ファーストステージ・第1節 マッチサマリー(サントリー 32-6 NTTコミュニケーションズ)
サントリーサンゴリアス 32-6 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス ファーストステージ・第1節 プールA サントリー、対NTTコムの初戦に完勝 2013-2014シーズンのトップリーグが開幕した。11年目となる今シーズンからは参加チームは16チームによる2プール・2ステージ制となり、好ゲームが増えることが期待できる。昨シーズンまでV2のサントリーだが、4月から8月は日本代表や各国代表となった選手がメンバーから外れていたこともあり、プレシーズンマッチでは全敗の結果となっており、今シーズンの実力が気になるところだ。 試合開始直後から、この日トップリーグデビューとなったWTB長野が快走を見せ、サントリーが敵陣ゴール前に迫る。4分、ラックから出たボールをWTB小野澤が直接もらい、そのまま、ラックサイドのNTTコムのディフェンスを2人、3人とかわして、トライ。サントリーが早くも先制した(ゴール不成功、5-0)。 19分、敵陣でのサントリーボールスクラムで、レフリーがNTTコムのオフサイドのアドバンテージを取っていたことを見ていたサントリーSO小野が、トライを狙いグラバーキックを仕掛けた。このグラバーキックをキャッチしたCTBニコラスをフォローしたSO小野がゴール前ラックに持ち込み、ラックから出たボールをSHデュプレアから受けたCTBニコラスがそのままトライ。昨シーズンまでのリーグ戦通算得点を995点としていたニコラスはこれで、トップリーグ初の通算1,000得点を達成した(ゴール成功、12-3)。 25分にNTTコムがSO川本のPGで3点追加し、12-6としたが、29分にはNTTコム陣ゴール前のNTTコムボールのスクラムが崩れたところでサントリーFL佐々木がボールをジャッカル。そのボールをもらったFLスミスがNTTコムのディフェンスをかわしてインゴールへ。ゴールも成功しサントリーが19-6と点差を広げた。 サントリーは後半にも4分にPGで3点加点し、更に7分には敵陣ゴール前のラインアウトで、HO青木がスローインしたボールをキャッチしたFL佐々木が、ボールをすぐにブラインドサイドのHO青木に返すサインプレーが成功し、そのままインゴールに飛び込み、32-6(ゴール不成功)とした。 SHデュプレア、FLスミスが相変わらずいい仕事をし、選手一人ひとりがボールを手にするとしっかり前に出る。15人がよくディフェンスに戻って、敵にトライチャンスを与えない。今年もやはりサントリーは優勝候補の筆頭のようだ。(正野雄一郎) ● 記者会見ダイジェスト ● NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 林雅人監督 「すごく暑い中、ありがとうございました。昨年度のチャンピオンチームに挑戦させていただくということで、セットピース、特にラインアウトとタックルでゲームコントロールしようと臨みましたが、思うようにいきませんでした。前半のスクラムが象徴的でしたが、サントリーさんが強かったと言うしかありません。しかし、去年と比べて改善点もあり、5本と1本というトライ数差が一つのメジャーとなります。ああいうアタックをどう止めるか、まだ、数多く試合がありますので、少しでも改善していきたいと思います。ディフェンスからのチームカラーも変えるつもりはありません。こうしたチームが、ロースコアの戦いに、いかにもっていくかだと思います」 ──予想以上にタックルが悪かったが? 「自分のチームに悪い部分はないと思います。グラウンドコンディションは非常に良く、選手もスパイクが刺さると言っていました。そこで、ステップされて、力のあるサントリーさんの素晴らしいプレーに、我々もタックルに入っているが、ディフェンスしきれるほど入れませんでした」 ──自陣から回すのは想定どおりだったのでは? 「キックキャッチから9割以上回してくると分析していましたが、最大の弱点は、こちらの一人一人が差し込まれてオフロードパスされたことです。おそらく、2~30あったと思います。こちらがロータックルしても、つながれてしまうのは、当たり前ですが難しいです」 ──プレシーズンと比べたサントリーの力は? 「サントリーさんのアタックは基本的には過去3年くらい変わっていません。しかし、問答無用で分かっていても止められないのがすごさだと思います。1対1の局面で絶えずブレイクダウンで下がらされ、そういう状況では、75%くらい、ディフェンス側の反則を取られてしまいます」 友井川拓キャプテン 「こんばんは。大勢のファンの皆様の前でゲームができて非常に嬉しく思います。今日は、サントリーさんのアタックに翻弄されたゲームだったと思います。ファーストタックルが決まらず、ズルズルいってしまいました。さすがにチャンピオンチームです。しかし、下を向かず、前を向いていきたいと思います」 サントリーサンゴリアス 大久保直弥監督 「暑い中、ありがとうございました。暑さと湿気で疲労感が漂うが、サントリーらしく攻めようと選手には伝えました。80分間、なかなかフィニッシュまでもっていけませんでしたが、選手はゲーム最初から強い意志で攻めてくれて、成長を感じます。何人か、けが人も出た中で、若い選手が出てくることが大事で、クラブの力を試されていると感じます。次節もサントリーのハードなプレーを出していきたいと思います」 ──暑さが、得点が少ない大きなポイントだったのか? 「ブレイクダウンとシェイプは僕らの中ではイコールです。今日はNTTさんのプレッシャーの下、意図した形が少なかったと思います。どちらかと言えば、個人技での得点が多かったので、東芝さんのようなラッシュディフェンスには耐えられないと思います。ブレイクダウンとシェイプの両方を突き詰めて行かなくてはいけません」 ──後半、トライラインが遠かったのは? 「狭いエリアで人をかけ過ぎていました。アタック方向も含めて9、10番でコントロールがほしいです。ここを出せればと言うチャンスが何度かあったが、改善が必要です」 ──プレシーズンの結果から、攻める姿勢ができてきたのか? 「ご心配してもらって嬉しいが(苦笑)、去年もかなりプレシーズンでは負けています。僕らは勝つために15週間準備してきました。負けるのは悔しいが、次のエネルギーに変えられます。去年は、西川、村田がファイナルに出ましたが、もう一人、二人若い選手が出てきてくれればと思います」 ──通算1000得点のライアン選手について? 「トップリーグで初めての偉大な記録です。彼は本当にプロフェッショナルな選手で、なおかつ、プレーをすることにハングリーな選手です。若い選手の良い手本です。漢字も練習しているし(笑)。次は、1500点、2000点を目指してほしいと思います」 真壁伸弥キャプテン 「こんにちは。開幕戦で、最初の20分くらいはサントリーらしいアタックができたのですが、後半、雑になったと思います。これから、上げていかないと厳しい戦いになると思います」 ──プレシーズンより一つ一つのブレイクダウンが力強かったが? 「シーズン前に課題は分かっていましたので、それをしようと。まだ、全然(ダメ)ですが」 ──通算1000得点のライアン選手について? 「単純にうらやましいです(笑)。自分はトライもなかなか獲れないポジションなので。1000点なんて考えられないですが、ライアンのラグビーへの姿勢を見習っています。1500点、2000点目指して頑張ってほしいと思います」 マン・オブ・ザ・マッチはサントリーサンゴリアス、デュプレア選手
ニコラス選手は通算1000得点を達成した
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