トップリーグ2015-2016 第2節 マッチサマリー(NEC 12-46 神戸製鋼)
NECグリーンロケッツ 12-46 神戸製鋼コベルコスティーラーズ トップリーグ2015-2016 第2節 グループB 前日から心配された雨はなく曇り空の下、ジャパンラグビー トップリーグ第2節、NECグリーンロケッツ対神戸製鋼コベルコスティーラーズのゲームがキックオフした。 試合は神戸製鋼コベルコスティーラーズのキックオフで始まった。開始早々から激しいコンタクトでの密集戦が展開される。神戸製鋼は4分、SHアンドリュー・エリスが好判断でNECディフェンスを突破し、LOアンドリース・ベッカーのトライで先制した。勢いに乗り神戸製鋼は15分SO山中亮平がドロップゴールを決め、NECを引き離しにかかる。 対するNECもここから反撃を始める。相手ペナルティから神戸製鋼陣地へ殺到し、23分、ラインアウトから得意のドライビングモールで押し込み、最後はCTB田村優がトライ、ゴールも成功させ、1点差に詰め寄る。 後半に入り、NECはSOサム・ノートンナイトのキックを軸に地域獲得を図るが、神戸製鋼は鋭いカウンターアタックを見せ、NECの地域獲得を許さない。その攻防の中、後半最初の得点もやはり神戸製鋼であった。11分神戸製鋼はラインアウトからモールを押し込み、HO木津武士がトライ、14分にも連続攻撃からPR山下裕史がNECの必死のディフェンスを振り切りトライ。ともにゴールを成功させ、試合の大勢を決した。神戸製鋼はその後も攻撃の手を緩めず、20分NO8谷口到が後半神戸製鋼の3連続となるトライを決め、ボーナスポイントを獲得、勝利を不動のものとした。 それに対してNECはここから意地を見せる。24分にペナルティから速攻を仕掛け、途中出場のHO臼井陽亮がトライ。その後も地元の大声援を受け必死の追い上げを見せる。さらにボーナスポイント獲得へ向け神戸製鋼ゴールラインに殺到するが、時すでに遅く、逆に40分神戸製鋼の中島ヴァカウタイシレリにトライを奪われ、ノーサイドのフォーンが場内に鳴り響いた。 両チームの攻防は激しく素晴らしいものであった。そんな中、NECは持ち前のディフェンスが神戸製鋼の猛攻を押し返すことができず、突破からの連続攻撃を受け、残念な結果となった。今後の立て直しに期待したい。 ● 記者会見ダイジェスト ●
NECグリーンロケッツ 相澤輝雄総監督 「地元の準備から応援まで、しかも8,000人近いファンの応援に心から感謝したい。スタンドからの『NEC』の声に応えて勝ちたかったのだが、ブレイクダウンで、またはハンドリングでのミスから良いゲームが作れず、勝利をつかめなかった。しかし、NECらしい『闘争心』を見せられた。これを基盤に次の試合に勝利したい」 ──意識過剰になったのでは? 「いつもと同じであった。初戦よりは堅さがなかった」 ──前半30分過ぎまでは対等であったが、そこから連続失点して崩れた要因は? 「ポイントに寄りすぎると外で取られた。また、ブレイクダウンも厳しい状況であったので思うように前へ出られなかった」 ──次戦のヤマハ戦に向けてコメントを。 「ヤマハはしっかりしたチームでとても強い。ブレイクダウンやセットプレーに負けないことが重要。NECの時間をできる限り多く作りたい」 瀧澤直キャプテン 「柏の葉で最高のこれだけのファンの前で試合ができたことが嬉しい。ホームゲームであっただけに勝ちたかった。悔しい。良いプレーはできたとは言えないが、ラグビーに感謝したい」 ──前半からスクラムがうまく組めなかった印象があるが? レフェリーとのコミュニケーションは? 「レフェリーとのコミュニケーションはよくできていた。レフェリーとの見解の相違もあった。取られたフリーキックが2本あったり、こちらが押し込んでペナルティを取り、それがトライにつながったりもした。ゲームを左右するものではなかった。レフェリーはこちらの3番と神戸の1番の距離が近いと言っていた。ウチは相手が寄ったと言い、神戸はウチが下げたと言う。レフェリーとの見解の相違としか言いようがない」 ──スクラム組み直しの影響は? 「反則を取られたものは確かに影響はあるが、プライドをかけたスクラムなので仕方がない。しかし、試合のリズムには影響はなかったと考えている」 ──神戸製鋼のブレイクダウンの印象は? 「非常に前へ出てくる。押し返しがすごい。そこで食い込まれたことが敗因だ」 ──次戦のヤマハ戦に向けてコメントを? 「反省してしっかり修正するのは当たり前だが、一つ勝つことが大切だ。細かい点を修正したい」 ──特にFW戦がキーだと思うが? 「もちろん。しっかりと戦って勝ちたい」 ──ヤマハ戦だがスタジアムは五郎丸選手を始め、地元の注目度も高い。要注意の選手や試合のポイントを教えていただきたい。 「これは五郎丸さんと言った方が良いですかね(一同笑い)……スクラム、ラインアウトなどのFWのセットプレーが強い印象があるので、FWと言いたい。もちろん反則をすれば五郎丸さんのキックがある。FWでしっかりプレッシャーをかけ、キックにプレッシャーを与えたい」 神戸製鋼コベルコスティーラーズ アリスター・クッツェー ヘッドコーチ 「試合の結果はハッピーであった。前試合よりチームとしてステップアップできた。先週、フィールドに忘れてきたトライを取ることができた。『トライを取りきる』というテーマが修正できた。セットからのコール、ブロークンなケースやアンストラクチャーなケースなど全てOKであった。20分前後の時間からセットなどでプレッシャーをかけ続けることができた。前半の良くない時間を立て直すことができた。少ないフェイズでトライを取れたことも大きかった」 ──フーリーの投入が効果的だった。立ち上がりからはいかないのか? 「フーリーの投入は確かに効果的だ。スタンドオフやそのポイントで組み立てて行きたい。けがの状態を見るとこのままの使い方がベストではないか」 ──前半30分すぎのターンオーバーからのトライが試合に大きな影響があったのでは? 「その通りだ。ルースレスからのプレーを練習してきたのでチームとして自信が持てた」 ──スタンドオフの山中選手の出来は良かったと思うが? 「とても良い。チームのために良くやっている。12番(CTB)のころよりいい選手になっている。経験値からキックも上手くなり、攻撃の際にチームが良く前に出られる。上手い」 橋本大輝キャプテン 「先週は良くなかった点を修正できた。トライを取りきるときに取らなければならないという修正ができた」 ──オフェンスで前に出てオフロードは良かった。戦術か? 「良くできていた。ディフェンスは規律を持ち、リーダーを中心に良かった」 ──前半は向かい風であったが? 「よく我慢したと思う」 ──リズム良くパスをつなぐ、これが神戸のアタックか? 「良くできた。良く意識していた…」 (ここでヘッドコーチが) ──スクラムについては? 「お互いの選手理解の基にプレーをしている。その中でレフェリーがどう裁くか。ウチにはインターナショナルな選手が2名いるので先週より良く対応していた。チーム全体のアベレージのアップを目標としたので、スクラムもそうかと思っている」 マン・オブ・ザ・マッチは神戸製鋼コベルコスティーラーズ9番、アンドリュー・エリス選手
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