ファーストステージ・第5節 マッチサマリー(NTTドコモ 17-28 NTTコミュニケーションズ)
NTTドコモレッドハリケーンズ 17-28 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス ファーストステージ・第5節 プールA トップリーグ1stステージともに2勝2敗で、それぞれ4位、5位につける両チーム、ここで是非とも勝利を挙げて2ndステージ上位グループ進出の足場を固めたいところ。地元のNTTドコモは怪我から復帰したミルズ・ムリアイナもリザーブに入り、ハインリッヒ・ブルソー、リアン・フィルヨーンとスーパーラグビーの布陣。一方のNTTコムは、ジェイソン・イートン、アレサナ・ツイランギという看板を欠く。NTTグループ同志のいわばICTダービー、試合は、4000人を超える観客の見守る中、NTTコムのキックオフで開始された。 試合開始直後は、両チームともに定石通りキックでエリア・マネージメントを図る展開。しかし、ブレイクダウンで激しいファイトを見せるNTTコムが次第に攻勢に立つようになり、一方のNTTドコモは、受けに回ってミスや反則が多く自分達のペースを掴むことが出来ない。そして10分、相手ボールを奪ったNTTコムが左に展開しFBブラッキン・カラウリアヘンリーに繋ぎトライ、Gも決まって0-7と先制する。この後も攻撃の手を緩めないNTTコムは、ウォーターブレイクを挟んで27分にSH鶴田諒、33分にCTB山下大悟と立て続けにトライを重ね0-21と差を拡げる。これに対してNTTドコモはようやく38分にラインアウトモールからサイドをFLブルソーが衝き1トライを返し、21-5と後半にのぞみを繋いだ。 後半に入って先行したのもやはりNTTTコム。11分、ハーフウェイ付近のラインアウトからSH鶴田が抜け出しインゴールへ独走、ゴールも成功し5-28とし、この時点でボーナスポイントを獲得する。しかし、ウォーターブレイク後の試合終盤に入るとNTTコムが暑さに疲れたのかディフェンス機能を失い出し、NTTドコモBKがブレイクし始める。そして31分、ゴールライン直前のラックから左展開、WTBパエアミフィポセチが飛び込み10-28。36分にはNO8箕内拓郎が執念を見せてトライ、17-28と追撃するがここまで。結局ICTダービーはNTTコムが勝利を収めた。 前半のNTTTコムFWのファイトが勝利を呼び込んだ一戦であり、マン・オブ・ザ・マッチはそのFWの中心となって活躍したNTTコムFL小林訓也が受賞した。 ● 記者会見ダイジェスト ●
NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博ヘッドコーチ(左)、吉岡宏樹キャプテン 下沖正博ヘッドコーチ 「今季大阪で2ゲーム目でしたが、多くのファンや会社関係の皆様にご来場いただき、ありがたいことでした。ゲームについては、前半から反則が多く、リズムに乗りきれなかったです。(ラスト10分のプレーを観ると)勝ち切れず残念でした」 吉岡宏樹キャプテン 「開幕2連勝後、2連敗で迎えた5戦目、しっかり自分たちの流れに戻したかったのですが、勝ち切れませんでした。しかしチームは上り調子なので、次節へ向けてしっかり準備したいです」 ──終盤の追い上げについて。 下沖ヘッドコーチ 「フレッシュな交替プレーヤーの積極的な動きでテンポアップできました。(NTTコムの)ブレイクダウンでのプレッシャーが弱くなったことも要因です。それだけ前半NTTコムのブレイクダウンに厳しさがあったということです」 ──敗因は? 下沖ヘッドコーチ 「セットプレーの不安定さですが、連敗時(神戸製鋼、NEC戦)より改善できつつあります」 ──SHの評価について。 下沖ヘッドコーチ 「先発の茂木大輔はFWを良くリードしましたが、BKとの連携役という意味では巧くいかなかったです。秦一平については、終盤アグレッシブに動けるプレーヤーとして、NTTコムのプレッシャーが弱くなった点を巧みに突いていました」 ──修正点は? 下沖ヘッドコーチ 「セットプレー、特にラインアウト。次節まで2週間あるのでNTTドコモのゲームプラン通りの動きができるよう立て直せると思います」 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 林雅人監督(右)、友井川拓キャプテン 林雅人監督 「1stステージでのTOP4に残るためには負けられないゲーム。最大獲得ポイント5を目指していたが、果たせて良かったです。最後の10分はNTTドコモの勢いに飲まれかけたが、基本通りにプレーできたのが勝因です」 友井川拓キャプテン 「多くのファンの皆様にご来場いただき、プレーできたことは幸せです。今日のゲームはFWが積極的に前へ出られたことが勝因。最後まで息の抜けないゲームでしたが、5ポイント獲れたことで報われました」 ──先週のゲームは決勝のつもりで臨め、と檄を飛ばしたが? 林監督 「モチベーションを高めるためとはいえ、難しいです。(苦笑)身体を張って悔い無きプレーを、と鼓舞しましたがその通りのプレーを体現してくれました。今週も前週に引き続き、ジャージ渡しの儀式を行い、ゲームに臨みました。なにせ、ずっと崖っぷちのようなもので。(苦笑)」 ──最初のPG以外は攻め続けたが? 友井川キャプテン 「キッカーの君島(良夫)と相談しながら、且つ相手が嫌がるプレーの選択を続けた結果です」 ──最後10分の劣勢について。 友井川キャプテン 「足が止まってしまいました。軽いプレーも多く、リアクションも遅かったです」 ──ゲーム前半は想定通りだった? 林監督 「前半はプラン通りというより、NTTドコモのミスが多かったのではないでしょうか。(後半NTTドコモの猛追については)意を決すれば、それなりの攻めはできます。こちらも普通にディフェンスしていたつもりですが、勢いに飲まれていました。アタックに比べディフェンスは同じ運動量でも疲労度は増すものです」 マン・オブ・ザ・マッチはNTTコミュニケーションズシャイニングアークス、FL小林訓也選手
(記事:村島博 写真:柳元啓志 広報担当:村島博) (この他の写真については、関西協会ウェブサイトでご覧いただけます) |