トップリーグ 2015-2016「見どころ情報」:RWC2015プレーヤーズ in TL<海外代表編>

プレシーズンリーグ 2015 / トップリーグ 2015-2016「見どころ情報」

text by Kenji Demura

RWC2015プレーヤーズ in TL<海外代表編>
南ア、豪州、NZ…世界トップのプレーを堪能だ

先週末、待望の開幕第1節が行われたジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016。
各開催会場では、ラグビーワールドカップ(RWC)2015で奮闘した日本代表選手たちがファンに向けて挨拶する催しも行われたが、その一方で日本代表以外のRWC2015海外代表戦士たちの活躍ぶりが早くも見られた。

開幕節で1トライと2つのトライセービングタックルを決めるなど大暴れしたキヤノンFBルルー(南ア)開幕節で1トライと2つのトライセービングタックルを決めるなど大暴れしたキヤノンFBルルー(南ア)
photo by Kenji Demura

15日、兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場。
開幕節最後の一戦として行われた神戸製鋼コベルコスティーラーズ対キヤノンイーグルス戦。
集まった約8,000人の観客を最も驚かせるプレーを見せたのは、地元・神戸製鋼の選手ではなく、後半10分にピッチに姿を現したアウェーチームであるキヤノンの23番だっただろう。

後半20分過ぎ。神戸製鋼CTB今村雄太が左タッチライン際を快走。誰もが試合の流れを決定づけるトライが生まれたと思った瞬間、突如現れた黒い塊が飛びつくようなタックルを赤いジャージーの13番に食らわせ、タッチラインの外に引きずり出した。
いきなり観客のド肝を抜くタックルを見舞ったのは、今季キヤノンに新加入したFBウィリー・ルルー。
RWC2015では、最終的には3位となった南アフリカ代表の主力として活躍した。

あるいは、総合力では世界一と言っていいかもしれないFBルルーの見せ場はそれで終わりとはならなかった。
1回目は178センチ、93キロの今村が外に行ってダメだったのだから、次は208センチ、121キロが真ん中を突いていけばいいとばかりに、神戸製鋼の巨漢LOアンドリース・ベッカーが迫力のある走りでキヤノンゴールに迫る。
今度こそ、誰もがもう止まらないと思った瞬間、再び現れたのがキヤノンの守護神=ルルー。
ベッカーの巨体をそのまま自分の体全体で受け止め、そのままインゴールに背中から倒れ込んだ。
121キロの体重を両腕に乗っけてグラウンディングしようとしたベッカーだったが、TMO判定の結果、ボールが地面についたことは確認されず、またもノートライ。
わずか数分間で神戸製鋼の2トライを無効にする好守を見せたルルーだが、もちろん守りだけの人ではない。

2度のトライセービングタックルでピンチを救った、わずか数分後。
来日後1週間も経たず、「練習も2回参加しただけ」だったにもかかわらず、積極的なライン参加を見せて敵陣22m付近でボールをもらうと、流れの中で見せた一瞬のチェンジ・オブ・ペースと鋭いステップで相手DFのギャップを突いて、そのまま神戸製鋼ゴールに飛び込んだ。
「(トップリーグのラグビーは)とても速い。だからとても疲れた。でも予想していたことだし、全力で走り続けた。トライもトライセービングタックルもチームプレーの一部。とても楽しめたし、興奮している」

近鉄のCTBデアリエンディ(南ア)はRWC3位決定戦(写真は同準決勝)から2週間後の開幕節で早くもフル出場の鉄人ぶり近鉄のCTBデアリエンディ(南ア)はRWC3位決定戦(写真は同準決勝)から2週間後の開幕節で早くもフル出場の鉄人ぶり
photo by Kenji Demura

そんなふうにキヤノンでの新しいチャンレンジに関して語るルルーと一緒に南アフリカ代表の主力としてRWC2015でプレーしたLOエベン・エツベツ、SOハンドレ・ポラードもNTTドコモレッドハリケーンズの一員として開幕節でデビュー(共に途中出場)。コカ・コーラレッドスパークスに対する初戦勝利に貢献した(23-19=13日、東大阪市花園ラグビー場)。

また、近鉄ライナーズに加わったCTBダミアン・デアリエンディに至ってはなんと開幕節から早くもフル出場。2週間前まで南アフリカ代表の一員としてRWC2015のノックアウトステージ全試合に先発した疲れを微塵も感じさせない鉄人ぶりで、Honda HEATに25-12と快勝したチームの中核となるプレーぶりを見せた(14日、花園)。

すでに日本のファンにもお馴染みのサントリーサンゴリアスのSHフーリー・デュプレア、FL/NO8スカルク・バーガーのベテラン南アフリカ勢は揃って開幕戦を欠場したが、「(開幕戦の週の)火曜日の夜に日本に到着したばかりだが、次の試合には出ると思う」(アンディ・フレンドヘッドコーチ)とのことだ。

もちろん、今季のトップリーグでプレーするRWC2015海外代表組は南アフリカ勢だけではない。

開幕戦でサントリーを圧倒したパナソニック ワイルドナイツでは豪州代表としてRWC2015の決勝戦でもプレーしたLOベン・マッカルマンが早くも後半途中出場。

また、サモア代表として日本と戦ったFBティム・ナナイウィリアムズもリコーブラックスの一員としてNTTコミュニケーションズ戦で途中出場し、何度も快走を披露した。
また、豪州代表SOバーナード・フォーリーに関しては第2節、あるいは第3節には「23人のスコッドには入ってくるだろう」(神鳥裕之監督)とのこと。

イングランドでのプレー時間自体はそれほど多くなかったとはいえ、NZ代表の一員としてRWC2連覇に貢献したFL/NO8リアム・メッサムは東芝ブレイブルーパス入り。初戦には間に合わなかったものの、すでにチームに合流している。
「コンディションとしては今まで来た外国人選手の中で一番いい」(冨岡鉄平監督)といい、こちらも早めのトップリーグデビューが期待できそうだ。

NTTドコモに新加入した南アの若き司令塔ポラードもLOエツベスと共に開幕節で途中出場を果たしたNTTドコモに新加入した南アの若き司令塔ポラードもLOエツベスと共に開幕節で途中出場を果たした
photo by Kenji Demura

第2節でプレーが見られる可能性のあるRWC2015戦士<海外代表組>を開催会場ごとにまとめると、以下のようになる。それ以外にも、開幕節で圧倒的な存在感を見せたベリック・バーンズ(パナソニックSO=元豪州代表)、ハインリッヒ・ブルソー(NTTドコモFL=元南アフリカ代表)、アンドリュー・エリス(神戸製鋼SH=元ニュージーランド代表)など、RWC2015で活躍していても全く不思議ではなかった実力組もいて、日本のトップリーグがすでに世界のトッププレーヤーが揃う場所になっていることは紛れもない事実と言っていい。

いずれもが、少しでもラグビーに関心を持った人には、一度は生でそのプレーを見てもらいたい名手ばかりであることは間違いない。

■11月21日 
◎山口・維新百年記念公園陸上競技場

SO/FBバーナード・フォーリー(豪州代表)、ユーティリティBKティム・ナナイウィリアムズ(サモア代表)=リコー
FBウィリー・ルルー(南アフリカ代表)=キヤノン
LOエベン・エツベス、SO/CTBハンドレ・ポラード(以上、南アフリカ代表)=NTTドコモ

◎京都・京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

FL/NO8スカルク・バーガー、SHフーリー・デュプレア(以上、南アフリカ代表)、SO/CTBトゥシ・ピシ(サモア代表)=サントリー
LOベン・マッカルマン(豪州代表)、CTB/WTB JP・ピーターセン(南アフリカ代表)=パナソニック

◎福岡・レベルファイブスタジアム

FL/NO8ワイクリフ・パールー(豪州代表)=トヨタ自動車

◎鹿児島・鹿児島県立鴨池陸上競技場

FLリアム・メッサム(ニュージーランド代表)=東芝

■11月22日
◎千葉・千葉県立柏の葉公演総合競技場

NO8スコット・ヒギンボッサム(豪州代表)=NEC

ワラビーズをRWC準優勝に導いた豪州SOフォーリーもリコーの一員として次節あたりでTLデビューを果たしそうだワラビーズをRWC準優勝に導いた豪州SOフォーリーもリコーの一員として次節あたりでTLデビューを果たしそうだ
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チケット情報

「トップリーグ 2015-2016」の試合スケジュールについては、こちらのページをご覧ください。

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