トップリーグ入替戦 マッチサマリー(クボタ 34-5 釜石)
トップリーグ入替戦 トップリーグ13位のクボタスピアーズとトップチャレンジ1 4位の釜石シーウェイブスの入替戦。天気は快晴も風が強く舞う。メインスタンドから見て左から右に向けて巻き込んでいる。時折弱まるも角度を変えて強く巻き込む風もこの試合の演出者の1人だった。 前半は風上に釜石、風下にクボタが陣地を取り、クボタのキックオフで試合が始まる。前半3分、釜石のコラプシングで得たペナルティでクボタはショットを選択。正面からのPGをクボタ12番立川理道が決め3-0。続く前半5分には密集戦から抜け出したプレーがTMO判定となり、クボタ7番フィナウ・フィリペサーリのトライと認められ8-0。 前半9分にはクボタ陣内22mライン付近のラインアウトからフェーズを重ね、釜石15番沼田邦光がトライを決めて8-5と追い上げる。しかし、このプレーで沼田は負傷交替となってしまった。 前半27分クボタ23番柴原英孝が自陣から大きくゲインし、カウンターアタックを仕掛け、サポートに付いたクボタ5番今野達朗がトライを決めて13-5と再び突き放しにかかる。 後半はサイドが代わり、風上にクボタ、風下に釜石となった。風上に立ちキックの飛距離が伸びるようになったクボタは後半6分に釜石のオーバーザトップのペナルティで得たPGをクボタ12番立川理道が決めて16-5。後半17分、後半25分と12番立川理道がPGを決めて19-5、22-5と着実にクボタは点差を広げていった。 後半29分風上を生かし釜石陣内に深く攻め込んだクボタはモールを押し込み20番キーガン・ダニエルがトライ。27-5とする。試合終盤の後半34分クボタ11番鈴木貴士がスピードに乗り釜石のディフェンスを抜き去りゴール中央へトライ。12番立川理道のゴールも決まり34-5とした。釜石も一矢報いようと果敢に攻めこんだが、後半無得点で試合終了。 ● 記者会見ダイジェスト ●
釜石シーウェイブスRFC 三浦ヘッドコーチ(左)、須田キャプテン 三浦健博ヘッドコーチ 「初の入替戦に出場し、新しい歴史を作ろうとゲームをした。今年一年間やってきた事を皆、プレーで見せてくれたと思います。トップリーグチームのクボタさんのゲーム運びやキックの精度の部分でプレッシャーを受けたのかなというゲームだった。選手は良く頑張ってくれた」 須田康夫キャプテン 「新しい歴史を作ろうと臨んだが、トップリーグを経験されたクボタさんの試合巧者ぶりと言うか、ゲームの中での精度に差が出たのかと思います。コンタクトエリアでは、しっかりやれる自信は付いたので、来年から一からまたやり直していきたい」 ──風が強かったが、どういうゲームプランを立てて、どれだけできたか? 三浦ヘッドコーチ 「前半トスを取ったら、風上でと決めていた。ショットとか入っていれば、クボタさんにもプレッシャーをかけられると考えた。クボタさんが風下の時ペナルティからクイックで攻撃してきたが、それを想定してなかったのはミスだった」 ──沼田選手の(負傷)交替によるプランの影響は? 三浦ヘッドコーチ 「予期せぬ怪我になり、メンバー入替のプランが狂った。風下になれば、どんどんボールをキープしなければならなかったが、替えるタイミングが難しかった」 ──伊藤剛臣選手の欠場の事情と影響は? >三浦ヘッドコーチ 「練習中の怪我で出場できなかった。代わりに出た選手も頑張ってくれたので、そんなに大きな影響はなかったと思います」 ──今季を振り返って。 三浦ヘッドコーチ 「トップチャレンジ出場を目標に頑張ってきて、何とか目標は達成できた。力は付いてきたので、来季は安定した力を出せればと思います」 須田キャプテン 「長いシーズンだったが、チームとしては成長できた一年だった」 ──チームカラーを出せた部分と、トップリーグの壁は? 三浦ヘッドコーチ 「ラックエリアでのコンタクトでは勝てた部分もあったが、ラックに入り過ぎて、オーバーラップされた部分もあったので修正していきます」 須田キャプテン 「一昨年対戦した時は、セットプレーやコンタクトでも全然通用しなかったが、今日はセットプレーを余裕を持ってできたし、それ程プレッシャーを感じずに進める事ができました。クボタさんがショットを狙ってきたのも、プレッシャーを掛ける事ができたと思うので、そういう結果になったのかな? と感じました」 ──トップリーグに上がるために必要なものは? 須田キャプテン 「もっと執着心を持って出していけば、届かない距離ではないと感じてます」 ──応援の力を感じてますか? 須田キャプテン 「どの会場でも、たくさんの釜石ファンの皆様が来て下さってるのも凄く感じるし、試合中も僕達の時間帯の時に、しっかりと釜石の、時間にしてくれていて、力になってると感じます」 ──シーズンを終えて。 三浦ヘッドコーチ 「トップチャレンジに出場する力は持っている。選手もチームも大きく成長した一年だと思います。力を常に平均的に出せるようになれば、トップリーグに近づけると思います」 須田キャプテン 「長くシーズンを過ごせたのは良かった。力は出し切ったので、今は休みたい」 ──岩手から応援に来てくださった方々に一言。 三浦ヘッドコーチ 「遠くから応援に来てくれて、ありがとうございます。健闘した釜石だけでなく、勝つ釜石を見せたいので、また足を運んでもらえる様に頑張ります」 須田キャプテン 「いつも釜石シーウェイブスを応援して頂いてるので、良い結果として恩返しをしたかったが叶わなかった。来年もチャレンジしたいので、変わらぬ声援をお願い致します」 クボタスピアーズ 石倉監督(左)、今野ゲームキャプテン 石倉俊二監督 「勝ってトップリーグに残留できた事は良かったと思います。前半、釜石さん全体の勢いに押されてしまいました。ハーフタイムの状況を見ると、選手達は冷静で、後半に入って最初から集中して、敵陣に入って取りにいこうと声が出てたので、ハーフタイムの時は安心してました。一年を通してセットプレーや簡単なミスが多かったのが今後の反省だが、今日の試合でも出てしまったと感じてます。トップリーグに残留できたので、来シーズンに向けて、明日から修正して上位を目指したい。上との差は紙一重だと思ってます。ただ、どこで力を出していけば勝てるのか、もう一度選手達と取り組んでいきたい」 今野達朗ゲームキャプテン 「相手がどこであっても、結果が勝ったという事で良かったと思います。来年はもっと上位に食い込みたいと思います」 ── グランドレベルでの風の影響は? 今野ゲームキャプテン 「すべてのプレーがやり辛かった。声が聞き辛かったし、ハイキックだけでなくパスの軌道も変わって難しかった。結果としてブレイクダウン回りでノックオンとかが起きてしまいました」 ── 後半、ショットを重ねた事はハンドリングエラーの影響もあった? 今野ゲームキャプテン 「(釜石に)点を取られる感じはあまりなかったので、点差をつけていこうとショットを狙いました」 ── 釜石のプレッシャーは? 今野ゲームキャプテン 「プレッシャーはあると元々感じてたし、(釜石センター)マプスア選手が昨年まで一緒にプレーしてたので、細かいプレーもばれてるからという部分でプレッシャーは感じてました。釜石さんの声援も大きく、風の影響で声も聞こえず、プレッシャーはありました。プレーの部分では、試合まで時間があった分研究してたので、対策してた事は、しっかり出せました」 ── トップイーストで戦った時との比較は? 石倉監督 「今日は勢いを感じました。トップリーグに上がろうという気持ちでこられたので、勢いは前よりも感じた。我々もそれを想定していて、簡単に勝てるとは思ってなかったけど、トップリーグチームとしての意地とプライドを持って絶対に勝ちにいくと臨んだ。もう少し点を取って欲しかったけれど、釜石さんの気持ちが入ってたのは感じました」 ── ブレイクダウンでターンオーバーされていた事について。 今野ゲームキャプテン 「ターンオーバーされたところは、マスプア選手にもぎ取られたりした部分もあった。そういう部分で相手のスキルが良かった事と、こちらの寄りが遅かった事。一つ一つのプレーについては、修正すべき点はあったが、全体としては大きい問題ではなかったと思います」 ── シーウェイブスへの激励のメッセージを。 石倉監督 「トップリーグ、トップイーストで一緒にやっていたチームという事で、非常に馴染みのあるチームと思ってます。昨年まで我々と一緒にプレーしていた選手も入っており、親近感のあるチームなので、ぜひ頑張ってほしいと。東北から力を出して、東北の皆さんを元気付けられるようなチームでいてほしいと思います」 |