セカンドステージ第5節 マッチサマリー(キヤノン 10-31 東芝)
セカンドステージ・第5節 グループA 快晴の天気の下、町田市立野津田公園陸上競技場で初めてのトップリーグの試合が開催された。石阪丈一町田市長、高橋豊副市長も初の町田市でのトップリーグ開催の観戦に駆けつけ盛り上がりを見せた。 試合前半はキヤノンのキックオフ。試合開始から互いに譲らない攻防戦となった。 その後は10分程、お互いに相手陣内に切れ込むも決定機がなく両チーム共にミスも目立ちトライにつながらない。前半20分東芝がボールをつなぎ、FB宇薄岳央のトライが決まる。ゴールも決まり3-10と東芝がリードを奪う。 前半は東芝が負傷のアクシデントがありながらも、何とかリードし折り返した。スクラムでは前半からキヤノンを圧倒しスクラムでの主導権を握った。キヤノン陣内で優位にボールキープし攻め続けるもキヤノンの堅いディフェンスを崩せず前半は1トライ1ゴール差の厳しい試合となった。 後半は東芝からのキックオフ。両チーム共に入替はなく、互いに決定機はありながらもミスや好ディフェンスに阻まれ、相手陣内深くに入るも反則で押し戻されてしまう試合展開。キヤノンNO.8菊谷崇と東芝NO.8リーチ マイケルのスクラムからの単独個人突破などセットプレーでの陣地をゲインする互いのNO.8同士がボールを持つ場面が続いた。 両チームの意地の均衡が破れたのは後半20分。キヤノンのディフェンスの隙をついて東芝の個人技からの展開でWTB大島脩平が抜け、SH小川→FLスティーブン・ベイツとつなぎ、最後にWTB大島が中央へトライ。これで10-22。SH小川のゴールも決まり10-24と東芝のリードが広がる。 直後の22分には互いに疲れが見え始め、試合終盤への両チームの選手入替が相次いだ。 キヤノンもまずは後半に1トライを取るために、後半31分にはCTB三友に替えて23番 菅谷優を投入。最後の巻き返しを図るが、直後の32分にキヤノンSOマイケル・ボンドによる危険なタックルに対しイエローカードが出て戦局は悪くなる一方。後半35分にキヤノンは3選手を一気に入替。後半終盤はキヤノンが相手陣内で試合を展開するが東芝のディフェンスを崩せないままにノーサイド。終始FWでスクラムから圧倒していた東芝に軍配が上がった。 キヤノンは自陣でのプレーが多くなってしまったが、東芝のFWを堅いディフェンスで守っていたが試合終盤に東芝の勢いがキヤノンに勝ったという試合内容だった。東芝は、今シーズンHOとして出場していた湯原祐希の怪我で森太志が出場したがさらに怪我により崩光瑠が出場しても安定したスクラムができていた。選手層の厚さと選手入替をしても変わらない強さで80分戦い続ける強いチームという印象だった。 ● 記者会見ダイジェスト ●
キヤノンイーグルス 永友監督(左)、和田キャプテン 永友洋司監督 「今日は、キヤノンのホームゲームとして町田市立野津田競技場での初めてのトップリーグ試合を開催していただき、関係者の皆様、町田市の皆様に感謝いたします。せっかくの町田市でのホームゲームでしたが、負けてしまい残念です。今日は東芝がいいラグビーをしたと思います。キヤノンのプレーヤーが接点で一人一人が東芝よりも劣っていたことが敗因だと思います。特に後半はキヤノンが得点をとれず、東芝にトライを許し、点差が開いた試合となったのは誠に申し訳ないと思います」 ──今日はスクラムが前半から圧倒されてしまいましたが? 「東芝に限らず、トップリーグの上位チームはセットピースでのボール獲得率が高いと思います。東芝はスクラムが強いので、ある程度スクラムで不利になるかもしれないと覚悟はしていましたが、ここまでやられるとは思いませんでした。スクラムでの完敗は予想以上でした。準備が足らなかったことは監督の責任だと思います。1週間後にはパナソニック戦になりますが、スクラムをどう立て直すかが課題と考え、しっかり修正したいと思います」 和田拓キャプテン 「今日はキヤノンの地元、町田市でのホームゲームとして、この素晴らしい施設の野津田競技場で試合ができ、町田市あげてサポートしていただき、多くの観客の方に応援に来ていただいたことを深く感謝します。その町田市でのホームゲームで勝てなかったことが残念です。試合では特に後半、接点で東芝の選手に対して、後手後手に回ってしまったと思います。キヤノンがやろうとしていたアタッキングラグビーができませんでした」 ──初めての町田市でのホームゲームはいかがでしたか? 「町田駅でもこの試合の宣伝バナーを掲げていただくなど、町田市全体で支援していただき、誠にうれしく思いました。キヤノンスポーツパークはこの競技場からすぐ近くの坂を上がったところで、まさに地元です。また、是非、町田市でのホームゲームをやりたいと思います」 東芝ブレイブルーパス 冨岡ヘッドコーチ(右)、リーチ ゲームキャプテン 冨岡鉄平ヘッドコーチ 「セカンドステージでは第3節でサントリーに負けて、あまり連勝ができていなかったので、先週に引き続き連勝できたことをまずうれしく思います。先週のトヨタ戦で、(負傷者など)イレギュラーなことがいくつか起こり、これへの対応が必要でしたが、逆にこれをチームとしてのエネルギーに変えることができました。前半、キヤノンにトライを取られましたが、先週の対トヨタ戦と同じミスによるものでした。この点は、来週までにしっかり修正する必要があると思います。ただし、今日はトライを4本とれ、ボーナスポイントを取れたことには満足しています」 ──前半24分のキヤノンのFLアダム・トムソン選手にトライされた場面についての反省点は? 「トライを取られたあの場面でのディフェンスは、先週の対トヨタでのディフェンスと同じミスでした。今日の試合に向けて私もスタッフも選手も明確に課題に対する修正をするべくいい準備をしてきましたが、同じミスが出たということは、まだチャンピオンシップを取る資格はないということだと思います。チームとしてもっと成長することが必要です」 ──前半9分でHO森選手の負傷交替で投入した新人の崩選手が活躍していましたが? 「東海大卒の新人 崩光瑠選手は、これまでトップリーグで2試合、数分間途中出場しただけなのでご存じない方も多いかと思いますが、パフォーマンスよく注目すべき選手です。プレーだけでなく責任感や人間性もよく、チームとして対応するべきフォーカスポイントに真摯に対応する選手です。今日はスクラム、ラインアウトをよくコントロールしていました。また、今日、後半にLO中田選手から入替で投入した松田圭祐選手もポテンシャル的に期待できる選手です」 ──今日のFW第3列はNo.8にリーチ マイケル選手、7番に山本紘史選手を投入しましたが? 「メンバーは対戦相手と(負傷者などの)台所事情で決めています。リーチ選手はFW2列、3列はどこでもできます。山本紘史選手はハートも強い選手で、今日はいいアピールをしていました。次の機会にも活躍してくれると思います」 リーチ マイケル ゲームキャプテン 「前半、先週の対トヨタ戦と同じようなミスが出てしまいました。ただし、後半にはよくなりました。前半から同じようにしっかりしたゲーム運びをできるようにしたいと思います。来週のヤマハ戦は大変大事な試合になります。是非勝ちたいと思いますので、しっかり修正して臨みたいと思います」 |