セカンドステージ・第4節 グループB マッチサマリー(クボタ 32-5 コカ・コーラウエスト)

クボタスピアーズ
クボタスピアーズ
32 合計 5
15 前半 0
17 後半 5
5 勝点 0
18 総勝点 12
コカ・コーラウエストレッドスパークス
コカ・コーラウエストレッドスパークス

クボタスピアーズ 32-5 コカ・コーラウエストレッドスパークス

セカンドステージ・第4節 グループB
2013年12月21日(土)12:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

クボタスピアーズのSO立川理道は、日本代表として出場した先月2日のオールブラックス戦で相手CTBベン・スミスのタックルを受けて肩を負傷。その後に控えていた代表の欧州遠征を辞退したが、トップリーグ・セカンドステージ開幕から復帰。「前節までは今一つしっくりきていなかった」(クボタ石倉監督)ようだが、この日はその鬱憤を晴らすかのように軽快なプレーを披露。マン・オブ・ザ・マッチとなった天理時代からの僚友SH井上大介とともにチームの4トライを引き出し、コカ・コーラウエストレッドスパークスに快勝した。

公募により選ばれた“ボールガール"によってフィールド中央に運ばれたボールを、立川がドロップキックして始まった試合は、早くも4分にBKのスピードに乗った攻撃でクボタが先制する。スクラムから出たボールをインサイドCTBカトニ・オツコロとのシザーズからゲインライン付近でラックをセットアップ。そこからのボールを浅い位置で受けた立川は、長いカットパスでライン参加したFBサム・ノートンナイトを走らせる。最後はWTB伊藤からのリターンパスを受けたCTBセイララ・マプスアがトライした。コカ・コーラウエストCTBエリオタ・サポルに大きくゲインされても、立川が追いかけてタックル、ノックオンを誘うなどディフェンスでも井上とともに奮闘した。

前半もう1トライを加えたクボタの、後半最初のトライは7分。ゴール前で得たFKで外に離れて立っていた立川のコールに反応した井上が、すかさずショートキックしてロングパス。立川の内側へ走り込んだノートンナイトが、立川からワンタッチのパスを受けて抜けたもの。続く14分には、スクラムから開いてボールをもらった井上から立川へ。立川は内側へのパスダミーでディフェンスを突破してオツコロへ繋ぎ4トライ目。その後は手堅く立川のロングPGで試合をまとめ、コカ・コーラウエストを引き離した。

勝ったクボタのHO荻原要ゲームキャプテンは、「昨年末もコカ・コーラウエストとの試合だった。今年も最後に対戦し、よい試合で今年を締めくくることができた」と喜びの表情。一方敗れたコカ・コーラウエストの山口監督は言葉少なに、「完敗。大きなクボタのFWに対抗しようとしたが、ボール争奪戦でも劣勢だった。まだ3試合ある」と話し、セットプレーで安定を欠いたことを敗因の一つに挙げた。バックスではゲームブレーカーCTBサポルが時にラインブレイクするが、サポートが遅く孤立した。唯一のトライは、左サイドの混戦から出たボールを、SO山田が右サイドにいた途中出場WTB江藤へフィールド横断のキックパス。間一髪間に合わなかったクボタのディフェンスを振り切り右隅にあげたもの。「ファーストステージで失点が多かった」(同監督)チームの課題は、そのまま残ってしまった。
(米田太郎)


● 記者会見ダイジェスト ●

コカ・コーラウエストレッドスパークス


山口智史監督(右)、豊田将万キャプテン

山口智史監督

「お疲れ様です。今季2回目の戦いで、今回はうちがフィジカルで力不足で、FW戦で後手を踏んだのがこの点差になった要因かと思います。あと3試合ありますので、次に向かって切り替えて頑張りたいと思います」

──流れが止められなかったが?

「ファーストステージでは、自分たちのタックルが全チームの中で一番悪く、点数を一番取られました。修正してリコー戦もNTTコム戦も改善できたのですが、先週の豊田自動織機戦と今日のクボタ戦ではうまく行きませんでした。先週は4回5mラインに入られて、4回ともトライを獲られました。結果、追いつけなかった試合でした。今日はそこまでは獲られませんでしたが、全く攻め手がなく、完敗です。セットピースでFWが仕事できなかったのがこの点差になりました」

豊田将万キャプテン

「こんにちは。今日の試合は大きいクボタさんにフィジカルで真っ向勝負と臨みました。ゲインラインを切って行こうと準備してきましたが、クボタさんの分厚いディフェンスを破れず、逆にクボタさんのアタックのプレッシャーを受け、ゲームを支配されました。年明けに3試合ありますので、今日のゲームの反省を生かしていこうと思います」


クボタスピアーズ


試合後の石倉俊二監督(右)、荻原要ゲームキャプテン

石倉俊二監督

「まず、協会や関係者の皆様にお礼申し上げます。試合結果として、こういう形で4トライ以上獲れて非常に満足しています。先週、先々週と内容はよくなく、先週は負けたことで、気持ちを強く持とうと1週間やってきました。選手が、キックオフから相手を倒す激しい闘志で試合してくれた結果です」

──立川選手の成長ぶりは?

「CTBとSOで日本代表と同じように、両方で良い仕事をしてくれています。SOではゲームをコントロールし、CTBではよく走ってチャンスを作ってくれています。去年よりレベルアップしたと思います。セカンドステージでは本人もイマイチでしたが、今日の試合ではキックを含めて良かったと思います。ドロップゴールは惜しかったですね」

──クイックスタートからトライを獲ったが?

「確実に真ん中なら狙うが、チャレンジするところはしようと言ってきましたが、今日は良いクイックで獲ってくれました」

荻原要ゲームキャプテン

「本日はありがとうございます。NTTコムさんとの試合ではアグレッシブさに欠けていたので、前面に出そうと言って臨みました。コカ・コーラさんとは1月にトップチャレンジで試合し、今年最後の試合もコカ・コーラさんで、運命的なものを感じました。2013年を勝てて終わるのは成長できた証だと思います。来年も厳しい試合が続きますので、頑張って準備していきたいと思います」

──もっと点を取っておきたいところだったのでは?

「やはり、相手があることですから、うまく行く部分とそうでない部分があります。今日も獲れるところでミスがありました。修正が来年への課題です。今日は、まず、常にリードすることを念頭に置いていました。常に確実に点を取るという考えでした。今日に関してはディフェンスがしっかりできていて、怖さはなかったです」

──良かった選手は?

「全員です。『一人一人が激しく仕事を』をテーマに掲げています。今日はBK、FWかかわらず、良くやってくれたと思います」

──クイックスタートの場面は?

「立川と井上のコミュニケーションの成果です。外が空いていたので、立川が井上を呼んでキックパスしました。相手もショットもスクラムもあるので、結構、ボールに寄っていましたね」

(記者会見後にお二人で立って、「今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします」と挨拶されたのが印象的でした)






マン・オブ・ザ・マッチはクボタスピアーズ、井上大介選手

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