB13イェーツとWTB14遠藤が3本ずつトライをとり、52対7という圧勝で勝利を飾った。
リコーはFWの核であるカウヘンガがトヨタディフェンスに封じ込まれ、自分の形で攻め込むことができず、大敗を喫した。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は素晴らしいフィットネスをみせたLO4の谷口(兵庫・東播工高出身)が獲得。

     
会見ダイジェスト
リコーブラックラムズ

■リコーブラックラムズ
山品博嗣監督

「これだけ集まってくれた観客の方々に御礼申し上げる。非常に重要な試合だったが、残念な結果に終わってしまった。何もかもがうまくいかなくて、自分達の形とは離れたラグビーになってしまった。自分達のラグビーを出来るように、もう一節、来週チャレンジしていきたい」

山藤史也ゲームキャプテン

「トヨタの強さ、チームの未熟さ、個人の未熟さ、それら全てに面を食らってしまっている。これからまだ最終節、ワイルドカードと続いていくので、気持ちを切らさずにやっていきたい」

──個人的な未熟さとは。

山藤ゲームキャプテン
「練習でやっていたことを試合で出せなかった。トヨタには堅いラグビーをやらせてしまった。そういうゲームスタイルは分かっていたのに、それに対して何も反応できなかった」

──この試合の反省点は。

山品監督
「イージーなミスから相手に勢いをつけさせてしまった。自分達のラグビーが出来なかった」

     
トヨタ自動車ヴェルブリッツ

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬佳司監督

「非常に重要な試合の中で、選手たちがハードにプレーしてくれた。ディフェンスもアタックもやりたいラグビーをやり通せた。今後もトヨタのラグビーが体現できるように頑張りたい」

菊谷崇ゲームキャプテン

「トヨタにとって、このグラウンドは非常に相性がいい。良い内容が続いていない中で今週頃からチームのリズムが良くなり、リコー相手にいい試合が出来て満足だ」

──前節から、この一週間の取り組みについて。

廣瀬監督
「アタックの確認を。自分達のラグビーをチーム全員でミーティングをしてきた。それを一週間やり通し、準備を重ねてきた。今日は選手がそれを発揮してくれた」

──今季ここまでの評価は。

廣瀬監督
「昨年は不本意な成績に終わり、今季はチーム内の競争をテーマにやってきたが、それに選手たちが応えてくれ、非常に評価をしている。ただまだ今シーズンは終わっていない。日本選手権に向けて頑張る」

──8つのトライが決まった。

菊谷ゲームキャプテン
「大変満足している。自分でサインを出して、自分でも決められた。トヨタのラグビーは捕まった後でも、トライが出来るラグビーを目指している。これからも同じようなゲームが出来るようにやっていきたい」

──SO文字の評価は。

廣瀬監督
「チームの意図を理解してくれて、すごくよかった」
菊谷ゲームキャプテン
「ゲーム中も本人が『すごく調子がいい』と言っていた」

   

(記事:黒岩亜希彦、中村吉孝 写真:長谷川昭男 広報担当:廣島治)

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