ファーストステージ・第2節 マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 20-33 NEC)

NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
20 合計 33
10 前半 10
10 後半 23
0 勝点 5
0 総勝点 6
NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 20-33 NECグリーンロケッツ

ファーストステージ・第2節 プールA
2013年9月6日(金)19:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

NEC、対NTTコムの「負けられない試合」を制し、今季初勝利

第1節、それぞれ敗戦となった両チームだが、1st ステージでの4位以内を確保するためには、どちらのチームにとっても絶対に連敗は避けたい負けられない試合だ。NTTコムはスターティングメンバーを第1節から9人を入れ替えて必勝体制で臨んだ。

試合はNTTコムのペースで始まった。前半7分、ラインアウトでNTTコムの新戦力 元NZ代表LOイートンがナイスキャッチ。そのボールをSH西村からもらったFL小林が中央を突進、これにフォローしたNO8栗原がインゴールに飛び込みトライ(ゴール成功)、7-0とした。NTTコムはラインアウトでの優勢をベースに、SO君島のスペースを突くキックでチャンスを狙うがなかなか追加得点には至らない。
25分、FL村田、CTBブリューらの突進で敵陣ゴール前まで攻め込んだNECが、NTTコムのノット・ロール・アウェイの反則を誘い、このPGをSOウェブが決め3点を返した(7-3)。NTTコムも33分にSO君島のPGで3点加点し10-3。NTTコムリードのまま前半が終わるかと思われたが、37分、NECが敵陣ゴール前10mのスクラムからCTB田村、FL村田、SOウェブと、4次-5次に亘りサイドアタックを続け、NTTコムのサイドディフェンスが甘くなってきたところで、最後はLO浅野がサイドを抜けてトライ(ゴール成功)10-10の同点でハーフタイムとなった。

NECは後半4分にPGで3点追加し、10-13と初めてリードした後、8分にはNTTコムが自陣ゴール前でのスクラムでノット・ストレートの反則をすると、NECがFKからクイックアタック。このボールをFLラトゥが左中間にトライを決め(ゴール不成功)、NECは10-18とリードを拡げた。
しかし、NTTコムはこのまま負けるわけにはいかない。14分、NTTコムは中央付近のスクラムからSO君島がNECバックスの浅いディフェンスラインをよく見て、ラインの裏へショートパントを上げた。このボールがワンバウンドしたところをCTBサンダースがキャッチし、そのまま中央を40m独走。NTTコムらしい形でのトライをとり(ゴール成功)17-18の1点差に詰めた。NTTコムは18分に50mの距離はあるPGをSO君島が狙いこれは不成功となったが、24分に得た約30mのPGチャンスでは確実に3点加え、20-18と逆転した。

しかし、NECは後半21分にウェブが入替退場した後、ポジションをCTBからSOに変えた田村がいいキックを交えて、バックラインをリードするようになった。FWもブレイクダウンを優勢にすすめ、ターンオーバーを得て、一歩ずつ前に出る。
26分、自陣でのターンオーバーからアタックしたNECは、SO田村が敵陣に大きくグラバーキック。後半からWTBに入っているナドロがこれをよくチェイスし、NTTコムバックスと競り合ったが、最後はインゴールでナドロが押さえてトライ(ゴール不成功)、NECが20-23と再逆転した。NECは36分にPGで3点追加、20-26とリードを拡げた後、38分には中央付近のNECボールラインアウトをNTTコムLOロスに取られたが、NTTコムバックスへのパスをFLデルヴがインターセプト、そのままインゴールへ走り、NECはこの日4トライ目、(ゴール成功)20-33としてノーサイドとなった。

後半から出場して、この日、初試合となった元ウェールズ代表のNEC新戦力FLデルヴもこのままチームに溶け込めば、来週のサントリー戦以降、タレントの多い外国人プレーヤーをどう使っていくかにクーパーヘッドコーチは頭を悩ませることになりそうだ。(正野雄一郎)

● 記者会見ダイジェスト ●

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス


林雅人監督(右)、友井川拓キャプテン

林雅人監督

「暑い中、ありがとうございました。ちょうどNECさんがプールAの去年の4位で、うちが5位に当たり、絶対勝たなくてはと臨みました。いろいろと不出来なところもありましたが、勝敗と点差はすべて現在の力の差だと思います。しかし、あきらめることなく、自分たちでできることは、今後、残りすべての試合でポイントを取れるだけ取ることですので、それに向かっていきたいと思います」

──先週とメンバーが代わったが?

「1戦目、ほぼ勝つのは難しいチャンピオンチーム相手でこちらの強みにフォーカスしてディフェンスの良いメンバーで組みました。人数なんかどうでも良いから、とにかく前へ出てミラクルを起こそうという布陣でした。今日は全方位でオールマイティに力を出せるメンバーで組みました。しかし、NECさんの前がかりのディフェンスが予想外にそうではなく、ショートパントから2本、ディフェンスの中盤に接点で食い込まれたのが敗因です」

──NECのラックサイドからの攻撃を止められなかったが?

「一つは、もっと近いところにディフェンスの人数をかけなければいけなかったということです。15mラインから外にボールが回ったら3本に1本は獲られます。向こうはヘッドコーチがNZ出身ですから、ゾーンでシーソーみたいにアタックしてきて、こちらが、多少、ディフェンスを広げた近いところに力勝負で来られました。すべてのエリアを守るのは難しいですね」

友井川拓キャプテン

「お疲れ様です。今日も多くのファンの方がいらっしゃったのに、試合に勝てなくて残念です。勝敗を分けたのは、うちが受けてしまったのもその一つだと思います。しかし、下を向かず、チームでできることをやっていきたいと思います」

──前半、NECはミスが多かったので、もう少し獲れたのでは?

「難しいですね。フェイズは重ねたが、少しずつ前へ出ないと。ラインブレイクが少ないのは事実ですが、アドバンテージを貰ったところでしっかり良いアタックができると良かったのですが」

──キック処理がお互いに不安定では?

「キッカーが良いところに蹴ったのも、もちろんありますが、試合中に修正すべきでした」

NECグリーンロケッツ


グレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、浅野良太キャプテン

グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「まず、NTTコミュニケーションズさんに敬意を表したいと思います。予想よりフィジカルで、こちらとしては良くない展開にされ、接戦に持ち込まれました。NTTコミュニケーションズさんは良いラグビーをしたと思います。ただ、ボーナス含め5ポイント取れたことは良かったと思います。ペナルティの多さ、ラインアウトでの苦戦、ボールコントロールの甘さなど反省点がありますので、修正して、来週、サントリーさんとの試合ではボール支配率を上げていきたいと思います」

──(体格の)大きな神戸製鋼相手に負けて、どう、この試合にフォーカスしてきたのか?

「今日はフィジカルな準備ができませんでした。なぜなら、前の試合は土曜日で、間が空かないので、火曜日からメンタル的にアグレッシブにやることにフォーカスしてきました」

──デルヴ選手が初出場したが?

「日本でボールキャリアとしても、ブレイクダウンでも活躍できる選手です。ディフェンスの読みも良いし、今日の最後のトライもグッドでした。プロフェッショナルな存在です」

浅野良太キャプテン

「まず、金曜のナイトゲームということで、多くのNECファンの皆様、関係者に集まっていただき、関東での初戦を応援していただきました。ありがとうございました。勇気を貰えて、それに応えようと臨んだ試合でした。セットピースで非常に苦しめられ、ここが良ければもっと点数が取れた試合でした。しかし、自分たちがやろうとしたことは80分間、100%できました。来週のサントリー戦に向けて、ぼくらはチャレンジャーとして1週間準備したいと思います」

──お互いに前の試合に負けていたが?

「先週も今週も、フォーカスしたのは、自分たちのラグビーをいかにやりきるか、コントロールできるかでした。NTTコミュニケーションズさんはうちの会社の大事なお客様ですので、今日は勝つことができて、NECの営業担当に良い顔で営業に行って貰えれば嬉しいですね(笑)」

──ラインアウトは苦戦したが?

「今日のラインアウトは反省ばかりです。BKに迷惑をかけました。マネジメントがうまくいかず、自分たちで苦しめてしまいました。ゲームの起点のスクラムでも何本か取られました。もっとラインアウト、スクラムでボール獲得ができれば、違うゲームになっていたと思います」

──ディフェンスは安定していたが?

「最初のトライは個人のタックルミスが原因で、二つ目は真裏にキックを蹴られたが、他の選手もカバーできたはずです。一人がミスしたら、14人がカバーしなければ。しっかり、同じミスを繰り返さないよう、映像を見て修正します。ディフェンス自体にはプライドを持っていますし、やっていて楽しいです。今年は一人一人のディフェンス力が上がって、機能していると感じます」

──BKの流れが良いが?

「うちのチームにはゲームコントロールとキックができる人が揃っています。状況判断できるプレーヤーがSOの外にいるのは大きいです。今日も、あれだけFWがミスしてもカバーしてくれました」

RELATED NEWS