トップリーグ2015-2016 第1節 マッチサマリー(近鉄 25-12 Honda)
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トップリーグ2015-2016 第1節 グループA ラグビーワールドカップ2015イングランド大会で大活躍の左LOトンプソンルーク、新加入のNo8ピエール・スピース(南アフリカ代表キャップ53)、左CTB ダミアン・デアリエンディ(南アフリカ代表キャップ5)を擁する近鉄。男子セブンズ日本代表としてリオデジャネイロオリンピックの出場権を勝ち取った右WTBレメキ ロマノ ラヴァ、左FLマルセル・クッツェー(SRシャークス/南アフリカ)を擁し、4季ぶりにトップリーグに帰ってきたホンダ。注目選手が多い一戦になった。 グラウンドの芝生は素晴らしく最高のコンディションだが、曇り空で風が強い。試合は近鉄のキックオフで始まった。立ち上がりはホンダのペースとなり、右WTBレメキのラインブレイクや連続攻撃で近鉄陣深く攻め込むものの、得点を奪えず。逆に11分、近鉄が22m付近右ラインアウトからモールで押し込み、左にボールを動かし、ゴール前5m中央ラックからSH金哲元が右へパス、SO重光泰昌からパスを受けたNo8スピースが右中間に挨拶がわりの先制トライを挙げる。16分、ポスト右22m付近PGをSO重光がしつかり決めて追加点を挙げる(8-0)。 20分、ホンダはペナルティーからタッチ、ゴール前10m左ライアウト。スローインが乱れたがSO小西大輔が拾ってゴール前へ。ゴール前5m左中間ラックから右に攻め、ラックを連取し、最後はゴール直前右中間ラックからSH山路健太、SO小西、右WTBレメキと繋ぎ右隅に飛び込んでトライ。ゴールも逆風のうえ、難しいアングルをFB森田諒が決めて7対8と1点差に追い上げる。ホンダは23分、スクラムでのコラプシングで 右PR金光植がシンビンとなる。24分、数的有利な近鉄はペナルティーからタッチ、ゴール前10m左ラインアウトからモールを組んで押し込み左中間インゴールへ。ここでホンダに痛い反則。モールを崩したことによりペナルティートライとなってしまい、ゴールも決まって15-7となった。その上、右FL小林亮太がシンビン。ホンダにとってはリードを広げられた上、シンビン2人となり悪夢の時間帯になる。 雨も降りだした29分、近鉄はゴール前10m右端ラックから大きく左に展開、SH金、SO重光、FB高忠伸、左CTBデアリエンディ、右CTB森田 尚希、左FLタウファ統悦と繋ぎ左隅にトライ、更にリードをひろげる(20-7)。34分、ホンダFB森田にチーム3枚目のイエローカードが出てしまい、試合運びを不利な方向へ導いてしまう。前半はホンダが規律を欠きリズムが作れなかったすきに近鉄は着実に加点し13点リードで折り返した。 後半は1分、ホンダSO小西がゴール前30m中央よりDGを狙うがチャージされて点差を縮めることができない。ホンダは後半の立ち上がりからFWに勢いがあり、4分、スクラムで得たペナルティーからタッチ。ラインアウトでモールを組んでトライを取に行くが、ここもアクシデンタルオフサイドでチャンスを逃してしまう。逆に14分、近鉄にフェイズを重ねられゴール前まで押し込まれると最後はゴール直前右中間ラックからSH金にディフェンスが一人になったラックサイドをつかれ右中間に4本目のトライを決められてしまう(25-7)。 中盤、反則を繰り返す近鉄に対し、ホンダはこのチャンスを生かす。23分、ペナルティーからタッチ、ゴール前5m左ラインアウトからFWがラックサイドを連続で攻め最後はゴール直前左中間のラックからNo8 トマシ・ソンゲタがパワーで相手ディフェンス3人をかわして左中間にトライし反撃開始、12-25とした。 この後もホンダはFW、BKが一体となり連続で攻めるが得点を挙げられずに時間だけが進む。押され気味の近鉄は31分、左CTBデアリエンディのキックからチャンスを作り出し、ゴール前5m左ラインアウトからモールを押し込み左FL20番 田淵慎理が左中間にトライかと思われたがTMOにより、ノックオンの判定でノートライとなる。その後、両チームに得点は無く近鉄が逃げきった。(25-12) 後半は雨も強くなり、ハンドリングミスが多く、得点は両チーム1トライずつで終わってしまった。ホンダはFW、BK一体となった攻撃は見事だったが、決定力を欠いた。またゴールやPGを決めきれなかった点の修正やチームでの規律の確認をして次節に挑んで欲しい。近鉄は堅いディフェンスで逃げ切ったがブレイクダウンまわりを修正して次節に向かいたい。マン・オブ・ザ・マッチは先制トライをマークしボールにもよく絡み確実にゲインをした、近鉄No8ピエール・スピースに贈られた。 試合後にはオリンピック出場を決めたホンダのレメキ ロマノ ラヴァと後藤駿弥、ワールドカップ2015イングランド大会で活躍した近鉄のトンプソン ルークに花束が贈呈された。 ● 記者会見ダイジェスト ●
Honda HEAT 藤本ヘッドコーチ(右)、元FWリーダー 藤本知明ヘッドコーチ 「我々は4季ぶりのトップリーグでしたが、選手は前半の頭から良いチャレンジをしてくれました。しかし、前半の途中シンビンが三つ出てゲームが崩れてしまいました。レフリングに合わせていかないと自分たちに厳しい試合になるということが分かりました。後半は立て直してチャンスは作り出しましたが、雨の中でのゲームでミスもあり、なかなか形ができなかった事が非常に悔やまれます。勝つチャンスは大いにありましたが、生かしきれなかったところを修正して、来週に向けて準備していきたいと思います」 元 公法FWリーダー 「近鉄のプレッシャーがきつくてシンビンが出てしまいました。ゲーム前からフィジカルで圧倒していく目標で挑みました。圧倒できる場面もあったので自信につながりました。シンビンが出て苦しい時間帯も、チーム一丸となって我慢できたところが良かったと思います。良かったところは残して、今回出た課題をしっかり修正して来週に向けて取り組んでいきたいと思います」 近鉄ライナーズ 前田監督(右)、豊田キャプテン 前田隆介監督 「天候が悪い中でも沢山のファンの方々にスタジアムに来ていただけたことをありがたく思っています。試合内容については厳しさが足りません。多くのシチュエーションで厳しさが足りないプレーが見られました。自分達の甘さが実感できた試合でした。限られた時間の中でしっかりと修正を図って、次のパナソニック戦に備えたいと思います」 豊田大樹キャプテン 「凄く沢山のファンに来ていただけた中で試合ができて嬉しかったです。開幕戦であり、天候も悪くて難しい試合でしたが、エリアを取るところはこだわりを持ってしっかりとできました。まだまだ、ミスは多いが選手一人一人がしっかりとディフェンスをして良い戦い方ができたと思います。次の相手はとても強いので、一週間良い準備をして挑んでいきたいです」 ピエール・スピース選手(No8) 「一試合目でとても良い試合ができてとても嬉しいです。雨の中での難しいコンディションでしたが、それを克服してチームが勝利できて良かった」 (記事:鈴木博之、丸井康充) |