「プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015」ファイナル マッチサマリー(ヤマハ発動機 12-30 パナソニック)
ヤマハ発動機ジュビロ 12-30 パナソニック ワイルドナイツ プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015 ファイナル ● 記者会見ダイジェスト ●
ヤマハ発動機ジュビロ 清宮監督(右)、三村キャプテン 清宮克幸監督 「前半、14点、2トライ差以内は風下でしたので想定内でしたが、後半、チャンスはあったけれど、モノにできず負けた試合でした。ヤマハが上回っている部分をうまく消された。パナソニックさんの試合巧者ぶりが際立っていました。不器用な敗戦でした」 ──ヤマハの出せなかった強みとは? 「ゴール前22mに入ったところでのモールに対してもそうでしたが、スクラムにもパナソニックさんのディフェンスに工夫がありました。その工夫をヤマハが超えられなかったと言うことでしょうか」 ──前半、3本トライされたが? 「獲られても獲っているし、それだけの風の影響がありました。セオリー的にトライ2本14点差なら同点くらいの感覚でしたね」 ──ヤマハが風下を選択し、予定どおりに進んでハーフタイムの指示は? 「後半はヤマハのゲームプランがほとんどできませんでした。ハーフタイムに指示したことが機能しなかったわけです。具体的なことは言いたくありませんが」 ──想定されていた攻撃が不発に終わったのは? 「後半、4回くらいトライチャンスはあったと思いますが、パナソニックさんの特別な守りに、指示した攻めができませんでした。それがファイナルということ。パナソニックさんも、リーグ戦ならあんな極端な守りをしなかったでしょうね」 三村勇飛丸キャプテン 「我々の強みであるセットピースでプレッシャーを掛けていくつもりでした。モールからトライが獲れて自信になった場面もありましたが、全体的に受けに回ったと思います。日本選手権でリベンジするチャンスを与えていただいたので、しっかり準備したいと思います」 ──秩父宮のグラウンドコンディションでスクラムは? 「そこは前から分かっていたことですし、相手も同じ条件です。それでも、圧倒したかったが、できませんでした」 ──PGを狙えるところも攻めたが? 「リーグ戦の終わりから攻めて、自分たちの流れをもってこれたので、PGは考えていませんでした(横から清宮監督が『後半、右サイドを攻めて、ボールがこぼれた場面がありましたが、あれを取っていればトライでした。勝敗を分けたプレーでした』と補足)」 ──パナソニックは前回とどう違ったのか? 「相手の強みを消せなかった点が大きく違うと思います。特にキックのリアクション、ルーズボールへのリアクションがパナソニックさんは凄く良いので、リアクションを意識したつもりだが、受けに回ってしまいました」 ──後半、攻めきれなかったパナソニックのディフェンスは? 「ブレイクダウンで、相手のディフェンスが一人で、こちらは4人、5人かけて、こちらはどんどん攻撃人数が減ってしまいました」 パナソニック ワイルドナイツ ディーンズ監督(右)、堀江キャプテン ロビー・ディーンズ監督 「(堀江キャプテンが先に会見したので)翔太が試合と同じように、まず、この場をマネージメントしてくれました。今シーズン、成功を収めることができて、喜んでいます。非常にタフなコンペティションでした。自分たちの限界ギリギリまで出さなくてはいけない試合でした。今シーズンの最初からキープレーヤーはキャプテンだと言って来ましたが、正にそのとおりになりました。堀江のリーダーシップがあったので、今日の優勝がありました。私が言っているのは、ゲーム中のことだけでなく、一人一人の選手に気遣いをして、フィールド外でもスタジオライトの当たらない暗いところへも目を向けて、ゲームに出られない選手の力も借りることのできるリーダーシップが素晴らしかったと感じます。今日の選手、スタッフを誇りに思います」 ──かなり怪我人が出たが? 「練習の中でシナリオを作って、こういった状況への対応も考えていました」 ── 一番、満足できることは? 「選手が優勝を勝ちとってくれたことです。もちろん、優勝までの過程では色々なチャレンジがありました。選手たちは非常に固い友情で結ばれて、今日の満足できるディフェンスも気持ちの入ったものでした。ヤマハさんの強みとしているところを止めなくてはならなかったが、しっかり相手にプレーさせないことができました。後半はヤマハさんは前へ勢いが付くと止められないので、ミッドフィールドで止めることによって、ボールを外に展開するラグビーをさせませんでした。我々が言ったことを選手が体現してくれました。選手がしっかり適応してくれて進化することができました。違う選手を入れても課題に適応してくれてチームとして成長できたと思います」 堀江翔太キャプテン 「お疲れ様です。本当に今年の優勝は難しかったです。どのチームも毎週、パナソニックを倒そうとしてきて、選手はモチベーション高く保って戦いました。3試合負けましたが、ヤマハさんにも東芝さんにも教えてもらって、リベンジしようとやってきたので、最後まで切れずにできました。今年の優勝は価値があります。いやー、疲れましたね‥‥。あれだけディフェンスばっかりでしたが、観客の声援が耳に入って、中の選手も本気に思わずやっていました。一人少なくてピンチのスクラムも我慢できたのは自信になったんじゃないですか。相馬さん(スクラムコーチ)と話して、その辺ガッチリ、上手いこといったんじゃないかと思います。勝負の世界、勝ちたいチームはグレーに攻めて来ます。ナショナルチームのレベルでどんどんやって来たけど、上手いこと選手が対応してくれました」 ──後半、ヤマハのチャンスでのディフェンスは? 「ヤマハさんは結構ポジションで幅をとるチームです。どんな状況でも、相手を見て移動して、相手のアタックにアジャストできました」 ──ラインアウトで引いたり、ディフェンスで色々撹乱したが? 「モールの部分は強みの部分です。あまり中盤で力を使わないでおこうと考えて、立ち方、ポジションを劉(永男)さんがコントロールしてくれて、ディフェンスから仕掛けようとしました。根本的に僕らはディフェンスでしっかり自信もってやりました」 ──去年の優勝との違いは? 「今年の方がプレッシャーがありました。非常に嬉しかったです。一回目も嬉しかったけれど、どのチームもパナソニックを引きずり下ろそうとしてきたので、今年はより嬉しかったです。高いモチベーションをもてない試合もありましたが、選手はしっかり良くやってくれました」 |