セカンドステージ・第5節 グループA マッチサマリー(NEC 17-33 神戸製鋼)

NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ
17 合計 33
10 前半 12
7 後半 21
0 勝点 5
6 総勝点 17
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
神戸製鋼コベルコスティーラーズ

NECグリーンロケッツ 17-33 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

セカンドステージ・第5節 グループA
2014年1月4日(土)14:20キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

2ndステージに入って勝ち星のないNECに対して、神戸製鋼は2連敗の後2連勝と勢いを取り戻しつつある。
両者は1stステージの開幕節で対戦し、28-26で神戸製鋼が競り勝っているが、今回はNECが田村優、神戸製鋼は正面健司と、ここまでは別のポジションで起用してきた攻撃的SOを指令塔に据えての再戦となった。
共に上位進出のためには、4トライ以上を奪っての勝利がほしいだけに、いつも以上にアタック面を重視したプレーが期待された。

神戸製鋼のキックオフで試合開始。
先制したのはNEC。開始直後に得たペナルティーゴールが不成功となり先制を逃すも前半9分、神戸製鋼陣40m付近で得たペナルティーゴールをFBウェブ将武が成功させ3-0とする。

反則が多く、なかなか調子がつかめなかった神戸製鋼は15分、NEC陣ゴール前のラックから右に展開、SO正面健司の相手ディフェンスの間を突くグラバーキックから、CTBクレイグ・ウィングがファインキャッチしゴールポスト下にトライ、ゴールも成功し3-7と逆転。

NECも22分、神戸製鋼陣22m中央付近のラックから右に展開。SO田村優が相手ディフェンスをズラして、パスを受けたWTB釜池真道が右中間付近にトライ、ゴールも成功し10-7と再逆転する。しかし35分、神戸製鋼がNEC陣10m付近のラックから右に展開、10⇒7⇒8とパスが繋がり、最後はWTB今村雄太が右中間付近にトライ(ゴール失敗)。
10-12で前半を終える。

後半、NECのキックオフで試合再開。
追加点は神戸製鋼、10分、NEC陣G前ラックから右に展開。最後はFL橋本大輝主将がラック右サイドを突き破りトライ、ゴールも成功し10-19と一歩リードする。
続く24分、NEC陣22m中央付近のラックから右に展開、SO正面健司からリターンパスを受け、内を突いたCTBジャック・フーリーが相手ディフェンスを交わしゴールポスト下にトライ。ゴールも成功し、10-26と差を広げる。

負けられないNECも31分、神戸製鋼のパスを後半途中出場のWTBネマニ・ナドロがインターセプト。自陣10m付近から独走しゴールポスト下にトライ、ゴールも成功し17-26と詰め寄る。

しかし37分、神戸製鋼はNEC陣ゴール前のパスミスをCTB今村雄太がファインキャッチしゴールポスト下にダメ押しのトライ。ゴールも成功し17-33と点差を広げタイムアップ。

この結果、神戸製鋼はボーナスポイントを含む勝点5を加え総勝点17とし、グループA4位に浮上。プレーオフトーナメント進出に一歩近づくも、残り2戦は上位チームとの対戦となり負けられない戦いが続く。
一方のNEC、FL浅野良太主将は「後半の小さなミスで神戸製鋼にチャンスを与えてしまいリズムに乗れなかった。これらのミスを修正して残り試合に精度を高めて挑みたい」と語った。

マン・オブ・ザ・マッチには、安定したプレーで勝利に貢献した、神戸製鋼 PR山下裕史が選ばれた。
(橋本光一)



● 記者会見ダイジェスト ●

NECグリーンロケッツ


グレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、浅野良太キャプテン

グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「勝利できなかったことは残念です。必死に勝ちに行きましたが、神戸製鋼さんはスター集団で、調子も上がってきたチームです。後半、致命的なプレーをして、勢いを与えてしまいました。結果として勝てませんでした」

──SOに田村、FBにウェブの布陣は?

「田村のアタック力を加えて、マインドの変化も促したかったためです。トライもラインブレイクもあって、FWもストロングパフォーマンスがありました。ハーフタイムで、10-12で変更はしませんでした。田村はよく動いたし、ウェブもよく機能できることを証明したと思います」

──悔やまれるプレーは?

「誰かを名指しする形で言いたくはありません。我々はスター集団ではないので、毎回、ベストのパフォーマンスをする必要があります。セカンドラウンドは全部テストマッチと同じです。よりハードな試合が続きますが、皆の献身が良ければ良いゲームになります」

浅野良太キャプテン

「今日、NECが秩父宮では最後の開催試合で、新年早々、大変多くの方に応援に来ていただき感謝申し上げます。年末のヤマハ発動機戦から、神戸製鋼戦にかけて、自分たちのストラクチャーを守って正しく戦おうとやってきました。良いチャンスも作れたが、自分たちのミスでエリアを神戸製鋼さんに与えてしまったのが、やっていて残念でした。神戸製鋼さんのプレッシャーもありましたが、僕らの精度も上げていかなくてはいけないと思います。残り2戦、愛知と京都、少しでも上へ行けるようにチーム一つとなってやっていきたいと思います」

──前後半の立ち上がりにスコアできなかったのは?

「ミスが起こるのは仕方がないと思います。練習からミスが起きないように意識あるプレーをしています。その上でのミスは致し方ないが、その後のリスタートの部分、エリアの部分、我々が神戸製鋼陣に入っていれば相手ボールでもプレッシャーは掛け続けられます。マイボールにするチャンスも多い。ミスを重ねるとやられます。ゴールに近づいた時に、ミスしない事です。リカバーをもっと上手くやれれば、もっとプレッシャーを掛けられました。チャンスのところ、1トライでも獲れていれば、もっと楽になったと思います」



神戸製鋼コベルコスティーラーズ


苑田右二ヘッドコーチ(右)、橋本大輝キャプテン

苑田右二ヘッドコーチ

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。素晴らしい環境で試合できましたこと、感謝申し上げます。実は、昨日の有楽町の火災で、5時間ほど新大阪で待ちぼうけを食い、その影響からか、前半は固かったが、後半、何とか勝つことができて良かったと思います」

──新大阪でのことを詳しく?

「13時56分発の予定でしたが、結局乗ったのは15時過ぎで21時にホテルに着いて、21時半頃から食事して、治療をしたり、睡眠したり。治療した選手はいつものルーティンができない状態で試合に臨みました。休むことはできましたが、身体は多分厳しかったと思います」

──勝ち点に向けてフォーカスしたのは?

「勝ち点5を取れるように、アグレッシブなメンバーで構成しました。正面のSOは、練習試合でも経験があって、その時に非常に良いプレーがありました。よりアグレッシブに行くために、何かリスクを背負うかもしれないが、チームの柱として臨めるようにと選びました。正面もインターセプトが1本ありましたが、それ以外はチームの推進力となってプレーしてくれました。日本語で指示できるハーフ団もプラスになっています。BK20名全員で練習できていますし、その中で良い競争ができています」

橋本大輝キャプテン

「本日は、昨日の影響からか、前半、自分たちのラグビーができず、苦しんでいましたが、後半は自分たちのラグビーができて5ポイント取れたのは非常に大きかったと思います」

──待たされたメリット、デメリットは?

「メリットはチームメイトと話す時間があったことです(笑)。色んな話ができて良かった。デメリットは身体のことです。重く感じました。言い訳にせずやろうと言いましたが、勝てて良かったです」

──コンディショニングへの影響は?

「そういうことは話さず、いつも通りでした」

──新大阪では?

「駅近くのホテルの喫茶店が空いていましたので、チームでまとまって残っていました」




マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ、PR山下裕史選手

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