トップリーグ入替戦もこの試合が最終戦、今シーズン1勝12敗で第13位に終わったNTTドコモとトップチャレンジ第4位で2007-08以来6シーズンぶりの昇格を目指す三菱重工相模原の一戦。NTTドコモは地元ファンの前で2シーズン守ったトップリーグの座の死守を、三菱重工相模原は先週の豊田自動織機に続く下剋上を、それぞれの想いを抱いている。来シーズンから16チームによる新方式に変わるトップリーグの最後の一枠を賭けた両チームの戦いは、バックスタンドの赤(NTTドコモ)とメインスタンドの緑(三菱重工相模原) の両チームの大応援団で埋め尽くされた近鉄花園ラグビー場で午後1時、三菱重工相模原のキックオフで開始された。
試合開始直後からトップリーグチームの意地でNTTドコモがボールを支配してエリア的にも優位にゲームを進めるが、先制したのは三菱重工相模原、前半13分にゴール前でのキック処理をもたついたNTTドコモのバックス陣の隙を突いて、FB15番大和田がこぼれ球を拾い中央にトライをあげた(ゴール成功0-7)。
しかしNTTドコモも執拗にFWプレイを繰り返し、前半24分にゴール直前の右中間ラックからWTB14番キャプテン平瀬がレフリーと交錯しながらも右中間に押さえて反撃を開始した(5-7)。
しかしこの頃からNTTドコモはラインアウトなどのセットプレイに乱れが生じ、自分たちのプレーができない。また三菱重工相模原も攻め手を欠き、WTB11番ウィリアムズをSOやCTBの位置に据えて展開を試みるが機能しない。それでもその後、両チームともFWプレイで1T1Gを追加、12-14と挑戦者の三菱重工相模原がわずかにリードして前半を終了した。
後半9分、NTTドコモはHO16番緑川を投入して、ラインアウトが安定し始める。そして直後の12分、NTTドコモはゴール前10m中央付近のラックから左に展開し、最後はWTB14番平瀬が再び左中間にトライ(ゴール成功し19-14)をあげ、ようやくこの試合初めてリードを奪った。
しかしトップリーグ昇格に執念を燃やすこの日の三菱重工相模原は粘り強く、後半23分には10mライン右中間で相手ボールをキャッチしたWTB14番椚が逆襲、最後は元ウェールズ代表WTB11番ウィリアムズが約30mを華麗に走りぬき中央にトライをあげて再逆転(19-21)、緑を纏った応援団の歓声は最高潮となる。
そしてクライマックスはまだこれから、トップリーグ死守のため後のないNTTドコモが試合終了間際の36分、ゴール前10mの右中間ラックから左に広く展開し、突破力のあるNo.8・19番シオエリを中心にFW・BK一体となった攻撃で最後はSO10番ガードが左隅にトライをあげ再逆転、今度は赤を纏ったNTTドコモ応援団の歓喜の中、熱戦に終止符を打った(24-21)。
接戦を制したNTTドコモは来シーズンもトップリーグで新方式のシーズンを迎える。この日、不安定さが顕著であったセットプレイなどの精度を向上させなければ、やはり上位チーム相手には今シーズン同様に苦しいシーズンが予想される。一方の三菱重工相模原もトップリーグチーム相手に互角以上のゲームが出来ることがこの日証明された。両チームともに確実に得点できる自らのパターンを確立し、来シーズンはそれぞれのカテゴリーでの活躍を期待したい。
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