セカンドステージ・第6節 グループA マッチサマリー(キヤノン 25-58 サントリー)

キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス
25 合計 58
22 前半 24
3 後半 34
0 勝点 5
7 総勝点 28
サントリー
サンゴリアス
サントリーサンゴリアス

キヤノンイーグルス 25-58 サントリーサンゴリアス

セカンドステージ・第6節 グループA
2014年1月11日(土)13:00キックオフ/神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場

2014年1月11日(土)快晴のニッパツ三ツ沢球技場で、ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014 セカンドステージ グループA第6節、昨年の覇者サントリーサンゴリアスとTL昇格2年目で確実にチーム力をつけてきたキヤノンイーグルスの試合が行われた。試合の前に、前座試合として神奈川県のU10・U12小学校3年生から6年生の女子ラグビーチームである神奈川プリンセスと東京シャイニングガールズの前座試合が行われました。女子ラグビーもオリンピックを見据えて盛んになってきました。試合では両チーム共にレベルの高いプレーもあり将来の女子ラグビーのスターが生まれてくれる事が期待されます。

前座試合終了後に、それぞれの女子チーム選手のエスコートにより選手入場。前節を1点差で勝利して、今回の試合でプレーオフ進出を決めたいサントリーサンゴリアス。前節でファーストステージに勝利したパナソニック ワイルドナイツに雪辱されプレーオフ進出を阻まれたキヤノンイーグルス。キヤノンは、セカンドステージ2勝目を目指して意地を見せたいところ。快晴・微風・最高の芝の中、13時にキヤノンのキックオフで両チームの熱い戦いが始まった。

開始早々5分。サントリーゴール前22m中央でPGを得たキヤノンが成功して3点先取。しかし、8分にサントリーが中央スクラムから左に展開して11番のWTB塚本健太が巧みなステップで相手ディフェンスをかわして左中間にトライ。13番CTBニコラスライアンのゴールも成功して3-7とあっさり逆転する。このままサントリーが試合の主導権を握るかと思われたが、16分にはキヤノンが自陣からカウンターで一気にサントリーゴール前まで迫り10番SOカラム・ブルースが中央にトライしゴールも決まり10-7と逆転。サントリーも25分にキヤノンゴール前キックからカウンターアタックで展開し最後は7番FL佐々木隆道が右中間にトライしてニコラスのゴールも決まり10-14と再逆転。

しかし、その4分後にはサントリー陣22m付近のラインアウトからモール展開し15番FB橋野皓介がトライ。12番CTB三友良平のゴールは不成功だが、15-14と再び試合をリードする。さらに35分にはブルースのトライもあり、ゴールも決まり22-14。このまま終わればキヤノンリードでの後半スタートとなるが、そこはサントリーが意地を見せる。
38分にはキヤノン陣22mから左に展開して10番SOトゥシ・ピシが左中間にトライしゴールも成功して22-21と迫る。さらに、ホーンが鳴った後にキヤノンは蹴り出さずに左展開するが、ラックで手痛い反則でサントリーボールに。そのままPGが決まり前半を22-24でサントリーがリードして終了した。前半は、キヤノンSOブルースの攻守にわたる活躍もありほぼ互角の戦いであったが、後半サントリーが地力を発揮する。

後半開始4分キヤノンの自陣22m付近のオフサイドから素早く左に展開し最後は9番の日和佐がトライ。ニコラスのゴールも成功して22-31。キヤノンはサントリー陣22mで得たPGを決めて、25-31と差を詰めるが、後半10分には11番WTB塚本が左隅にトライして25-36と突き放す。16分には、キヤノン陣22m中央付近でキヤノン11番原田季郎のスピアタックルでのシンビンを受け、ニコラスのPGも決まり25-39。この時間からサントリーのアタックの強さが出てくる。21分と34分には7番FL佐々木が連続トライを奪い、25-51と試合を決定づけ、38分にも14番WTB長友泰憲がトライして22番小野晃征のゴールも決まり25-58となりノーサイドの笛が鳴った。

キヤノンは前半、サントリーとブレイクダウンでもカウンターでも互角に戦い、わずかなミスを見逃さずトライに結びつけ一時はリードしたが、後半はゴール前のシンビンから受けに回りサントリーの多彩なアタックへの対応が甘くなり失点を重ねた。サントリーは、後半20分でアタック力を出して完勝。勝ち点28で、パナソニックと共に残り1試合を残して8季連続8回目のプレーオフ進出を決めた。マン・オブ・ザ・マッチは2トライを上げ、確実なタックルとボールを生かすステップを見せチャンスメイクしたサントリーサンゴリアス11番塚本健太が獲得した。


● 記者会見ダイジェスト ●

キヤノンイーグルス


永友洋司監督(右)、和田拓キャプテン

永友洋司監督

「本日はありがとうございました。前回パナソニック戦もそうでしたが、30~40分戦えるというところまでは来ているという手応えはありますが、終盤になってきて70~80分持ち続けなければいけないという意味で、まだ努力・練習量が足りないのかな、と思っています。前半トライ数では確かにいいところまで行ったというのはあったのですが、私自身見ていて向こうのチームが強いなと思ったのは、前半15分くらいでベネットと和田でブレイクしたときのサントリーのプレーです。キヤノンは2人しかアタックしていないにも拘わらず、黄色のジャージは10人くらい戻っていて、あそこは常勝チームとの違いを見てしまいました。歴史のあるチームはそういうところがしっかりできています。負けて悔しいが、しっかりつなげていきたいと思います」

和田拓キャプテン

「本日はありがとうございました。最初の入りはいい感じでしたが、最後の方は点を取られてしまい、残念に思います。パナソニック戦は30分、今日の試合は50分と頑張れる時間帯は少しずつ伸びては来ていますが、トライを取られた後の基本的なプレーができていないので、そういうところをしっかり詰めなおしたいと思います」

──終盤に点数を取られた理由として、サントリーが戦い方を修正したのか、キヤノンのほうでできなくなってしまったのか、どちらか。

永友監督

「サントリーは自分達のアタックを貫き通し、やるべきことをベースの部分でしっかりやってきたが、我々は40分ですべてを使い果たしたような形となって、その差だったのかなと思います。サントリーの戦い方に変化はなく、自分達のやっているラグビーをやり通す軸がありましたが、我々はできませんでした。ラグビーは80分のゲームなので、悔しいですがまだまだ未熟だったということだと思います」

和田キャプテン

「ずっとディフェンスをしていて、サントリーはいつもシェイプがあって選択肢があって、オプションでアタックをしてくるのが分かりました。ディフェンスをしていて少しずつゲインを切られ人数が少なくなってしまいました」

──パナソニック戦以降なかなか修正ができていないようですが。

和田キャプテン

「ブレイクダウンでもひとつひとつで勝っていかないと、少しずつ押し込まれて立ち位置が下ってしまいます。しっかりとコンタクトで勝っていきたいと思います」

──後半、本日とてもハッスルプレーの多かったスタンドオフを替えた理由は。

永友監督

「戦術的に替えざるを得なかったというのがあります。次のゲームもあり、層の厚さが足りないということもあります。全体に底上げが必要な中、悔しいことですがチームが追い付いていないということです」

──(司会者より)本日前座試合では神奈川と東京の女子チームが試合をしていますが、プレーヤーにメッセージをお願いします。

和田キャプテン

「自分は海老名ラグビースクールにおりましたが、裾野が広がって切磋琢磨してくれるといいと思います。女子選手がラグビーをしていることは嬉しく思います」


サントリーサンゴリアス


大久保直弥監督(右)、真壁伸弥キャプテン

大久保直弥監督

「今日はありがとうございました。厳しいゲームでしたが、後半いいスタートを切れたことが全てかと思います。トップ4入りは決まりましたが、通過点に過ぎません。タイトルを獲るためにはブレイクダウンやセットピースで課題がまだ多いと思いますので、ひとつひとつ向上していきたいと思います」

真壁伸弥キャプテン

「最初の20分間のタフな時間帯で最もパニックを起こしていたのは自分でした。チームの皆に支えられて後半は立て直すことができました」

──前半立ち上がりに苦労していますが。

真壁キャプテン

「自分達がトライをとった後に、もっと集中力を高めないといけないと思います。キックオフの時にももっと集中していきたいと思います」

──前半の失点が増えた理由は何でしょうか。監督が冒頭で触れたブレイクダウンとセットピースについては具体的にはどうでしょうか。

大久保監督

「前半失点はキックオフから簡単にゲインをとられた点と、セットピースからのプレーが緩慢な点が要因です。セットピースからのプレーについては、本人達は一生懸命やっていますが、相手に好きなようにやらせてしまっているので、厳しさとコミュニケーションに改善の余地があります。ひとりひとりが孤立してしまっている印象があります。セットピースのうち、スクラムはよくはなっていますが、アドバンテージが生かし切れていません。スクラムは機会が少ないので、アタックにつなげられるように改善していきたいと思います。
ブレイクダウンについては、サントリーのアタックの生命線なので、ここでボールが動き出すとスムーズになるのですが、入りの時若干ボールの上にステイしているプレーヤーがいました。役割をはっきりさせることと、相手もプレッシャーを掛けてくるので、フィジカルにもスマッシュできることが必要となります」

──キヤノンは本日かなりラックを捨ててきましたが。

真壁キャプテン

「確かにこちらのほうが人数が多かったと思います。集中したいと思います」

──(司会者より)本日前座試合では神奈川と東京の女子チームが試合をしていますが、プレーヤーにメッセージをお願いします。

真壁キャプテン

「女子でも男子に勝る気持ちで頑張ってもらいたいと思います。応援しています」









マン・オブ・ザ・マッチはサントリーサンゴリアス、WTB塚本健太選手

小学生女子チームによる前座試合
神奈川プリンセス vs 東京シャイニングガールズ

試合後のグリーティングタイム
試合直後のキヤノンイーグルスの選手とファンとの握手会が行われました

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