ファーストステージ・第3節 マッチサマリー(クボタ 20-22 東芝)

クボタ
スピアーズ
クボタスピアーズ
20 合計 22
20 前半 10
0 後半 12
1 勝点 4
6 総勝点 13
東芝
ブレイブルーパス
東芝ブレイブルーパス

クボタスピアーズ 20-22 東芝ブレイブルーパス

ファーストステージ・第3節 プールB
2013年9月14日(土)16:00キックオフ/神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場

トップリーグ第3節、各チーム2試合を消化して今季のチーム状況が明確になってくる頃であろう。クボタは初戦のヤマハ戦で先制トライを奪い善戦するも反則とハンドリングエラーで自滅したが第2節では立川のPGで近鉄に競り勝った。東芝に勝って波に乗りたいところ。
対する東芝は初戦のキヤノンに2点差と辛勝したが、第2節のコカコーラウエスト戦ではセットプレーなどで圧倒し7トライを奪って完封し快勝。両チーム良い雰囲気で第3節を迎える事になった。

9月とはいえ台風18号の影響で蒸し暑い。試合に先立ち、前座試合として神奈川県ラグビースクールの小学校1年生の試合が行われた。チビッコラガー達のプレーにスタンドや、試合前の選手達から大きな声援が送られていた。その子供達のエスコートで入場し、16時に東芝のキックオフで試合は開始された。
試合はすぐに動き、開始1分キックオフ直後のクボタボールを東芝が奪い取り、クボタ陣左隅のゴール前ラックからゲームキャプテンの望月が抜け出してトライ。SOヒルのゴールキックも決まり7-0とあっさり先制する。このまま日本代表を多数擁する東芝のペースで試合が進むかと思われたが、ここからオレンジのジャージを着たクボタが躍動する。

9分、クボタは東芝陣内深くにけり込んだボールを拾うと素早く右に展開し、最後は右サイドゴール前ラックからHO立川直道がトライ、SO立川理道のゴールも決まり兄弟による得点で同点に追いつく。ここからはクボタのペース。22分、28分と立て続けにSO立川のPGで逆転し、31分にはクボタが東芝陣に入りモールサイドの連続攻撃から、素早いバックスの展開で左ライン攻撃でフリーになったCTB12マプスアへのパスが回り左隅にトライ。SO立川のゴールも成功して20-7とリードを広げた。

東芝は相手陣22m付近でPKを得るとラインアウトからトライを狙うがクボタフォワードの粘り強いディフェンスに我慢しきれずバックスに回すものの、ノッコンなどミスがあり得点できない。前半終了間際にSOヒルのPGを返すのがやっとで前半は20-10で折り返す。

後半も、クボタが東芝陣で優勢に試合を進めるが、後半9分にクボタ陣にけり込まれたボールを東芝がキックチャージしてすぐに展開。最後はWTB11豊島が左中間にトライして、SOヒルのゴールも決まり20-17と迫る。しかし、クボタが攻めて東芝陣でのせめぎ合いが続く。

東芝はなかなかクボタ陣に入れずこのままクボタが逃げ切るかと思われたが36分に東芝は一瞬の隙を突き、後半14分から入れ替わったスタンドオフの森田が自陣10m右サイドから相手陣ゴール前にキック。そのボールをFB23ブーナとWTB11豊島が奪い、最後はブーナが左隅にトライをしてついに東芝が逆転する。クボタも残り4分、東芝陣深くに攻め入るが最後はペナルティを与えてしまい、ノーサイドのホーンが鳴った。

東芝はクボタの素早いアタックや縦の攻撃に苦しみながらも後半無得点に抑え逆転勝ちした。しかし、クボタは東芝に負けないブレイクダウンや素早い展開で、チーム力に差がない印象を受けた。東芝は後半クボタに得点を許さないディフェンス力を発揮した事が最後の逆転トライに繋がった試合であった。マン・オブ・ザ・マッチは、コントロールされた切れの良いキックで常にポジショニングを優位にしていたクボタのSO立川理道が受賞した。


● 記者会見ダイジェスト ●

クボタスピアーズ


石倉俊二監督(右)、今野達朗キャプテン

石倉俊二監督

「今日の試合の感想としては悔しいの一言。ゲームは、セットで押されない事や低く当たる事などほぼプラン通りできた。また、全員が力を出し切るプレーができたと思う」

今野達朗キャプテン

「監督と同じく悔しいの一言。全員でブレイクダウンやスクラム、バックスの展開も含め、最後まで良いゲーム内容で試合ができていたと思う」

──80分ハードに戦うためどういった準備をしましたか?

石倉監督

「今の時期は選手の消耗が激しいが、春から最後まで激しくプレーして力を出し切れる練習をしてきた。この試合でもそれを実証できたと思う」

──立川選手が12番から10番になったが?

石倉監督

「どちらでも良いプレーができる選手であるのが強み」

──トップイーストから上がってきてトップリーグとの差を感じた事は?

今野キャプテン

「トップイーストでもトップリーグチームとの戦いを常に想定した練習をしてきたので差を感じていない。今回の東芝戦についてもあまり差を感じなかった。今回の敗戦を分析して次戦の戦いに活かしたい」

──前座試合の小学校1年生のチビッコラガー達に一言。

今野キャプテン

「私は高校からラグビーをやったのですが、小学校1年生からラグビーができる事は幸せな事だと思います。これからも楽しくラグビーをプレーしながらずっと継続して欲しいと思います」

東芝ブレイブルーパス


和田賢一監督(右)、望月雄太ゲームキャプテン

和田賢一監督

「最後に勝てた事は良かった。この試合ではメンタル、スタイル、継続性について一貫性を持って臨む事を目標にしたが、厳しい試合だった。内容から得たものを今後に活かしたい」

望月雄太ゲームキャプテン

「試合の入りは良かったものの、相手のディフェンスを崩せずミスをして乗り切れない試合だった。後半はディフェンスも落ち着き我慢ができたと思う。最後の逆転トライは我慢した結果、相手の裏を見ながらの森田のキックが逆転トライを生んだと思う。

──僅差の試合だったが?

和田監督

「キープしてもバックスのキープ力やエリアマネージメントがうまく行かず最後まで乗り切れない試合だった」

──トップイーストから上がってきたチームとしてのクボタの印象は?

和田監督

「今は、どのチームも差がない。常にチーム力を上げるよう修整して行かないと上位に残れない」

望月ゲームキャプテン

「縦が強い印象。ブレイクダウンは互角に感じた。今年のトップリーグのチームは、すべて力を出し切らないと勝てないチームばかりだと思う」

──昨年は負けているが、次戦のリコー戦に向けて。

和田監督

「今の時期は選手の消耗が激しいが、そのバランスを見ながらバックスとフォワードのキープ力を上げるようにしたい」

望月ゲームキャプテン

「バックスとフォワードの力と決定力を信じてプレーしたい」

──最後に、前座試合やエスコートしてくれたチビッコラガーへ一言。

望月ゲームキャプテン

「私も神奈川県出身(桐蔭学園卒)なので、小学生からラグビーを楽しんで、中学もずっと継続し、神奈川のラガーとしていずれ高校や大学でも神奈川ラガーマンとして継続して欲しいのと、2019年のラグビーワールドカップにはきっと神奈川出身のラガーが出てくれると思うので、頑張って欲しい」

マン・オブ・ザ・マッチは、クボタスピアーズの立川理道選手


■前座試合の様子


(神奈川県協会広報 勝又 修)

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