ファーストステージ第3節 マッチサマリー(近鉄 28-23 リコー)
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ファーストステージ・第3節 プールB トップリーグも第3節を迎えて、近鉄ライナーズとリコーブラックラムズの試合が大阪のキンチョウスタジアムで行われた。近鉄は今までのところ、1勝1敗。この試合に勝って弾みをつけたい。一方開幕から2連敗のリコーは、何とか初白星を挙げ、巻き返したいところ。試合はリコーのキックオフで始まった。 先攻したのはリコー、3分にゴール前20m中央で近鉄のノットロールアウエイの反則で15番 ダニエルがPGを決め0-3とリードする。対する近鉄は15分のハーフウエイ付近左中間の難しいPGを11番 テイラーが決め、3-3と試合を振り出しに戻す。次に加点したのは、リコー、ゴール前の左ラインアウトから右にBK展開11番 小松が中央にトライ、Gも成功し、3-10と突き放す。この後ウオーターブレイクを挟み、近鉄2PG、リコー1PGを挙げ、9-13とした後の32分、近鉄はゴール前左ラインアウトから右展開、13番 フェアバンクスがDFのギャップを衝いて右中間にトライ、G成功し、16-13と近鉄逆転して前半を終了する。 後半に入って、雨が本格的に降り始め、遠くに雷鳴も聞こえる荒れ模様の天候の中での試合となる。7分にリコー15番 ダニエルがBK展開でトライを挙げ逆転すると(16-20)、一方の近鉄はFW勝負で、13分7番 タウファ、20分6番 ラトゥイラがトライを挙げ、28-20と再度逆転する。この後は悪コンディションのせいもあり、35分まで膠着状態が続く。しかし、35分からドラマが始まる。 リコー、近鉄のコラプシングの反則から、トライを狙わずPGを選択し、15番 ダニエルが確実にこれを決め、28-23と点差を詰めて、残りの5分に賭ける。果たしてリコー、後半終了間際にゴール前右ラインアウトから6番 ブロードハースト、近鉄DFをかいくぐるようにしてトライラインへ。しかし、直ちにトライは宣せられず、ノーサイドホーンが鳴り響いた後、TMO判定となる。その結果、ブロードハーストはタックル成立後にボールを持ち続けてインゴールに運んだ、いわゆるダブルモーションでペナルティとなり、近鉄蹴り出して、ノーサイド。マン・オブ・ザ・マッチは、激しいFW戦と再逆転のトライにも貢献した、近鉄7番 タウファ統悦。 荒天でハンドリングミスも見られはしたが、実力伯仲した好ゲームであった。この結果、近鉄は、勝点8とプールB4位に浮上、リコーも勝利こそ挙げられなかったものの総勝点2と7位となった。 ● 記者会見ダイジェスト ●
リコーブラックラムズ 神鳥監督(左)、小松キャプテン 神鳥裕之監督 「今日、我々の試合はアウェーで臨んだが、たくさんのファンの方に応援に来て頂きお礼を言いたい。我々は開幕からの2戦共、悔しい敗戦が続いていたので強い気持ちで試合に臨んだ。結果は勝負どころのミスによっていくつかのトライチャンスもあったが、近鉄のペースで試合が進んでしまった。我々は後がない状況。次のサントリー戦に向かっていい準備をして臨みたい」 小松大祐キャプテン 「今日の試合は今までの2戦に比べてセットプレーも安定し、しっかりエリアも取れて相手のエリアでもアタックができたが、ここぞという所のブレイクダウンでプレシャーを受け、いいテンポでラグビーができなかった。ブレイクダウンのところはどのチームも激しく来るのでもう一度しっかり練習して、リコーのいいテンポでラグビーができるようにしたい」 ──今日はキックが多いゲームだったが、意識したプランだったのか? 小松キャプテン 「アタックは敵陣でプレーするのが基本ですが、状況判断でアタックするか、キックするかの選択をしている。風上だったので、キックを有利に使ってエリアをしっかり取っていく判断だったと思うが、ペナルティーが多く相手のペースだった」 ──ペナルティーが多かった原因は? 小松キャプテン 「ブレイクダウンでプレッシャーをかけなくてはならないが、多くの人数をかけてしまった。後半になって後手後手となり、寝た状態でのプレーも増え近鉄がいいテンポで攻めて来たので、ペナルティーが多くなった」 ──最後のテレビジョンマッチオフシャルはどのように思ったか…。 神鳥監督 「映像で見た限りは、勢いがあったかなと思ったが、判断に従うしかない」 近鉄ライナーズ 前田監督(左)、豊田キャプテン 前田隆介監督 「内容は紙一重だったと感じています。悪いコンディションの中、たくさんのファンの方々に応援頂き、リコーの素晴らしい最後まで諦めないファイトに対し、ライナーズが粘り切ったゲームだった。細かい所を修正して、次のキヤノン戦に臨みたい。悪いコンディションの中、最後まで身体を張った選手達に感謝したい」 豊田大樹キャプテン 「天候の悪い中、近鉄もリコーも多くのファンの方々から応援を頂き、両チーム共に激しい、良いゲームだった。アタックに関しては、第1節からいいアタックをしているが、大事なところでのミスを修正したい。前半のリードを守れて良かったし、後半も集中力を維持して良かったと思う」 ──最後の場面はどのように見られたか? 前田監督 「2モーションに見えたのでジャッジに従うしかない、結果は受け止めるしかないと思った。ゴールラインも見えていなかったのでテレビジョンマッチオフシャルでドキドキ感もあって良かったと思う。リーグ戦からこのようなシステムを採用してもらって有り難いと思う」 豊田キャプテン 「見えなかったので、レフリー次第だと思っていた」 マン・オブ・ザ・マッチは近鉄ライナーズ7番タウファ統悦選手
(記事:蜷川善夫、村島博、玉川育夫) |