ファーストステージ・第5節 マッチサマリー(九州電力 15-28 NEC)

九州電力
キューデンヴォルテクス
九州電力キューデンヴォルテクス
15 合計 28
0 前半 20
15 後半 8
0 勝点 5
0 総勝点 20
NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ
前半23分NECが攻め込む
ハイパントからの空中戦

九州電力キューデンヴォルテクス 15-28 NECグリーンロケッツ

ファーストステージ・第5節 プールA
2013年10月5日(土)13:00キックオフ/愛媛・ニンジニアスタジアム(愛媛県総合運動公園陸上競技場)

第3節で昨年の覇者サントリーサンゴリアスに勝利したNECグリーンロケッツと、ここまで勝ち星のない九州電力キューデンヴォルテクスの対戦は、チームの調子がそのまま出たような立ち上がりだった。

前半3分、NECが敵陣22mライン付近ラインアウトからフェーズを重ね、左LO小野寺優太が先制のトライ。7分にSOウェブ将武がペナルティゴールを決めた後も、15分には左WTB釜池真道が、25分にはCTB田村優がトライを奪いリードを広げた。その基点はいずれもラインアウトだ。スクラムでもNECがプレッシャーをかけ、セットピースでの勝負はNECが上回っていた前半だった。九州電力も攻めはするのだが、NECのぶ厚いディフェンスを破ることができず、NEC 20-0 九電でハーフタイムを迎えた。

後半もこのままNECの一方的なゲームになるのではと思わせるような前半の内容だったが、ラグビーはわからない。10分間のハーフタイムで気持ちをリセットした九州電力が、後半キックオフから攻勢に転じた。この日、ゲームが行われた松山は、台風23号から延びる雨雲の影響で朝から雨。しかもキックオフ直前にはその雨脚も強まり、20点のリードと天候がNECの心に隙と油断を生んだのかもしれない。

後半、元気を取り戻した九電は、6分に左WTB吉田克也がトライを奪い反撃に転じる(G失敗、5-20)。しかし11分にはNECの左WTB釜池が2本目のトライ(G失敗)を奪い、NEC 25-5 九電と再びリードを広げられるも、九電の反撃ののろしは消えることなく、28分には左PR池田圭治が、終了直前にはNo8マシュー・ルアマヌがトライを奪い、15-28と追い上げた。しかし、時すでに遅し。結果的にはNECがパワーの優位を活かし、危なげなく勝利したゲームだった。

マン・オブ・ザ・マッチはNECのSH櫻井朋広選手。悪天候に関わらず球をさばき続けたプレーと、献身的なタックルが評価されたものだ。

愛媛では2季ぶりの開催となったトップリーグ。あいにくの雨天だったが、愛媛のラグビーファンが“生”のトップリーグを楽しんだ一日だった。

ラインアウトでの競り合い
試合終了直前の九電ルアマヌのトライ

● 記者会見ダイジェスト ●

九州電力キューデンヴォルテクス


平田輝志監督(左)、齊藤玄樹ゲームキャプテン

平田輝志監督

「前半をもっとうまく戦うことができたら、違った結果もあったのではないかと、少し残念に思う。しかし、ハーフタイムで立て直すことができたのは今後につながると考えている。後半の40分はいい時間を過ごすことができた」

齊藤玄樹ゲームキャプテン

「雨の試合だったので、多少のミスが出ることは予想していたが、前半はセットプレーで劣っていた。後半はラインアウトを減らすようにゲームプランを変えたことが、いい方向につながったと思う」

──あと一歩というところで、トライを取りきれなかったように思うが?

平田監督

「前半は、ディフェンスを意識しろと指示していたのだが、その意識が強すぎたのかもしれない。アタックとディフェンスのバランスがうまく取れていなかったことが、いざアタックとなったときにミスが生じてしまった原因ではないかと思う。今後の試合では、アタックとディフェンスのバランスが大事だと考えている」

NECグリーンロケッツ


グレッグ・クーパー ヘッドコーチ(左)、浅野良太キャプテン

グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「難しいコンディションでのゲームだった。前半はいいゲームをできたが、後半はセットピースで苦戦してしまった。前半40分のプレーを80分間続けることができるようにしていきたい」

浅野良太キャプテン

「まずは、雨の中にもかかわらず、観戦に来てくださった大勢のファンの皆さんに感謝する。しかしゲームは前半と後半で違うラグビーをしてしまった。自分たちの気持ち、プレーの精度を80分間続けることができてこそ、本当に強いチームと言えると思う」

──これで4連勝だが、チームの調子は?

クーパー ヘッドコーチ

「全体的にはまずまず。しかし潜在能力の全てを発揮できている訳ではない。試合を重ねてレベルアップしていきたい」

──愛媛のファン、グラウンドはどうだったか?

浅野キャプテン

「雨の中でこれだけのお客さんにきていただいたので、日本のスタンダードとなるプレーを見せる義務があると思いながら戦った。前座の女子ラグビーの選手やエスコートキッズが夢を持つきっかけとなるゲームとなったのであればうれしい。芝生の状態は素晴らしかった。グラウンドキーパー、県協会の方々に感謝したい」

マン・オブ・ザ・マッチに輝いたNEC櫻井選手

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