トップリーグ入替戦 マッチサマリー(豊田自動織機 53-7 三菱重工相模原)
トップリーグ入替戦 トップリーグ15位で辛うじて自動降格を逃れた豊田自動織機シャトルズと、トップチャレンジシリーズを2位で通過した三菱重工相模原ダイナボアーズの入替戦は、三菱重工相模原のキックオフで開始された。 開始早々の前半5分、シャトルズは中盤で得たペナルティーキックからタッチキックで敵陣22m内まで前進し、そこからラインアウトモールでゴール前まで攻め込む。崩れたラックから素早くBKへ展開し、FB15番 ジェラードがディフェンスラインを突破、サポートしていたWTB11番 大居に繋ぎトライ。ゴールも成功し、7-0と豊田自動織機が先制した。 その後、三菱重工相模原もキックと相手のミスでゴール前まで攻め込み、連続攻撃を繰り返すが、豊田自動織機の必死のディフェンスによりゴールラインを越えることができず反則でボールを失ってしまう。 前半のうちに点差を詰めておきたい三菱重工相模原は前半38分、敵陣でのラインアウトから逆サイドまで大きく展開し、連続攻撃からブラインドサイドを攻めて最後はCTB13番 ロコツイがディフェンスを突破しトライをとる。その後のゴールも成功し、17-7とした。そのまま17-7で前半が終了した。 後半は風下の豊田自動織機のキックで開始した。後半4分、豊田自動織機は敵陣10mライン付近の連続攻撃から、スペースへ走り込んだNO8カンコウスキーが抜け出し、個人技で相手をかわしながら40mを走りきりトライをあげた。ゴールも成功し、24-7とした。 後半9分、豊田自動織機は12番 大西がペナルティーキックを決め、27-7とさらに差を広げる。 ● 記者会見ダイジェスト ●
三菱重工相模原ダイナボアーズ
高岩監督(左)、安藤キャプテン
ウィリアムズ選手 高岩映善監督 「今シーズンで監督解任が決まっていたのですが、選手に対しても応援していただいた方々にも申し訳ないです。細かい精度が積み重なり、この点差になってしまいました。ありがとうございました」 杉本剛章ゲームキャプテン 「今日1日ありがとうございました。応援に来てくれた相模原や会社の方々に、結果を出せなかったことは申し訳ないと思っています。引退するシェーンや関係する人に対しても結果を残せなくて申し訳ないと思っています。ゲームの方は準備してきたことが出せず、反則で相手にテンポを出させてしまったことが敗因だと思います」 ──具体的にどんなゲームプランだったのか。 杉本ゲームキャプテン 「ディフェンスで前へ出て外に振らせないようにして、そこでプレッシャーをかけていこうということでしたが、反則が多くなってしまい自陣でやってしまいました」 ──プレーの部分でトップリーグとの差は感じたか。 杉本ゲームキャプテン 「一つ一つのアタックやディフェンス、ブレイクダウンの精度や規律がしっかりしていて、私たちはそこを守れませんでした。 ──前半は想定どおりだったか。 高岩監督 「ゲームプランの一つでジェラードのキックに蹴りあわないプランだったが、前半風下でミスが出てしまい、自陣にくぎづけになってしまったことが誤算でした」 ──ハーフタイムの指示は。 高岩監督 「後半はキックを有効に使い敵陣に入るプランでしたが、逆にキックを使いすぎてバランスが悪かったです」 ──次のシーズンに向けては。 杉本ゲームキャプテン 「高岩監督が退任するので、新しい監督と話し合いをして決めたいです」 ──ウィリアムズ選手はチームにとってどんな存在だったか。 高岩監督 「一流を知っている存在です。日本人の選手が彼を見て一流を知って欲しかったです」 豊田自動織機シャトルズ 丹生ヘッドコーチ(左)、梅田キャプテン 丹生雅也ヘッドコーチ 「本当にありがとうございます。たくさんの社員、応援団の方々に応援していただいた中でトップリーグ残留が決められて幸せです。目標トップ8、ワイルドカード進出できず責任を感じています。来季は同じ結果にならないように、オフに考えて来季を向かえたいです」 梅田紘一キャプテン 「目標であったトップ8、日本選手権出場が達成できずキャプテンとしてプレッシャーを感じていました。この結果は中・長期的に見てチームとしては良かったです」 ──どういう準備をしたのか。 丹生ヘッドコーチ 「ビデオを見て研究をしましたが、自分たちのやってきたことにフォーカスし、特にブレイクダウンを強化しました。(三菱重工相模原スタンドオフの)ドナルドにアタックをさせないようにプレッシャーをかけました」 ──ファーストステージ、セカンドステージの反省は。 丹生ヘッドコーチ 「キャリアの精度が悪く、トライを取れずに選手にフラストレーションをかけてしまいました。戦術を明確にすれば良かったです」 梅田キャプテン 「失点が多く、30点以上取られると勝利に結びつかなかったです。セカンドステージは30点以上取られないように臨みましたが我慢できず、ペナルティーで陣地を取られる、の繰り返しになってしまいました」 ──NEC戦よりもプレッシャーを感じたか。 梅田キャプテン 「期間が空いたのが緊張を呼び起こす要因になりました。今日の80分で決まってしまう怖さはありました。モチベーションを保つのも難しかったです」 ──来シーズンに向けて。 丹生ヘッドコーチ 「残留できたことはチームとしていい経験になると思います。ゆっくり考えて次は入替戦に行かないように準備していきたいと思います」 梅田キャプテン 「率直に入替戦にはもう来たくないと思います。来年は降格の危機とは関係なく自分たちがチャレンジできる環境でプレーがしたいです」 (記事:山下岳、的場青磁) |