セカンドステージ第3節 マッチサマリー(パナソニック 29-27 神戸製鋼)
パナソニック ワイルドナイツ 29-27 神戸製鋼コベルコスティーラーズ セカンドステージ・第3節 グループA 今季初対戦、共に1勝1敗で迎えたセカンドステージ第3節。 先制したのは神戸製鋼。 直後の14分には、ハーフウェイライン付近でパナソニック SOベリック・バーンズが狙ったDGをPR山下裕史がチャージ、こぼれ球をLOアンドリース・ベッカーがファインキャッチし、そのまま約50m走り切り左中間にトライ(ゴール成功)、0-14とする。 パナソニックは20分、相手陣10m付近で得たPGをSOバーンズが確実に決め3-14とするが、自陣での反則を取られ、23分・33分と神戸製鋼SO山中にPGを確実に決められ3-20と点差を広げられる。 後半はパナソニックの仕掛けの早い展開に対して、神戸製鋼の反則が目立ち、パナソニックのペースで試合が展開。 後半14分、相手陣ゴール前15m付近で得たフリーキックから速攻を仕掛け、連続攻撃のラックサイドSH田中から内に返すボールを受けたWTB山田章仁が相手ディフェンスをかわし左中間に飛び込んでトライ(ゴール失敗)、8-27。 18分には、相手陣ゴール前の連続攻撃から、SH田中からラックサイドのスペースに走り込んだHO堀江翔太主将にボールが渡り、中央に廻り込んでトライ(ゴール成功)15-27とする。 続く22分、自陣10m付近から、神戸製鋼のパスを後半から途中出場したCTB JP・ピーターセンがインターセプト、そのまま約60m走り切り中央にトライ(ゴール成功)、22-27と点差を縮める。 神戸製鋼も最後まで逆転を信じ、試合終了まで攻め込むも、パナソニックも必死のディフェンス。 この結果、パナソニックは4Tを奪い勝点5(総勝点14)を獲得、グループAの首位に躍り出た。 ● 記者会見ダイジェスト ●
神戸製鋼コベルコスティーラーズ ゴールド ヘッドコーチ(右)、橋本キャプテン ギャリー・ゴールド ヘッドコーチ 「この18年間、コーチとしてやってきたが、今日ほど怒りを感じた試合はありませんでした。前半27-3としながら、後半、ペナルティのアドバンテージを採ってもらえませんでした。確かに、ミステイクをしないレフリーはいないし、後半は選手のパフォーマンスも今季一番悪く、パナソニックさんのゴール前でトライを獲る機会がありながら、獲れなかったのが問題です。数少ないチャンスを獲り切れなかったのは修正していかなくてはいけません。27-3まではとても選手も良かったし、誇りに思います。それだけに残念です」 ──後半、受け身になったように見えたが? 「受け身になったとは全く思っていません。ボールをキープして2次、3次とアタックできなかったことが問題です。前半のアタックは良かったし、ディフェンスも前後半とも良かったと思います。後半はアタックする機会がなかったということです」 ──後半、田中選手へのマークができなかったのでは? 「特にマークしたわけではありません。彼にマークが行けば、JP(・ピーターセン)やFBに走られますし、後半は疲れて来るので、SHがフェイントしてひっかけてくるシーンが多くなるのは当たり前です」 ──パナソニックに12連敗となったが? 「以前の11試合についてはコメントできません。パナソニックさんはハーフタイムから立て直してきましたし、さらに、チャレンジするしかない状況になったことがあのパフォーマンスになったのでしょう。今日、負けたのはアンラッキーでした」 橋本大輝キャプテン 「後半に自分たちの弱さが出ました。次の試合に修正していかなくてはいけないと感じました」 ──後半、相手が修正してきた点は? 「SHの田中選手が特に良い位置にいて、うまくさばかれました」 ──去年のパナソニック戦も逆転負けだったが? 「難しいところです。何回か細かいミスを突かれました。僕たちがもっとハードワークして相手に挑んでいくことしかありません」 パナソニック ワイルドナイツ ディーンズ監督(右)、堀江キャプテン ロビー・ディーンズ監督 「今日は2試合の素晴らしい試合をご覧いただけましたね。もちろん、前半の試合より後半の試合の方が素晴らしかったですが(笑)。とても誇りに思います。キャプテンはじめリーダーシップグループのリードで、どんどん状況が良くなりました」 ──新しい選手を入れたから、前半もたついたのか? 「いや、経験ある選手の方がパフォーマンスは悪かったです。相手にハードワークさせずに点を取らせたのが苦戦した原因です。先週の東芝戦から学んで、今週戦おうと言いましたが、その経験値を生かせなかったのが前半です。まだ、問題は残っています。これ以上、選択する余地のない状況に追い込まれたのが、この結果につながったのだと思います。今日の第1試合のように、毎週ずっと勝つことは難しい大会です。今後は前半最初から、後半のようなラグビーをしていかなくてはいけません」 ──ロビーさんは負けていても冷静に見ていたが? 「ハートはグラウンドに行っていました(笑)。本当に冷静にゲームをコントロールしたのは選手たちです。選手たちに有力な情報を伝えるのが私たちの仕事です。来週は翔太が先取点を取ってくれるでしょう(笑)。(堀江キャプテンが苦笑いしながら『頑張ります』と応じる)」 堀江翔太キャプテン 「前半は僕らのミスというか、グレーゾーンというか、相手のキックチャージで獲られたり、相手の9番が良いポジションにいたりしてやられました。ただ、僕らが何か崩れてというのはなかったと思います。最後の45分間、アタックだけでなくディフェンスも前へ仕掛けて、何とか逆転できました。メンバーの中には焦りもあったかもしれませんが、落ち着きすぎることなく、冷静に熱くなれて点を取ってくれて良かったです。最後は、前半からこういうゲームをしようと言いました(笑)。学ぶところがとてもある試合で、ここからもう一歩踏み出したいと思います」 ──先週からの修正点は? 「先週の試合は、僕らが攻めた時のブレイクダウンのワークレートが少なかった反省がありました。向こうがブレイクダウンを捨てていたので、こちらももう少し状況判断するべきでした。今日も前半風下で、皆には『大好きな風下から始まります(笑)』と伝えたのですが、前半はやられることが多かったです。ただ、前半は相手にカウンターラックされることもなかったし、回りはできていましたので、後半に向けてはとりあえず点を取りに行こうとだけ伝えました」 ──前半のどのあたりで考えを変えたのか? 「相手の3つのトライとも、何か崩されてというわけでなく、ミスしてとか、ポジションがダメという僕らのアクションで起こったトライでした。だから、チームを責めたり、気合を入れたりというのはなかったです。前半の残り5分と後半の40分で、必死で、しかも落ち着いてトライを獲りに行こうと。自信はあったと思います」 マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ2番、堀江翔太選手
この試合で神戸製鋼コベルコスティーラーズの伊藤鐘史選手が「リーグ戦100試合出場」を達成した
|