トップリーグ2015-2016 第1節 マッチサマリー(NTTドコモ 23-19 コカ・コーラ)
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NTTドコモレッドハリケーンズ 23-19 コカ・コーラレッドスパークス トップリーグ2015-2016 第1節 グループB トップリーグ2015-2016リーグ戦がいよいよ関西でも開幕。オープニングゲームは聖地・東大阪市花園ラグビー場でのグループB、地元の雄NTTドコモとコカ・コーラとの一戦となった。 今シーズン、NTTドコモは日本代表にとって「因縁」の南アフリカ代表、LOエベン・エツベスとSOハンドレ・ポラードの2選手を獲得。さらにプレシーズンリーグの好調さを維持して上位進出を狙う。一方のコカ・コーラも九州勢の意地を見せて、虎視眈々と上位をうかがう。RWC2015の歓喜に続き、トップリーグ開幕を待ち望んだ7000人近い大観衆の見守る中、コカ・コーラSO福田哲也のキックオフで試合の幕が開けられた。 前半、先手を取ったのはNTTドコモ。3分のコカ・コーラのオフサイドによるゴール前10m左中間のPGをSO佐藤善仁が決めて3-0と先制した。一方のコカ・コーラは15分、22m付近のNTTドコモのこぼれ球を拾ったCTBティム・ベイトマンが抜け出し、パスを受けたSH香月武がポスト左に押さえた。SO福田のゴールも決まり3-7と一旦は逆転したコカ・コーラだったが、これ以降は一方的なNTTドコモペースとなる。 直後の19分、連続攻撃で確保した22m左中間付近のラックから、No8イオンギ譲がショートサイドを突き、最後は左WTB茂野洸気が左中間に押さえて再逆転。35分にも自陣10m付近のコカ・コーラボールのラインアウトをスティールしたNTTドコモがワイドに右に展開、CTBパエア ミフィポセチが外に大きくラインブレイクした後、フォローしたゲームキャプテンWTB渡辺義己が右隅に押さえて13-7とした。コカ・コーラはその後得た少ないチャンスもものにできずに前半を終えた。 後半も開始早々、NTTドコモの追加点で幕を開ける。PKを挟んだ連続攻撃で相手ゴールに迫ると、最後はゴール直前中央付近のラックから再びCTBミフィポセチがパワープレイでポスト左にトライ。SO佐藤のゴールも決まり20-7と得点差を拡げた。そして11分、いよいよNTTドコモのLOエベン・エツベスとSOハンドレ・ポラードが入替で登場すると、場内の興奮が一気に高まる。LOエツベスの高いラインアウトキャッチと力感あふれる攻守、SOポラードも18分に22m付近のPGを難なく決める。一方のコカ・コーラも13分、31分にトライを挙げるが時すでに遅し。NTTドコモが23-19と辛くも開幕戦をものにした。 NTTドコモは得点では終始リードしたが、細かなミスや反則でペースを掴めなかった。強力な新戦力を一日も早く機能させて、チーム力全体をアップさせたい。一方のコカ・コーラもセットプレイを中心に精度アップを図らなければ、上位チーム相手の苦戦は否めない。マン・オブ・ザ・マッチは再三のパワープレイでアタックの中心となったNTTドコモCTBパエア ミフィポセチに贈られた。また、男子セブンズ日本代表としてリオデジャネイロオリンピック出場権を獲得したメンバーの一員コカ・コーラLO桑水流裕策に記念の花束が贈られた。 ● 記者会見ダイジェスト ●
コカ・コーラレッドスパークス 臼井監督(右)、山下キャプテン 臼井章広監督 「われわれは福岡を拠点にしているので、この大阪で多くのレッドスパークスファンの皆さんにお越しいただいたことに感謝しています。試合には負けてしまいましたが、80分通して攻める姿勢をお見せすることができました。ただ残念なことに要所要所でミスが出てしまったことが敗因です。これを修正して次は必ず勝ちたいと思います」 山下昂大キャプテン 「心配していた雨も上がり、われわれのラグビーをするには絶好のコンディションでしたが、前半特に敵陣ゴール前に迫りながらのミスを繰り返し、やはり取り切るときに取り切れなかったことがこのような結果になりました。ここ3年間、開幕戦では良い結果が出ていたのですが、次のトヨタ戦では雪辱を果たしたいと思います ──監督としての初めての試合ということで、緊張感などはなかったか? 臼井監督 「もちろん監督経験としては初めてのことですが、特に緊張することなく選手と一緒に80分間戦い切ろうということに集中することができました。 ──監督が代わってまだ2週間ということのチームへの影響はなかったか? 臼井監督 「最初は体制が変わるということに戸惑いはありましたが、すぐにシーズンが始まる状況だったので特に迷っている暇もなく、切り替えはスムーズにできました」 山下キャプテン 「選手としてはやること自体は変わらず、グラウンドでパフォーマンスを出すだけで変わりはありません」 ──キャプテンとしてチームに伝えてきたことは? 山下キャプテン 「自分のキャラクターとしては周りが支えてくれて、監督の変わった混乱や戸惑いなくゲームに集中できるように選手とコミュニケーションをとることに努めています」 ──外国人選手の補強を図ったNTTドコモへの対策はどう講じてきたか? 臼井監督 「NTTドコモにはペネトレーターが多くいることはわかっており、そこを起点としてゴールに迫るチームという印象を持っていました。われわれは一人ひとりがしっかりタックルすることで、どこかできちんとボールを奪い返すことを念頭に置いていました。アタックに関してはいつもどおりボールを早く動かすことができれば、外にスペースができると信じていました。80分を通してできなかった点もあったが、その成果については満足しています」 山下キャプテン 「NTTドコモはアタック・ディフェンス共に勢いに乗って前に出てくるチームなので、そこに対してどう対処するかは想定していました。また外国人のインパクトプレイヤーに対してプレッシャーをかけ続けることを意識していました」 NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖監督(右)、渡辺ゲームキャプテン 下沖正博監督 「ホームの大阪ということで多くのファンに来ていただき、良い環境の中で開幕が迎えられたことに感謝します。内容はともあれ初戦に勝利できたことを嬉しく思います。今回出た課題を次のキヤノン戦までにきちんと修正して行きたいと思います」 渡辺義己ゲームキャプテン 「勝てたことにほっとしています。開幕戦ということで緊張感からボールが手につかない局面もありましたが、勝ち切れたことは良かったです。この勢いを持って、次戦以降に臨みたいと思います」 ──後半11分という早い時点でエツベス、ポラードを投入した意図は? 下沖正博監督 「前半からボールキープはできていましたが、ハンドリングエラーやペナルティで自分たちのアタックのテンポが作れないでいました。修正をして後半早々にトライをとれ、その後メンバーを変えてテンポを上げていきたいと考えていました。ただそこでもエラーが発生して、あまり二人も機能していませんでした。合流して間もないことは言い訳にはできないので、次のゲームまでにしっかり修正していきます ──エツベス、ポラード二人のコンディションは? 下沖正博監督 「時差ボケも解消しコンディションが良いということで、今回リザーブに起用しました。全体練習として合わせる時間は非常に限られていましたが、彼ら自身から積極的にコミュニケーションを図り、チーム戦術も理解に努めてくれています。早い時期から合流しているハインリッヒ・ブルソーが中心となって南アフリカ勢とコミュニケーションを図ってくれています」 (記事:石川悟、丸井康充) |