ファーストステージ第5節 マッチサマリー(キヤノン 24-10 NTTドコモ)

キヤノン
イーグルス
キヤノンイーグルス
24 合計 10
7 前半 5
17 後半 5
5 勝点 0
17 総勝点 3
NTTドコモ
レッドハリケーンズ
NTTドコモレッドハリケーンズ

キヤノンイーグルス 24-10 NTTドコモレッドハリケーンズ

ファーストステージ・第4節 プールB
2014年9月20日(土)19:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

秋も深まり、秩父宮ラグビー場でのナイター観戦には肌寒い季節となった中、NTTドコモレッドハリケーンズのキックオフで試合開始となった。
最初に、攻撃のペースを掴んだのはNTTドコモだった。前半10分が経過するまでキヤノン陣での攻防が長く続いた。この間、2回のPGの機会を掴んだNTTドコモであったが、狙わずにゴール前ラインアウトを選択。結果、トライまで至らずにキヤノンに押し戻された。

その後、反撃に転じたキヤノンだったが、何度か敵陣での得点のチャンスをつかむも、NTTドコモもこれに対してしっかりディフェンスをしてキヤノンはノックオンやペナルティなどの反則で攻撃の波にのれない。前半28分キヤノン13番のティム・ベネットが「チームとしての反則の繰り返し」によりシンビン退場。数的優位に立つNTTドコモが、キヤノンのハイタックルから得たPKでキヤノン陣22m付近まで攻め込む。36分、NTTドコモはゴール前ラインアウトからモールを形成。モールから出したボールをSOリアン・フィルヨーンからWTB渡辺義己と繋いでトライを先制した(ゴール失敗 5-0)。

その後、前半の残り時間がわずかな中、キヤノンのキックオフで試合が再開されプレーが続くもホーンが鳴る。このまま前半が終了するかと思った最後のワンプレーでNTTドコモSOフィルヨーンが自陣から大きくキック。これをカウンターアタックしたキヤノンはFLアダム・トムソンがラックから出たボールをつかみ30m独走、そのまま中央にトライ。5-7(ゴール成功)とキヤノンが逆転して前半が終了した。

後半、先制したのはキヤノンだった。後半6分、マイボールスクラムから出た球を、SH福居武がキックで転がし、NTTドコモ陣深くまでポジションを進める。NTTドコモの自陣ゴール内でのハンドリングミスから得た5mスクラムをキヤノンが押し込む。No.8菊谷崇が、また、FLアダム・トムソンがスクラムサイドを突進しゴールラインを狙うがトライは認められない。しかし、NTTドコモのスクラム・コラプシングで再度、PKからのスクラムとなる。後半10分、NTTドコモの3度目のコラプシングでキヤノンにペナルティトライが与えられ5-14(ゴール成功)とキヤノンは大きな追加点を獲得した。

その後、後半11分から27分にかけてキヤノンは6名、NTTドコモは5名の選手を順次戦略的に入れ替え、両チームとも最後の時間帯での勝負に賭けてきた。後半19分には、NTTドコモで後半からNO.8に投入されているハインリッヒ・ブルソーが突進し、ゴール前でのラックからSH辻埜拓也が飛び込みトライ。NTTドコモが10-14(ゴール失敗)と追い上げる。

しかしその直後、後半21分にはキックオフ後の攻防からキヤノンFL竹山浩史が抜け、LO日高駿からボールをもらったFB森谷直貴がノーホイッスルトライですぐに5点を返し10-19(ゴール失敗)。
更に、後半38分にはNo.8菊谷のターンオーバーで得たボールを、最後はカラム・ブルースに替わって途中から出場しているSOマイケル・ボンドがこの日チームとして4つ目のトライを決め10-24(ゴール失敗)として勝負を決した。

最終的には、地力で勝るキヤノンがNTTドコモを順当に下し、4トライのボーナスポイント1を含め勝ち点5を獲得した。これまで5試合での総勝点を17ポイントとして、この日、近鉄に敗れたトヨタ自動車を上回りプールBの3位に浮上した。しかしながら、この試合での反則数はキヤノンが13とNTTドコモの反則数5の倍以上のペナルティを犯して、自ら攻撃の糸口を摘み攻めあぐねたことは、次節に向けての大きな反省材料として残った。
(副島英雄)


● 記者会見ダイジェスト ●

NTTドコモレッドハリケーンズ

NTTドコモレッドハリケーンズ
下沖監督(右)、吉岡キャプテン

下沖正博監督

「今日の試合に関しては、最初の10分の入りで相手をアタックで圧倒しようと臨みました。選手は十分にやってくれました。残り2節に勝利するために、さらに準備していきたいと思います」

──ゲームプランは?

「キヤノンさんはラック周りのディフェンスが厳しいと分析していました。今日はSOから外にドンドン一人一人がボールを動かそうとしました。入りはどこでペナルティがあっても、ラインアウトから自分たちのトライを獲りにいこうと準備してきました」

吉岡宏樹キャプテン

「思い切って攻めようと試合に臨みましたが、少しずつミスで相手にボールが渡ってしまいました。少し時間が空きますが、リコーさん相手にしっかり準備していきたいと思います」

──前半は良い試合だったが?

「試合を重ねるごとに、コミュニケーションがしっかり取れるようになってディフェンスも粘り強くなってきました。今日は、ここという大事なところでコミュニケーションが取れず、我々の持ち味であるディフェンスができない場面がありましたが、前半は、しっかり全員が理解していました。結果が付いてきていませんが、着実に前へ進んでいると思います」


キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルス
永友監督(左)、和田キャプテン

永友洋司監督

「本日はありがとうございました。学ばなければならない試合でした。前日、和田キャプテンもミーティングで話していた部分が出てしまいました。送り出す時も、油断やミスをやってしまうと非常に苦しい展開になると言いました。ここは、私たちでコントロールできないところで、一番恐れていたことが試合で出てしまいました。しっかり分析して残り2試合に備えたいと思います」

──反省ばかりだが、危惧していたこととは?

「今までの相手は上位チームで、我々はチャレンジで準備しました。勝率で我々が上回っているチームとの試合は初めてで、練習でも、おごりではないと思うが、強いチームのような立ち居振る舞いが見えていました。油断が怖かったのですが、経験上、我々コーチ陣がいくら言っても、選手がグラウンドで変わらないといけません。そういう意味で、学んだ試合でした。NTTドコモさんに感謝です。キヤノンは、ここから自分たちで気付いて変わっていかなければ。サントリーさん、パナソニックさんのようなチャンピオンチームは監督が言わなくても気付いて修正できます。良い勉強になりました。これは、選手たちの問題ではなく、非常に難しい問題です。あえて話さずに送り出しましたが、コーチ陣ももう一度立て直しを図っていきたいと思います」

──チームスタンダードは上がっているのか?

「当然、選手たちの成長があります。今日は、最後に獲り切るところまではできましたが、もう一度同じ相手と試合した時にスタンダードを出せるかが課題です。僕自身のキヤノンチームに求めているものが高くなっていると感じています。選手は非常に良くやってくれています。コーチングでもっと引き伸ばしてあげたいと思います」

和田拓キャプテン

「今晩は。今週1週間の練習がイマイチでしたが、しっかり勝利とボーナスポイントを取れたのはすごく嬉しいです。前半、ドコモさんは激しくて、やりたいラグビーをしてきました。後半、修正して、獲れましたが、こういう試合をモノにすることができて嬉しく思います。上位4チームに入るためには、今日学んだことを生かして、次に向け準備したいと思います」

──油断について、どう感じていたのか?

「もちろん、練習の時には、こんなんじゃダメだと声を掛けましたが、同様に感じた選手もいたと思います。しっかり、キヤノンスタンダードをいつでも出せるようにしたいと思います」

──ハーフタイムには?

「疲れて、ちょっと思い出せないです(笑)。我慢は絶対しなくてはと思っていました。前半はミスからボールを失っていたので、ボールキープしていこうと言いました」








マン・オブ・ザ・マッチはキヤノンイーグルス1番 菅原崇聖選手

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