セカンドステージ・第1節 グループA マッチサマリー(NEC 19-22 キヤノン)

NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ
19 合計 22
10 前半 14
9 後半 8
1 勝点 4
4 総勝点 5
キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス

NECグリーンロケッツ 19-22 キヤノンイーグルス

セカンドステージ・第1節 グループA
2013年11月30日(土)12:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)

いつもの熊谷らしくない、風もほとんど無く穏やかな陽気。セカンドステージのスタートに、これ以上無いコンディションの中での対戦となった。

ファーストステージではプールA2位のNECグリーンロケッツ、プールB4位のキヤノンイーグルス。
今季初顔合わせとなった両チームの熱い戦いは、キヤノンSOカラム・ブルースのキックオフで始まった。

先制したのはキヤノン。
前半6分、NEC陣内中央付近、キヤノンボールのスクラムから、キヤノンNo.8ジョシュア・マウが左サイドを突き、その後左オープンへ展開、タッチライン際をWTB原田季郎がゴール前でのNECのFB大東功一のタックルを振り切って左隅にトライを奪う。
CTB三友良平のゴールも見事に決まり0-7。
ゲームは伯仲するものの、共に(前半は特にNECが)ラインアウトの精度が低く、チャンスを掴みきれず。

その後もキヤノンは、前半20分にNECラインアウトからの密集からLO鷹クロフォードアストンが相手ボールを奪い、PR菅原崇聖がサイドを突破。ラックからキヤノンSH福居武がパスダミーで裏に出て大きくゲインし、一度ラックを作ってからテンポ良くパスアウトし、左オープン攻撃から、最後はFB和田拓が左タッチ際からインゴール内を回り込み、左中間にトライを奪う。
CTB三友のゴールも成功し、0-14と差を広げた。

NECが得点を挙げたのは前半28分。
キックオフからのモールで、キヤノンSOブルースがタッチキックを狙うがタッチに出ず、その後からNECの連続攻撃が始まる。
NECのフェーズを重ねる攻撃にも、キヤノンは必死のディフェンスで耐え凌ぐ。
しかし、キヤノンはブレイクダウンの局面で反則を繰り返し、ゴール前に釘付け状態となる。
NECはPGで得点を挙げるチャンスはあったが、あえてPGを狙わず。
最後は、ペナルティーからNEC NO.8土佐誠が速攻でボールを前進させ、SH櫻井朋広-SOウェブ将武-CTB森田洋介と渡り、ゴールポスト右側へトライ。
SOウェブのゴール成功で7-14と反撃。

前半34分には、ラックでNEC、SH櫻井がパスアウトしようとした際に、ラックにいたキヤノンFB和田の足が上がり転倒。和田はシンビンで10分間の退場となった。
その後、前半最後のプレーでペナルティーを得たNECは、SOウェブのPGを成功させ、10-14で前半を終了した。

後半最初の得点はキヤノン。
後半5分、NEC陣内左中間30M付近でのNECのノットロールアウェイをキヤノンCTB三友が正確にPGを決め、10-17となる。
後半15分、NECがキヤノンFLアダム・トムソンのオフサイドでNEC、SOウェブがPGを返し13-17と迫るが、キヤノンは後半19分、NECが右オープン攻撃で22ネマニ・ナドロがファンブルしたボールに、キヤノンWTB原田が素早く反応し、NEC陣左中間で5Mスクラムのチャンスを得る。
このチャンスを活かしきり、右展開から最後はキヤノンSH福居→CTB三友と渡り最後はWTBハビリロッキーがトライを奪う。CTB三友のゴールは入らず13-22。

その後、NECはキヤノン陣内で勝負を仕掛けるがラストパスが乱れ、チャンスを活かしきれなかった。一方のキヤノンも後半26分に、この日2人目となるシンビンを出し、防戦一方となる。

後半26分、32分にNECもペナルティーを返すが僅かに得点及ばず、19-22でキヤノンが勝利した。

双方共に、それぞれの持ち味を出していたと思うが、NECはラインアウトとハンドリングのミスが勝敗に響いた感がする。
一方のキヤノンは、シンビンを2人出し、ペナルティーも前半だけで11(合計16)も出したにも関わらず、リードを奪えた事が大きかった。
しかし今後を考えるとこの点を修正していかなければ、これから更に厳しい試合展開が続くであろう。
セカンドステージは始まったばかり、今回の問題点を次節以降に修正できれば、両チームともに上位でのプレーオフ進出も充分狙える力は持っているのではないか。

タイトな試合の中、正確なキックで得点を積み重ねた、キヤノンイーグルスCTB三友良平(地元深谷高校出身)がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
(埼玉県協会 辛島勝広)


● 記者会見ダイジェスト ●

NECグリーンロケッツ


グレッグ・クーパー ヘッドコーチ(左)、浅野良太キャプテン

グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「良い試合をさせてもらえたことにまず感謝の意を表します。結果は思っていたようなパフォーマンスができず残念。とくにラインアウトが機能せずにプレー全体に影響したと思う。ボーナスポイントは取れたので、次のサントリー戦に向けてつなげていきたい。今日のパフォーマンスには満足していないので、もっとハードに練習をしてプレッシャーの中でもしっかり戦えるようにしていきたい」

──キヤノンのディフェンスは突破しづらかったか?

「確かにディフェンスは厳しかったが、フェイズを重ねることによって崩すこともできたし、トライにつなげることもできたと思う」

浅野良太キャプテン

「熊谷まで応援に来ていただいたファンの皆さんに感謝しております。セットプレー、個人のスキルといったところで少しミスが出てしまった。まだ先、6戦あるのでこれから良い準備をして、まず次のサントリーに勝利したい」

──パスが流れてタッチに出てしまうなど、ミスが目立ったが?

「グラウンドを広く使おうというのは間違っていなかったし、スペースもあったのでそこへボールを運んだということだが、最後はスキルの精度の問題だと思う。フィニッシュまで取りきるという部分が甘かった」

──ラインアウトのミスについては?

「相手のプレッシャーもあったが、やはり、個人のスキルを上げていくしかないと思う。今後の課題」

──最後のペナルティーは同点のゴールを狙わなかったが?

「同点で終わるという選択肢はなかった。その前の6点差の場面では正直迷った」


キヤノンイーグルス


永友洋司監督(右)、和田拓キャプテン

永友洋司監督

「本日はありがとうございました。振り返っていかなくてはいけないところはあるが、セカンドステージ、良いスタートが切れたことは、選手の頑張りにつきる。欲を言えばもう1トライとは思うが、相手より多くトライをとって常にリードを保ちながらの試合展開ができた。本当に選手がよく頑張ってくれた」

──きょうのラインアウトの出来は?

「相手のあることなので、100%は難しいとは思うが、ミスをしてはいけないところで出てしまった。スローワーだけではなく、すべての選手が意識を高めていかなくてはいけないと思う。厳しいが、出来としては30点」

──ファーストステージの結果を受けてどんな準備をしてきたのか?

「この一か月、アタックに費やす時間が多かった。ボール保持の時間が長ければよい試合ができているという分析から、これから対戦する強い相手に対してボールポゼッションがますます大事との考えから。それに合わせてエリアマネージメントも、敵陣でいかにボールを持ち続けられるかという練習に時間を費やした。今日の試合の分析はこれからだが、相手よりトライを多くとれているので、良い評価ができると思う」

──キックも多く使っていたが?

「選手の判断でうまくゲームメイクできていたと思う。理想は日本代表が目指しているラグビーなので、キックの使い方、戦術についてもそこに大きなヒントがあった。もちろん、ミスや結果としてスコアに結びつかなかった場面もあったが、そこは次への修正ポイントとなると思う」

和田拓キャプテン

「本当に多くの方が応援に来てくれて、大きな声援に支えられて勝利できたと思う。自分自身シンビンになってしまったが、反則が多く、チームとして反省しなくてはいけないと考えている」

──反則が多くなってしまった理由は?

「タックラーが相手を離していない、あるいは立っていない状態でプレーをしたと説明をしてもらったが、もっとレフリーの声をよく聞いてディシプリンを守っていかなくてはいけなかったと思う」

──最後の時間帯を守りきれたのは?

「そういう時間帯があるということは皆自覚していたし、自分たちはチャレンジャーだと声を掛け合ってディフェンスできたことはとても良かった」









マン・オブ・ザ・マッチはキヤノンイーグルス、三友良平選手




(写真提供(クレジット表記のないもの):埼玉県ラグビーフットボール協会)

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