ファーストステージ第5節 マッチサマリー(リコー 53-5 コカ・コーラ)
リコーブラックラムズ 53-5 コカ・コーラレッドスパークス ファーストステージ・第5節 プールB 上位チームとの戦いでも接戦に持ち込みながらなかなか勝星につながらない両チーム。1勝3敗のコカ・コーラレッドスパークス。勝星の無いリコーブラックラムズ。すっかり秋めいた好コンディションの中でどちらのチームも実力を発揮して、なんとしても勝星をあげたい。 実力伯仲の好ゲームが期待されたが、蓋を開けてみると予想外に一方的展開となった。リコーが深く蹴り込んだキックオフで始まった試合は、そのままコカ・コーラ陣内で続き、開始2分キックカウンターから前進してできたラックサイドをSH山本がついて、そのまま25mを走り切ってあっさりとトライ。ゴールも決まって7-0と先制。 その後もコカ・コーラ陣内でのゲームが続き、9分、リコーSOボークのショートキックに走り込んだWTB小松、続いて15分、FBピータースが自らあげたハイパントを、10m付近でコカ・コーラCTBニック・カミンズに空中戦で競り勝ってクリーンキャッチ、そのまま40mを走り切って連続トライ、19-0とリードをひろげる。 この後ややゲームは拮抗するが、コカ・コーラは攻めてもノッコン、スローフォワードなど細かいミスが続き波に乗ることができない。そんな中、次に得点したのもリコーだった。34分、PKをタッチに蹴り出したゴール前ラインアウトからモールをドライブしてLOロトアヘアがトライ。24-0とする。 前半40分を告げるホーンが鳴った後に得点をあげたのもリコーだった。ハーフウェイラインからわずかにリコー陣に入った地点で得たPKからゴールを狙い、FBピータースが決めて27-0としたところで前半終了。 後半もリコーのペースでゲームが続く。6分、10m付近でバックラインに縦に走り込んだLO柳川が大きくゲイン、ゴール前で惜しくも止められるが、ラックから右展開して、SOボークから大外に飛ばしたパスにWTB星野が右中間にトライ、ゴールも決まって34-0。 そしてようやく9分、コカ・コーラの得点が生まれる。キックオフを深く蹴り込んで得たPKからタッチへ蹴り出してゴール前ラインアウト。モールをドライブして最後はLO桑水流が押えてトライ、34-5とするが、結局これがこの日唯一の得点となった。 マン・オブ・ザ・マッチは1トライ、1PG、5ゴールを決めたFBピータース。 コカ・コーラは今シーズン初の関東でのゲームを意識しすぎたのか、淡白なディフェンス、攻めてはイージーなミスが多く、ペースを全くつかめなかった。前節までの健闘からすると全く考えられない。実力はこんなものではないはず、しっかりと立て直して次節以降にのぞみたい。 リコーはようやく本来の力を発揮することができ片目が開いた。ほっとするのと同時に一段とギアをアップしていきたい。 ● 記者会見ダイジェスト ●
コカ・コーラレッドスパークス 山口監督(右)、豊田キャプテン 山口智史監督 「今季、初めての秩父宮での試合で、すごくたくさんの皆様の前で残念な結果になってしまいました。ただ、チームが変わって関東圏のチーム関係者がたくさん応援してくださったことに喜びを感じています。今日は、コンディション、メンタルの面で準備が不十分だったと反省しています。リコーさんはコンタクトエリアで激しいラグビーをされて、ブレイクダウンで完全にやられて、我々のリズムが出せませんでした。しかし、残り2試合ありますので、今日の反省を生かしてやっていきたいと思います」 ──どこが優位と考え、準備したのか? 「戦術的には、自分たちのシェイプの中で逆目に走ってゲインしていくつもりでしたが、リコーさんは最初のタックラーがすぐ起きて、二人目も速くて素晴らしかったです。こちらはシェイプの構築が非常に悪かったです。FWが前に出られなかったのが要因です。アタックでは遠目でポイント作って、走りたかったのですが、セットピースが安定せず、特に、前半はまったく修正できませんでした。リコーさんのアタックディフェンスでのブレイクダウンが素晴らしかったです」 豊田将万キャプテン 「今晩は。今季トップリーグで初めての関東の試合ということで、全国のコーラファンの皆様にサポートしていただき感謝しております。今季初めて九州以外での試合でしたが、自分たちのラグビーができず、ちょっと不甲斐ない試合にしてしまいました。残り2節、去年トップリーグに上がって経験して学んだことを生かしてやっていきたいと思います」 ──ブレイクダウンでリコーが強かったが? 「やはり、体の大きさが、我々の方が小さいので、まともに行ったらゲインしづらいのは分かっていました。今日はタックルされた後、的を絞らせないように複数のアタックを準備してきましたが、人数が足りなかったり、ミスが出たりして、リコーさんの強さをそのままくらってしまいました」 リコーブラックラムズ 神鳥監督(右)、小松キャプテン 神鳥裕之監督 「今日は久しぶりのホームゲームで、たくさんの応援の中で試合でき、感謝しております。まず、一つ勝ってホッとしているというのが、率直な本音です。我々としては、先週まで4敗し、とにかく5ポイントを取って勝つと伝えましたが、選手たちはそのとおり実行してくれました。評価としては53点取ったこともありますが、ディフェンスでしっかり守れたことが大きかったです。今年一番の出来だったのではないでしょうか」 ──どのあたりで意識が変わったのか? 「星取表を見ると、去年は4勝3敗で上に行けましたが、我々は3勝4敗でも必ずチャンスがあると見て、そのことを選手と共有できました。選手もサントリー戦でかなり点差をつけられても、攻めるという実行力を見せてくれました」 ──ディフェンスの勝利だったが? 「一人一人がロータックルしてゲインを許さない試合をしようと。前節はサントリーさんのシェイプに、前半は苦労しましたが、あの試合の後半で機能したことが、今日は徹底できたと思います」 ──武者選手が相手にノックオンさせるタックルをしたが? 「先週のサントリー戦でもチーム内でタックルが多く、成功率も高いです。今日は足がつって交代しましたが、80分間欠かせない選手です」 小松大祐キャプテン 「やっとリコーファンの皆様に勝利を報告できて、嬉しく思います。今週の頭に、チーム全員でミーティングをしましたが、まだチャンスがあるから最後までやろうと意思統一しました。それを一人一人がプレーに出してくれて、キャプテンとして非常に嬉しいです。サントリー戦後半のように、自陣からも回して攻めることができました。リコーは最後まであきらめないので、ファンの皆様、応援よろしくお願いします」 ──良いタックルのコミュニケーションがあったが? 「ここ4節まで、ディフェンスは良かったが、一人ひとりのタックルのミスで最後まで粘れませんでした。今日は後ろから安心して見ることができました。4節まで、外のスペースを使いきれていなかったので、一人ひとりが外へとコールする練習をしてきました。僕もヘッドコーチ、監督から声を出せと言われて、自分の仕事だと思ってやりました。今日は外だけでなく、内側の選手もそれを伝えていて、今年一番良かったと思います」 マン・オブ・ザ・マッチはリコーブラックラムズ15番 ピータース・ダニエル選手
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