ファーストステージ第7節 マッチサマリー(近鉄ライナーズ 31-14 コカ・コーラ)

近鉄
ライナーズ
近鉄ライナーズ
31 合計 14
14 前半 7
17 後半 7
5 勝点 0
22 総勝点 6
コカ・コーラ
レッドスパークス
コカ・コーラレッドスパークス

近鉄ライナーズ 31-14 コカ・コーラレッドスパークス

ファーストステージ・第7節 プールB
2014年10月19日(日)12:00キックオフ/大阪・近鉄花園ラグビー場

トップリーグのファーストステージも最終節を迎える。ここまで3勝3敗、勝点17でプールB5位の近鉄ライナーズは前節でサントリーに1点差で惜敗したが、4位トヨタ自動車との勝点の差はわずか1。セカンドステージグループA目指し勝点5を獲得したい一戦。一方、ここまで、1勝5敗、勝点6で7位に沈むコカ・コーラレッドスパークス、セカンドステージに向けてもう一勝したい大事な一戦。

近鉄のキックオフで前半が開始され、近鉄ペースで試合が進むと思われたが、固さのせいか小さなミスが続きなかなか得点が挙げられない。ようやく12分にコーラ陣内35m右中間まで進んだラックから、左CTBのイエロメジェフリー剛がボールを持ち出し左オープンに走り、コカ・コーラディフェンスのギャップを突きディフェンスの裏にフォローしたFB坂本和城が中央にトライ。ゴールもSO重光泰昌が決め7-0と試合が動き始める。
コカ・コーラは近鉄ディフェンスを崩せず刻々と時計だけが進む中、30分にゴール前中央付近のスクラムからNo.8上本が突進し、最後は5番LO桑水流裕策がトライ。ゴールもFB原留大祐が決め7-7の同点に追いつく。

しかし、前半の終了間際ハーフウェイ付近の左中間から、近鉄右CTBフランク・ウィンターステインが左ライン際を突破し、22m中央付近でタックルされラックとなる。SH福地竜彦のロングパスにNo.8ラディキ・サモが反応しラインブレイク、CTBイエロメが右中間にトライ。ゴールも決まり再び14-7とリードで前半を折り返す。近鉄は、PGを重ね試合を支配する今シーズンの試合運びとは異なり、トライを奪いに行く前半戦。

後半はコカ・コーラのキックオフで試合開始。その直後の1分、近鉄はハーフウェイ中央付近でNo.8サモが強引に密集を抜け出し、バックパスがうまくCTBイエロメに繋がる。ゴール前5m中央まで進みラック後、左FLラトゥイラレプハが中央にトライ。ゴールもSO重光が決め21-7と点差を広げる。10分にもSO重光がPGを決め24-7とセーフティーリードに持ち込んで試合の趨勢を決め、目標の勝点5まであとワントライに迫る。
後半はディフェンスで粘りを見せるコーラに対し、近鉄はゴール前20m中央スクラムからNo.8サモがコカ・コーラの意表を突き、股下からのバックパス。またもやCTBイエロメがディフェンスのギャップを抜け、最後は左WTB李陽が左隅にトライしボーナスポイントを獲得。難しい位置からのゴールキックをSO重光が決め31-7とする。重光はこの試合5本のゴールキックを決める。

グループA入りを目指しさらに得点を挙げたい近鉄だが、コカ・コーラのディフェンスに苦しみ得点を挙げられず、終盤は焦りが見られる。逆に、コカ・コーラは近鉄の焦りを見透かしたように試合終了間際の40分、ゴール前10m右中間ラックから左へ展開しゲームキャプテンのFL山下昂大が意地のトライを挙げ、SO山田久寿がゴールを決めたところでノーサイドのホーンが鳴る。敗れはしたがコカ・コーラのしぶといディフェンスが光った一戦であった。
マン・オブ・ザ・マッチには、試合直前に先発出場が決まり、先制トライを挙げたFB坂本和城が選ばれた。

● 記者会見ダイジェスト ●

コカ・コーラレッドスパークス

コカ・コーラレッドスパークス
山口監督(右)、山下ゲームキャプテン

山口智史監督

「ファーストステージの最終節になって、準ホームスタジアムともいうべき近鉄花園で試合をすることができた。結果は、接点で後手に回ってしまい前半で2トライをとられたが、後半の最後に粘って最終的に2トライをもぎとった。次のステージに向けての課題をもらった試合だと思うので、今日の結果を次につなげていきたい」

山下昂大ゲームキャプテン

「天気にも恵まれ、自分達のラグビーをしようと試合に臨んだ。しかし、近鉄はブレイクダウンで強く、我々は我慢しきれずにそこで反則を犯してしまった。今日の反省を次のステージに活かしていきたい」

──セカンドステージに向けて良くなったところは?

山下ゲームキャプテン

「スクラムからいい球出しができた時には、2次攻撃から取りきるという形がしっかりできてきた。スクラムが起点なのでそこをしっかりしていきたいと思う」

──ファーストステージでは後一歩相手に及ばない試合が多かった?

山口監督

「セットピース、とりわけスクラムが安定しないのが不振の大きな原因。また、ラインアウトでも相手にモールドライブでかなり得点された。ブレイクダウンでは、近鉄に力のディフェンスで来られて、特に体を当てる時のスピードが素晴らしかった。この点は見習いたいと思っている」

近鉄ライナーズ

近鉄ライナーズ
前田監督(左)、豊田キャプテン

前田隆介監督

「近鉄花園で多くのファンの前で試合に臨んだが、プラン通りのラグビーができたと思っている。しかし、勝負どころでボールがつながらず、思うように加点できずに、最後コカ・コーラに(トライを)取られてしまった。これから、セカンドステージに向けてしっかりと準備をしていきたい」

豊田大樹キャプテン

「ファーストステージの最終戦、大勢のファンの声援を受けながらプレーをできて楽しかった。スコアするべきところで取りきれないという『甘さ』があったように受け止めているが、今日のゲームでは選手達の成長した姿をお見せできたと思う」

──トヨタ自動車の情報は入っていたのか?

前田監督

「情報は逐一入っていた。それを受けて選手達にはしっかりと繋いで行くように指示をした」

──試合中得失点差は意識していたか?

豊田キャプテン

「得失点差のことは当然意識していたし、情報も届いていた。できるだけスコアをし、相手にはスコアされないように考え、当然4トライ以上で勝点5は大前提でそれを達成したことには満足しているが、PGでも得点を重ねようとして、結局トヨタ自動車を追い越すところまでは及ばなかった」

──ファーストステージを振り返ってみてどうか?

前田監督

「トライを取れるところで、ボールの支配を失ってしまうような展開が多く、高いレベルのチームに対して最後のツメが甘かったと思う。今日も、しっかりと攻めて得点を積み上げていきたかったのだが、逆にディフェンスに回る時間が多かった。セカンドステージに向けては、チームのレベルを上げていきたいと思う」

──得失点差を意識していたということだが、後半10分のPGのときにはトライを狙いに行くことは考えなかったのか。

豊田キャプテン

「得失点差を意識していたといっても逐一詳細な得失点差の情報が伝えられていたわけではないし、試合中は少しでも得点を重ねようと考えていた。その中でチャンスを確実にスコアに結び付けられなかったことは、これからの課題だと思う。PGの選択については、コカ・コーラはラインアウトモールの練習をしていたようでディフェンスはかなり強力だった。そこで、あの時点ではPGを選択し、さらに終盤に近付いたところで相手の疲れを待ってトライをたたみかけようと考えていた」

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