ファーストステージ・第4節 マッチサマリー(豊田自動織機 21-31 神戸製鋼)
豊田自動織機シャトルズ 21-31 神戸製鋼コベルコスティーラーズ ファーストステージ・第4節 プールA 本格的な秋シーズンを感じる快晴の中、3シーズンぶりの開催となったウェーブスタジアム刈谷において、好調を保ちプールAを牽引する神戸製鋼コベルコスティーラーズと、昇格後惜敗が続く豊田自動織機シャトルズの試合が行われた。 直後の3分、フリーキック、ペナルティキックを得て敵陣に攻め込んだ神戸製鋼が相手陣内右ラインアウトから前進、ラックからバックスに展開、CTBクレイグ・ウィングが中央にトライ、ゴールも決まり7-0と先制した。 トライの応酬を感じさせる雰囲気の中、今度は神戸製鋼が相手陣22mライン付近のラックからオープンに展開、WTB中濱寛造がゴール左隅にトライ、ゴールも決まり14-14と振り出しに戻した。26分には、神戸製鋼が相手陣5mライン中央スクラムからわずかな隙をついて、再びWTB中濱がトライ(21-14)。さらに38分、神戸製鋼は相手陣ゴール前ラインアウトのモールで前進、フォワードのサイドアタックからLOアンドリース・ベッカーが持ち込みトライ、ゴールも成功し28-14と突き放し前半を終えた。 肌寒さを感じる後半、試合は双方大きなゲインを得るものの、細かなハンドリングエラー、ブレイクダウンやキックのミスで膠着状態が続いた。特にゲイン後の攻撃継続の際、その後の防御のカバーディフェンスが素早く、攻撃側のボールコントロールの精度がやや低下する場面が間々見られた。 しかし、その後も前半の攻防とは一変し、双方の組織防御によりスコアが動かないまま試合が進んだ。豊田自動織機は選手入替を行い必死の反撃に転じるも、前半から続く細かなミスと精度の高い神戸製鋼の防御にチャンスの芽を摘まれてしまった。それでもあきらめない豊田自動織機は中盤より攻撃を継続し、フォワード・バックス一体となった攻撃で、最後はFBジェラードがゴール左隅に意地のトライを挙げるが、試合は31-21、神戸製鋼の勝利で終了した。 ● 記者会見ダイジェスト ●
豊田自動織機シャトルズ 田村誠監督(左)、梅田紘一ゲームキャプテン 田村誠監督 「地元で多くの観客の方に来てもらうことができ、さらに神戸製鋼というチームと試合ができてよかった。結果は出せなかったが、よく集中できたゲームだった」 梅田紘一ゲームキャプテン 「勝つことができず、残念。多くの応援の中で、みんなよく体を張ってプレーしたが結果が出せず、残念」 ──後半、トライ寸前までいったが取り切れなかった原因は? 梅田ゲームキャプテン 「細かいコミュニケーション不足」 田村監督 「相手のディフェンスがよかったことと、前半のチャンスで取り切れなかったこと。そして、集中力の差。さらには、トップリーグで長く戦っているチームとそうではないチームとの差」 ──最後の最後まで粘れたことは、大きな成長? 田村監督 「最後の20分間に集中しようという気持ちが強く出てきたことと地元の声援によるものが大きい。トップリーグを戦いながら、経験値が増えてきているのは間違いない」 ──ラインブレイクが何回もあったのは、かなり力をつけてきたことの表れとみていい? 田村監督 「ラインアウトやスクラムといったセットプレーも安定してきており、成長を実感している」 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 苑田右二ヘッドコーチ(左)、正面健司ゲームキャプテン 苑田右二ヘッドコーチ 「今シーズン愛知での初試合だったが、特に最初と最後の20分間で相手を上回ろうという気持ちで臨んだ。その結果、勝ち点5をとれたのは非常に大きい」 正面健司ゲームキャプテン 「試合の入りをよくしようと意識したが、取った後にすぐ取られてしまったことが、反省として残る。後半にディフェンスが増えてしまったところを、今後修正していきたい」 ──後半防戦一方となったのに、トライを1つしか取られなかった要因は? 正面ゲームキャプテン 「相手のミスと一人一人のディフェンス」 苑田ヘッドコーチ 「外国人のボールキャリア3名を抑えることと、空いているスペースを埋めようという意思統一をハーフタイムにしたことが大きい。これが結果的にペナルティゴールの3点につながったと思う。 ──ジャック・フーリー選手の欠場はアクシデント? 苑田ヘッドコーチ 「足のコンディションが少し悪く、来週に備えさせた」 ──選手入替が早かった理由は? 苑田ヘッドコーチ 「ラインアウトに不安点があったから。前半に(トライを)4つ取れたのは大きかったし、相手へのプレッシャーがよかったことは評価できる」 ──チーム全体の力がついてきた? 苑田ヘッドコーチ 「チーム全体で修正ができるようになってきたし、チーム内での競争が激しくなってきた。全体的に底上げができている」 ──チームがタフになってきた? 苑田ヘッドコーチ 「春からのハードワークの賜物で、タフになってきたと思う」 ──今後の対戦相手に向けての修正点は? 苑田ヘッドコーチ 「ラインアウト。1対1のディフェンス。組織ディフェンス。後半の戦い方の修正」 ──これからは追われる立場になるが? 苑田ヘッドコーチ 「1戦1戦戦うための準備を積み重ねることしか考えていない。順位は特に気にせずにやっている。1戦1戦積み重ね、最終的に目標を達成していればいい」 マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ、前川鐘平選手
(早坂一成・大林直之) |