セカンドステージ・第3節 グループA マッチサマリー(東芝 22-18 NEC)
セカンドステージ・第3節 グループA 後半30分過ぎ、NECグリーンロケッツのWTB釜池真道が右隅に飛び込み逆転かという場面で、東芝ブレイブルーパスFLスティーブン・ベイツがトライセービングタックル。東芝はその後もNECの猛攻をかわし、4点差でセカンドステージ3勝目を飾った。 NECに1PG、1トライ1ゴールを決められリードされた東芝は前半26分、SH小川高廣がラックからオープンサイドにスラロームラン。パスダミーでディフェンスの裏へ出てそのままトライを挙げた。オーストラリア代表SHウィル・ゲニアを彷彿とさせるようなこのプレーを始め、ゴールキックでも勝利に貢献したこの新鋭SHがマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。 32分には左ラインアウトから出たボールを、オープン側にいたWTBクーパ・ブーナがアングルチェンジしてSOの内側へ。SH小川から直接パスを受けてゴールを陥れた。後半9分に得意のラインアウトを起点としたプレーからFLベイツがトライしてからは、NECの追い上げを受けることとなったが、23分に喫したトライで4点差に迫られながらも、ベイツやFB豊島翔平らのタックルに代表される献身的なディフェンスで逃げ切った。 東芝は、終盤4トライ目を狙って敵陣で得たPKでもスクラムを選択する一方、「どこからでもトライを取ってくるNECのWTBネマニ・ナドロを警戒して」(東芝リーチマイケル主将)、リスクマネジメントを徹底、勝利を最優先させた。 一方、離されないようにゲームを進め、終盤にナドロらを投入して一発逆転、というシナリオ通りにはいかなかったNECでは、日本代表CTB田村優がアタックのキー。後半23分の釜池のトライも、田村がSH西田創のパスに真っ直ぐ走り込んで裏に出てのラストパスから。ゴール寸前で東芝ベイツに止められたプレーも、田村のラインブレイクが起点。NECとしてはトライチャンスが幾度かあっただけに惜しい試合。後半21分のPGや、4点差に迫ったトライ後のコンバージョン失敗も痛かった。FL権丈太郎主将は「この4点が東芝との差」と語り、特に後半早々に奪われたトライを悔やんだ。 ● 記者会見ダイジェスト ●
NECグリーンロケッツ グレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、権丈太郎キャプテン グレッグ・クーパー ヘッドコーチ 「選手達のハートのこもったプレーを誇りに思います。右隅にトライできていればよかったのですが(終盤、東芝にゴール寸前で止められたプレー)、東芝のフィジカルな強さにも対抗できました」 権丈太郎キャプテン 「一対一で負けていなかったと思いますが、この4点が東芝との差です。具体的には、ゴール前でのディフェンスの意識が東芝の方が高かったと思います。逆にNECは、後半の初めに簡単にトライされてしまいました」 ──東芝のリスタートキックオフのボールでミスが目立った事について。 権丈キャプテン 「その通りです。クリーンキャッチして、確保しなければいけなかったと思います」 ──SH茂野やNo.8日高を先発させたのは。 クーパー ヘッドコーチ 「SH櫻井が前節で脳振とうを起こしたことやNo.8土佐が練習で負傷したからで、戦略的な理由ではありません」 東芝ブレイブルーパス 和田賢一監督(右)、リーチマイケル キャプテン 和田賢一監督 「NECさんの抵抗で僅差となりましたが、これもラグビーです。我々にはよい経験となりました」 リーチマイケル キャプテン 「多くのサポーターの皆さんに応援頂き、ありがとうございました。今日は大事なエリアでペナルティーを犯したり、マイボールを失ったりしたことが修正点です」 ──終盤得たPKでスクラムを選択したのは? リーチ キャプテン 「アタックしたかった(トライを取りたかった)ので、スクラムを選択しました。(結果、リーチ主将がボールを持ってタッチに出たが・・・)あれはリスクマネジメント。相手にはナドロがいて、どこからでもトライを取ってきますので」 ──終盤を除いてボールキープは東芝の方が長かった。 和田監督 「前半犯したペナルティーの内3つがノットリリースザボールだったと思います。それだけ選手はボールを継続するという意識が強すぎたのかもしれません。でも3フェーズ以上続かなかった」 ──FLベイツとFB豊島の好タックルについて。 和田監督 「いい仕事をしてくれました。でもそこまで攻め込まれてしまっているディフェンスの方が問題です」 ──CTBカフイの起用法について。 和田監督 「ケガ明けなので、まだフル出場は難しいと判断して、リザーブで起用しました。SOヒルもウィンドウマンス中のケガからようやく復帰してきましたし、メンバーは今後のセレクション次第です」 ──SH小川のプレーについて。 和田監督 「小川の活躍は当然(想定内)だと思っています。これからのタイトな試合でどれだけやってくれるかを見たいと思います。吉田(朋)や藤井も黙ってはいないので、やはりセレクションになります」 リーチ キャプテン 「小川はクレバーでスピードがあり、フォワードは走りやすいです」 マン・オブ・ザ・マッチは東芝ブレイブルーパス、小川高廣選手
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