ファーストステージ・第7節 マッチサマリー(キヤノン 28-18 ヤマハ発動機)

キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス
28 合計 18
14 前半 11
14 後半 7
5 勝点 0
20 総勝点 25
ヤマハ発動機
ジュビロ
ヤマハ発動機ジュビロ

キヤノンイーグルス 28-18 ヤマハ発動機ジュビロ

ファーストステージ・第7節 プールB
2013年10月26日(土)12:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

ファーストステージ第7節。現在、プールB第4位のキヤノンと、すでにセカンドステージの上位グループAへの進出を決めているヤマハ発動機の対戦である。キヤノンにとっては、上位グループに進むためには絶対に負けられない一戦である。

勝負はノーサイド直前に決まった。
後半39分。キヤノンがヤマハ発動機の連続攻撃を必死のディフェンスでしのぐ。キヤノン、ヤマハ発動機のミスに素早く反応。FL6植松がこぼれ球を拾いゴールを目指し、サポートしていたWTB11原田にパス。原田が俊足を生かしトライ。勝負を決めた。ゴールも決まり28対18でキヤノンがヤマハ発動機を下した。

12時ちょうどにキヤノンのキック・オフで開始。
開始早々は両チームとも、キックを中心に攻撃を仕掛けるが、お互いのディフェンスがよく、どちらもリズムに乗りきれない。
最初のチャンスをものにしたのはキヤノン。
ヤマハ発動機陣内の22メートルライン上ほぼ中央でのスクラム。8-9のサイド攻撃を仕掛けラックにする。2次、3次のサイド攻撃から、ゴール前でPR1菅原が抜けだしトライ。ゴールも決まり、7点を先行する。ヤマハ発動機FW周辺を切り崩したトライであった。
ヤマハ発動機も直ぐに反撃。10分。キヤノンのキックをカウンター攻撃。グラウンドを右に左に大きく使い、FW、BKが一体となる攻撃を繰り返す。6度の連続攻撃からSO10大田尾がトライ。7対5とする。

その後もヤマハ発動機は、FWが縦に突破後、ラックからボールを細かくつなぎ再三キヤノンディフェンスを切り裂くが、キヤノンの執拗なディフェンスに阻まれる。逆にキヤノンは、ヤマハ発動機が連続攻撃から展開したボールを、CTB13ベネットがインターセプト。そのままゴール中央にトライ。ゴールも決まり14対5と差を広げる。開始から15分でヤマハ発動機から2トライを奪う。
ヤマハ発動機も20分にペナルティーゴールを決め14対8と追い上げる。さらにグラウンドを広く使い、キック、パスを織り交ぜて連続攻撃を繰り返すが、キヤノンは必至のディフェンスでヤマハ発動機の攻撃を阻止する。
35分。ヤマハ発動機は自陣10メートルでのスクラムから左に展開、WTB14の田中がライン参加、大きくゲイン。ラックから連続攻撃。キヤノンがたまらずオフサイド。FB15五郎丸がこれを決め14対11とする。

前半を終了して、僅差で、キヤノンがヤマハ発動機をリード。セットプレイや組織プレイではヤマハ発動機が優位に試合を進めているが、キヤノンはFWの頑張りと、意思統一されたディフェンスでヤマハ発動機と互角に戦っている。
後半、先に点を取ったのもキヤノン。12分。フリーキックからヤマハ発動機陣内22メートルライン付近にハイパント。このボールを確保しFW、BKによる連続攻撃。SO 10ブルースがヤマハ発動機ゴール前にキック。これをCTB13ベネットが押さえ、この日2本目のトライ。ゴールも決まり21対11とする。

ヤマハ発動機は20分に、キヤノンゴール前でペナルティーを得る。ここでスクラムを選択。キヤノンFWがよく頑張りスクラムトライを許さない。ヤマハ発動機は右のサイドアタックから左に展開、ラックから再び右に攻めCTB 12サウがトライ。ゴールも決まり21対18と3点差とする。
その後もヤマハ発動機は再三キヤノンゴール前に迫るが、ラインアウトでのキャッチミスや、肝心なところでノックオンをするなどリズムに乗れない。キヤノンも積極的にボールを展開し、ヤマハ発動機陣内に攻め入るが、ヤマハ発動機の防御の前に追加点をあげられず、お互いに一歩も引かない。
勝敗はノーサイド直前に決した。前述の39分にキヤノンのトライでゲームが終了。キヤノンは、最後のトライで4トライを奪い5ポイントをあげる。ヤマハ発動機は今季初黒星となった。

キヤノンは持てる力をすべて出し切った試合であった。最後まで、全員が、勝つという気持ちにあふれており、ピンチの時の意識も素晴らしく、戻りも早く、ヤマハ発動機の意図した攻撃をさせなかった。攻撃では、ラック周辺を攻めヤマハ発動機の防御をきり崩していた。
ヤマハ発動機は、スクラムなどセットプレイは優位に立っていたが、自分たちが意図した試合運びができなかった。特に、ゴール前22メートルに入ってからのノックオンやラインアウトでのミスが痛かった。


● 記者会見ダイジェスト ●

ヤマハ発動機ジュビロ


清宮克幸監督(右)、大田尾竜彦ゲームキャプテン

清宮克幸監督

「最後の10分はキヤノンのほうが勝つための執念で勝っていました。キヤノンに教えてもらうものが大きい試合でした。これをセカンドステージの試合に生かしていきたい」

──セットプレーでは優位だったが、ゲームプランについては? また、ハーフタイムでの指示は?

「まず、雨の天候。ヤマハ発動機の形が出せませんでした。ゲームプランを掲げて試合に臨みましたが、一つのことしかできませんでした。勝負どころでミスがなければトライできていた場面がいくつかありました。その場その場での判断の対応力が足らなかったと思います」

──ファーストステージ7試合が終了したが、その総括は?

「新しいヤマハ発動機のスタイルを構築してプレーしましたが、全体としてはうまくいったことが多かったと思います。今日はキヤノンの執念に負けてしまいましたが、軸をぶらさずにセカンドステージに臨みたいと思います」

──セカンドステージへの課題とそれへの準備は?

「5人のメンバーが日本代表に選ばれ、またけが人もいるので、代替メンバーでのコンディション調整を課題としたいと思います」

──セカンドステージ以降でのタイトル獲得への手ごたえは?

「自信を持って選手がプレーできれば結果はついてくると思います。自信を持って次に進むことが大事です」

大田尾竜彦ゲームキャプテン

「今日の試合では後半の勝負どころでやりたかったプレーができませんでした。しかし、ファーストステージ全体ではチームとしてステップアップできたと思います。今日の試合の反省点を修正すべきいい材料としてセカンドステージに臨みたいと思います」

──キヤノンと80分間戦い、キヤノンの執念をどう感じたか? また、セカンドステージに向けてのチームの課題は?

「キヤノンはピンチの場面でのプレーヤーの戻りがすごく早かったです。このあたりにキヤノンの執念を感じました。セカンドステージではメンタルコンディションを整え、波をなくすことを課題としたいと思います」


キヤノンイーグルス


永友洋司監督(右)、和田拓キャプテン

永友洋司監督

「ありがとうございました。勝ち点5をとったこと、選手に感謝します。セカンドステージ、グループAへの進出については今日の他会場での試合結果待ちですが、今日の試合は選手が頑張ってくれたことに尽きると思います」

──FWの近場、ゼロチャンネルで攻めることが多かったが、その理由は? また、試合前の準備は?

「雨の天候、グラウンドコンディションから考えて、シンプルに攻めていこうと思い、FWの近場を攻めました。前節のb試合が九州での日曜日の試合で、今日の試合が土曜日なので、移動日などを考えると、実質一日しか練習できず、新しいことは何もできず、今までの積み重ねだけで、今日の試合に臨みました」

──ファーストステージ全体を振り返ってのコメントは?

「これまで格上のチームとの対戦では、選手は『この試合だから』と精神を高めていましたが、これが毎試合同じルーティンでできるようになりました。選手のメンタルの強さと落ち着きがよくなったと思います。また、今日の試合では、FWの成長が見られ、リザーブだったものが試合でしっかり役割を果たし、スクラムトライをさせなかったことは良かったと思います」

──他試合会場の結果次第だが、セカンドステージの上位グループに入れた場合の戦い方は?(その後、他試合会場でのクボタの試合結果により、キヤノンのセカンドステージ グループAが確定した)

「1戦1戦勝ち続けられるようなチームにできるようにしっかり準備していきたいと思います」

和田拓キャプテン

「チャレンジするしかない立場で、選手たちが最後まで4トライをとるという統一した気持ちでプレーすることができました。今日は、できることは全部やりました。しかし、まだまだ課題も多くあり、次のステージでこれらの課題を修正してしっかりやっていきたいと思います」

──ヤマハ発動機のキャプテンも今日のキヤノンはピンチへの反応がよかったとコメントしていたが?

「今日はよくできたと思いますが、こういう試合が毎試合できるかどうかが課題だと思います」





マン・オブ・ザ・マッチはキヤノンイーグルス、菅原崇聖選手

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